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第181話
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神殿ハザマに来て一カ月経った。
思えば、こんなに退屈した事は無かった。
暇になればゲームをしたり、遊びに行ったりしていた。
ハザマ狩りも城を出したり消したりハザマに出入りしたりとやる事があった。
矢の道でレギオンがどんどん倒れて魔石がどんどんたまっている。
ネットを見て時間を潰す事も出来るが、そうやっていて、レギオンに負ければ死ぬ。
全力でレギオンに対抗しよう。
桃太郎の言葉が引っかかる。
『お前の城スキルは本当のお前の力じゃない』
確かに今の城スキルは何かが違う。
でも答えが分からない。
ただじっとして考えても答えが見つからなかった。
階層ごとに細かくして考えてみよう。
実際に触って、目で見るのが良いか。
プライベートルームを一周した。
……プライベートルームが大きすぎる。
どうして大きくなったんだ?
ホテルのロビー、たくさんの部屋、広い空間。
……俺の見栄。
人から、大きく見られたかった。
そうか、見えてきた。
こんなに広い空間は必要ない。
小さい自分を覆い隠して大きく見せたい俺の心が生み出したんだ。
スキルの力を無駄に使って来た。
「こんなに大きなプライベートルームは必要ない、俺は小さい、ただの人間だ」
『何かが始まった!』
『プライベートルームが小さくなっていく』
『おかしい、フトシの言っている事と逆に感じる。フトシが大きく見えてきた』
俺が目を閉じるとプライベートルームが小さく変わっていくのを感じる。
俺の手には輝く魔力があった。
この魔力の塊は、無駄に使っていたリソースか。
なにかが掴めて来た気がする。
矢の道を見るとレギオンが迫り矢で倒され、どんどん魔石がたまっていく。
考える時間はたっぷりある。
闘技場に向かう。
闘技場を見渡すと、観客席、そして13体のシャドーと1体のテスラゴーレムがいた。
観客席、これも小さい俺を覆い隠して大きく見せたい俺の心が生み出した。
観客席が少しずつ消えて手に魔力の塊が集まって来る。
パズルのピースがハマったように、問題が解けていくような感覚に快感を覚えた。
テスラゴーレム、これは、大きいレンに憧れた俺の心が作りだしたものだ。
でも、俺とレンは違う、本当の俺は得ない。
雷を使って無理をしている、それが今の俺だ。
大きな体も、雷も、すべてがレンへの憧れか。
テスラゴーレムが魔力の粒子となって俺の手に集まって来る。
俺のルーツ、最初のスキル、マイルーム。
始まりは、シャドーランサーと小さな空間だけだった。
それが、俺のルーツだ。
シャドーランサーは1体だけだった。
ああ、そうか、13体いるのも、俺を大きく見せたいその心が生み出したものか。
12体のシャドーが魔力に変わって俺の手に集まって来る。
『おいおいおいおい! テスラゴーレム1体とシャドー12体抜きはきついだろ!』
『いや、何かが始まっている、その予感がする』
『今度はフトシが門の部屋に向かていくぞ!』
門の部屋、俺のルーツはマイルームとシャドーランサーだった。
マイルームに門はあった、でも門のゴーレムは俺の力とは違う。
俺は、モンスターが怖かった。
俺の恐怖が生み出した力、本当の俺の力ではない。
この部屋は、必要ない。
ハザマの部屋も必要ない。
ハザマを出すなら矢の道に出せばいい。
目を閉じて集中するとハザマの部屋と門の部屋が消えていく。
モンスターが入って来るポイントをハザマの部屋から矢の道に切り替わった。
闘技場の中心に立た。
片手で金棒を出して伸ばす。
この闘技場は、まだ広い、広すぎる。
中心に立って、10メートルに延ばした金棒が届くギリギリの空間、それが俺の距離だ。
闘技場がドーム型に変わって狭くなっていく。
「シャドー、今まで力を発揮できなかったんだよな? これでもっと力が出せる」
俺の手にある魔力の塊が浮いてシャドーの口に吸い込まれた。
「矢の道、小さなドーム、小さなプライベートルーム、これで十分だ」
少し疲れた。
俺は小さな、プライベートルームに戻った。
ビフォー
第一階層 ハザマの部屋
第二階層 矢の道
第三階層 門の部屋
第四階層 闘技場
第五階層 プライベートルーム
↓
アフター
第一階層 矢の道
第二階層 小さなドーム
第三階層 小さなプライベートルーム
『レギオンの数が増えてきたぞ!』
『フトシのスキルに対策しているんだ!』
矢の道を突破してアリが入って来た。
中心に立ったシャドーが金棒を伸ばしてアリを倒した。
『シャドーが強くなってる!』
『金棒を伸ばせるようになったのか!』
『威力も速度も増した!』
俺のスキルが掴めて来た。
分かって来た。
俺は、少し前までの日本政府と同じだった。
日本が貧乏になっているのにスリム化できない。
ダイエットをすればいいのにダイエットせず、増税で1人1人の成長リソースを奪いながら予算を食べ続けるダメ人間、それが政府へのイメージだった。
俺も何も変わらない、変わらなかった。
体形は痩せても心が太っていた。
選択と集中、それによってスキルはシンプルになった。
俺の得意な事にリソースを集中させた。
気持ちがいい、違和感が減った快感。
俺は、その日ゆっくりと眠った。
思えば、こんなに退屈した事は無かった。
暇になればゲームをしたり、遊びに行ったりしていた。
ハザマ狩りも城を出したり消したりハザマに出入りしたりとやる事があった。
矢の道でレギオンがどんどん倒れて魔石がどんどんたまっている。
ネットを見て時間を潰す事も出来るが、そうやっていて、レギオンに負ければ死ぬ。
全力でレギオンに対抗しよう。
桃太郎の言葉が引っかかる。
『お前の城スキルは本当のお前の力じゃない』
確かに今の城スキルは何かが違う。
でも答えが分からない。
ただじっとして考えても答えが見つからなかった。
階層ごとに細かくして考えてみよう。
実際に触って、目で見るのが良いか。
プライベートルームを一周した。
……プライベートルームが大きすぎる。
どうして大きくなったんだ?
ホテルのロビー、たくさんの部屋、広い空間。
……俺の見栄。
人から、大きく見られたかった。
そうか、見えてきた。
こんなに広い空間は必要ない。
小さい自分を覆い隠して大きく見せたい俺の心が生み出したんだ。
スキルの力を無駄に使って来た。
「こんなに大きなプライベートルームは必要ない、俺は小さい、ただの人間だ」
『何かが始まった!』
『プライベートルームが小さくなっていく』
『おかしい、フトシの言っている事と逆に感じる。フトシが大きく見えてきた』
俺が目を閉じるとプライベートルームが小さく変わっていくのを感じる。
俺の手には輝く魔力があった。
この魔力の塊は、無駄に使っていたリソースか。
なにかが掴めて来た気がする。
矢の道を見るとレギオンが迫り矢で倒され、どんどん魔石がたまっていく。
考える時間はたっぷりある。
闘技場に向かう。
闘技場を見渡すと、観客席、そして13体のシャドーと1体のテスラゴーレムがいた。
観客席、これも小さい俺を覆い隠して大きく見せたい俺の心が生み出した。
観客席が少しずつ消えて手に魔力の塊が集まって来る。
パズルのピースがハマったように、問題が解けていくような感覚に快感を覚えた。
テスラゴーレム、これは、大きいレンに憧れた俺の心が作りだしたものだ。
でも、俺とレンは違う、本当の俺は得ない。
雷を使って無理をしている、それが今の俺だ。
大きな体も、雷も、すべてがレンへの憧れか。
テスラゴーレムが魔力の粒子となって俺の手に集まって来る。
俺のルーツ、最初のスキル、マイルーム。
始まりは、シャドーランサーと小さな空間だけだった。
それが、俺のルーツだ。
シャドーランサーは1体だけだった。
ああ、そうか、13体いるのも、俺を大きく見せたいその心が生み出したものか。
12体のシャドーが魔力に変わって俺の手に集まって来る。
『おいおいおいおい! テスラゴーレム1体とシャドー12体抜きはきついだろ!』
『いや、何かが始まっている、その予感がする』
『今度はフトシが門の部屋に向かていくぞ!』
門の部屋、俺のルーツはマイルームとシャドーランサーだった。
マイルームに門はあった、でも門のゴーレムは俺の力とは違う。
俺は、モンスターが怖かった。
俺の恐怖が生み出した力、本当の俺の力ではない。
この部屋は、必要ない。
ハザマの部屋も必要ない。
ハザマを出すなら矢の道に出せばいい。
目を閉じて集中するとハザマの部屋と門の部屋が消えていく。
モンスターが入って来るポイントをハザマの部屋から矢の道に切り替わった。
闘技場の中心に立た。
片手で金棒を出して伸ばす。
この闘技場は、まだ広い、広すぎる。
中心に立って、10メートルに延ばした金棒が届くギリギリの空間、それが俺の距離だ。
闘技場がドーム型に変わって狭くなっていく。
「シャドー、今まで力を発揮できなかったんだよな? これでもっと力が出せる」
俺の手にある魔力の塊が浮いてシャドーの口に吸い込まれた。
「矢の道、小さなドーム、小さなプライベートルーム、これで十分だ」
少し疲れた。
俺は小さな、プライベートルームに戻った。
ビフォー
第一階層 ハザマの部屋
第二階層 矢の道
第三階層 門の部屋
第四階層 闘技場
第五階層 プライベートルーム
↓
アフター
第一階層 矢の道
第二階層 小さなドーム
第三階層 小さなプライベートルーム
『レギオンの数が増えてきたぞ!』
『フトシのスキルに対策しているんだ!』
矢の道を突破してアリが入って来た。
中心に立ったシャドーが金棒を伸ばしてアリを倒した。
『シャドーが強くなってる!』
『金棒を伸ばせるようになったのか!』
『威力も速度も増した!』
俺のスキルが掴めて来た。
分かって来た。
俺は、少し前までの日本政府と同じだった。
日本が貧乏になっているのにスリム化できない。
ダイエットをすればいいのにダイエットせず、増税で1人1人の成長リソースを奪いながら予算を食べ続けるダメ人間、それが政府へのイメージだった。
俺も何も変わらない、変わらなかった。
体形は痩せても心が太っていた。
選択と集中、それによってスキルはシンプルになった。
俺の得意な事にリソースを集中させた。
気持ちがいい、違和感が減った快感。
俺は、その日ゆっくりと眠った。
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