学園初日で決闘に負けて死ぬ悪役貴族に転生した俺、エロ妖精を助けたら人生が変わった。エチエチイベントを起こすだけでレベルが上がる

ぐうのすけ

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第3話

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 薄暗くなった学園に光が届き、教師陣があわただしく動く。

「あの光は何ですか?」
「わ。分からない」
「でも、優しくて暖かいような、不思議な光ですね」

「だが、何か起きれば対処が必要となる。危険が無かったとしても生徒から質問責めにあう。学園長、マーリン様はどこに行った?」
「そうだ!マーリン様なら答えを知っているかもしれない」
「ダメだ!部屋を探しても見当たらない!」

「まさか!一人で原因を探索しに行ったのでは?」
「偉大なるマーリン様ならあり得る」
「俺達も現場に向かいませんか?」
「だが、学園に教師不在となるのはまずい。まずは人選を」

「た、大変です!多数の生徒が不思議な光について尋ねて来ました」
「明日発表する。皆には部屋に戻って貰え!」
「すでにその旨は伝えました!それでも引き下がりません!」

 教師は混乱していた。

 光が止んだ初級ダンジョンの方角からまた光が発生する。

「あ、あの光の球体は一体?」
「立て続けに何が起きているんだ!」

「「うろたえるでない!」」

 風魔法による大音声が学園に響く。

 光の球体からこの学園の長であるマーリン・ミステイクが姿を現した。
 頭頂部には毛が無く、真っ白な長いひげが伸びた老人の男。
 教師陣の前にマーリンが現れた瞬間に教師が集まる。

 そしてその後ろからは1人の生徒、

 そして生徒の肩に乗る妖精の姿があった。

 全員が輝きを放ち続ける生徒と妖精の姿に目を奪われた。




【マーリン・ミステイク】

 ワシは魔法で空を散歩していた。
 だがその途中で初級ダンジョンの入り口付近からまばゆい光が発生した。

 すぐに現場に向かうと、学園の生徒が妖精を肩に乗せていた。

 その男の名はフィール・バイブレーション。

 中々に整った顔つきの生徒で前見た時とは明らかに雰囲気が変わっていた。
 邪悪な雰囲気は消え去り、いや、それどころか善人にしか契約できないと言われる妖精を肩に乗せるあの姿に希望すら感じる。

 ワシは2人とやり取りをし、すぐに学園へと連れ帰った。

 じゃがワシが帰ると教師や生徒が羨望のまなざしでワシを褒めたたえる。

「後ろにいる輝く生徒を連れ帰ったという事は!彼の正体を掴んでいたのですか!」
「さすがマーリン様!すでに答えを見つけたのですね!」
「早い!我らが問題に慌てふためいている内に答えに到達していたのか!何という先見力!」
「俺達の何手先まで未来が見えているんだ!」
「マーリン様!我らに道をお示しください!」

 たまたま散歩をしていたら見つけて連れ帰っただけだ。
 たまたまじゃ。
 いつもこうじゃ。

 確かにワシは魔法に関しては他の人が出来ない事が出来る。
 魔法オタクじゃ。

 しかし、魔法でたまたま景色を見ていれば事件を発見する。
 たまたま上級魔法を撃てばドラゴンが出て来て巻き込まれる。
 今回もたまたま空を散歩していたら妖精と契約した生徒を見つけた。

「たまたまなんじゃがのう」
「またまた、はっはっは!ご謙遜を」
「今は冗談を言っている時ではありません!道をお示しください!」

 怒られた。
 こういう時に本当の事を言うと良く怒られる。

「うむ、今から会議を開く!皆を集めるのじゃ!」
「「すぐに集めます!」」

 教師陣が動き出した。
 だが、生徒の動揺は収まらない。
 生徒が声をあげる。

「私達にも聞かせてください!あの光の正体を教えてください!」
「気になって夜しか眠れません!」

「そうかの、では、円卓を使用するとするかのう。あそこなら多くの人が立ち会える」
「ま、まさか!円卓を!重要会議でしか使用しないあの円卓を使うのですか!この生徒と妖精はそこまでの重要案件だと、そう言う事ですか!」

「水晶球に会議の内容を記憶します!これは重要案件です!マーリン様が円卓を使うと言ったのです!それが答えです!」

 教師の言葉で大ごとになっていく。

「なあに、そこまでの事ではないでの、肩の力を抜いて聞くんじゃ」
「緊張状態で聞く案件ではありません!速やかに円卓に着席し、瞑想を始めなさい!心を整え、平常心で!万全の状態に近づけるのです!」

「そういう意味ではなくての」
「「分かりました!すぐに円卓に向かいます!!」」

 ワシの声はかき消された。
 ワシはそこまで大きな存在ではない。
 羨望のまなざしで見つめるのはやめて欲しい。

 円卓に着くと、円卓だけが優しい光に照らされる。
 円卓を見学できるように囲むような席が上の階にも作られている


 ワシが円卓に座ると全員が着席しており、一斉にワシとフィールを見た。
 フィールとチンカウバインを呼んだ。

「フィール、チンカウバイン、円卓に座るんじゃ」

 そう言ってワシが魔法で椅子を出す。

 ざわざわざわ!

 2人が中央にある円卓席に座るとざわつきが起こる。

「フィール君、輝いていてかっこいい!」
「フィールってあの入学初日のクズ野郎だよな?」
「でも、表情が前と違うわ」
「倒れた後に人が変わったらしいわよ」

「普通に考えて悪人が妖精と契約できるわけないだろ?」
「みんなの嫉妬じゃね?あいつ顔がいいし」
「契約をしていなくても妖精は邪悪な者を嫌う。フィールに近づいているって事はフィールは善人だ」
「見た感じ、邪悪さは感じないわね」

「むしろ神々しいオーラを感じる」
「あのマーリン様のオーラを超えてね?」
「そ、そう言われれば確かにそんな気もしてきた」
「大体入学初日で決闘して妖精契約だぜ?少なくとも普通じゃない」

「なんだろう?フィールが凄いやつに見えてきたぜ」
「きっとすごいのよ」
「凄いんだな」


「静粛に!皆の疑問はもっともじゃが、それを晴らすために会議を始めていいかの?」
「「始めてください!!」」

「うむ、まず分かっている事を報告してくれんかの?」
「分かっている事は多くありません。初級ダンジョンの入り口付近でまばゆい光が発生したかと思えばマーリン様が妖精と一人の生徒を連れて来ました。私が知っているのはこの程度です。マーリン様、道をお示しください」

 話が大きくなって来た。
 フィールに任せよう。

 みんなワシに期待しすぎじゃ。
 このパターンは言っても駄目なやつじゃ。
 こういう時は話を逸らす、これが一番効果的じゃな。

「妖精と契約したフィール・バイブレーション。契約までの内容を話すんじゃ。ワシはフィール以上の答えを持っておらんでの」

 このことでフィールに視線が移る。
 そして会議室がざわつく。

「心清き者しか契約できないあの妖精契約を成功させたのか?」
「やっぱりあれは妖精なのか!」
「でもあいつ!女を金で買おうとした奴だぜ?」
「だが、フィールの顔つきが明らかに違う。邪悪さが抜けている」
「ねえ、フィール君ってカッコよくない?」
「うん、かっこいいよ」

「静粛に!話を聞かんことには同じ話を繰り返すだけじゃ!今はフィールの話を聞くんじゃ!フィール、妖精と出会うきっかけからすべてを話すんじゃ!」

 フィールはゆっくりと話を始めた。
 決闘に負けた所から、自分の悪い部分を包み隠さずに話した。
 悪人特有の都合の悪い部分を隠すような部分は無く、むしろ誠実さを感じた。


「……という事がありました」

 最後にチンカウバインが短く答える。

「その通りだよ」

「おお!妖精と契約出来たフィールは悪人ではないだろう。むしろ善人と言える」
「でも、妖精の事が分からないわ。それに契約すればどうなるのかしら?」
「マーリン様、答えをお示しください!」

 ワシはそこまでの事は知らん。
 フィールに任せよう。
 ワシに期待されても困る。

「うむ、妖精の文献は多くない。あっても物語として語られる事が多く、事の真意は不明じゃ。じゃがのう。今ここに答えがあるではないか。フィール、そして妖精チンカウバインは妖精契約を交わしてここにいる。つまり、学園で、学園のみんなで知っていけばいいんじゃ。質問はフィールとチンカウバルンにするんじゃ。ワシはそれを見守るだけじゃ」

「つまりそれは、後世に残すべき偉大な研究を我ら教師と生徒に任せてくれると、そう取って良いでしょうか?」
「うむ、その通りじゃ!」

 ざわざわざわざわ!

「フィールの奴が、急に大きく見えてきやがった!」
「白馬の王子様みたいだわ!」
「俺には分かる、あいつはこれから強くなる。目を見れば分かるんだ」
「妖精の貴公子、フィール君ね」
「聖なる貴公子の方がいいわ」
「お前ら、もう少し見守ってから決めようぜ」



 注目はフィールとチンカウバインに移った。
 ワシは椅子に深く腰掛ける。
 作戦成功じゃ。
 ワシはただ、毎日魔法を使って、魔法を教えてのんびりと暮らしたいだけなんじゃ。

「すまんがお茶をくれんかの?喉が渇いての」

 ワシはまったりとくつろぎながらお茶を受け取り、飲む。
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