雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

文字の大きさ
114 / 116

第114話 希望

しおりを挟む
 ブルーホイールの丸い盾が高速で回る。
 当たれば弾かれる大楯か。

「俺の防御力は六角最強だ」
「それはさっきも聞いた」
「スティールソードを使っても意味はない。俺の盾を超えて攻撃を当てたとしても、俺の防御力は高い。生命力を吸い取る前にお前の魔力が切れるだろう」

「スティールソード!」

『な、何でスティールソードを使ったんだ! 無理だって!』
『アキラが挑発に乗ったのか!』
『アキラはもう、余裕が無いんだ! 意識が朦朧としている』

「がははははは、苦しいだろう? 痛いだろう? 寒いだろう? 死ねば全部楽になる!」

 ブルーホイールが丸い大楯を振りかぶった。

 ガン!ガガガガガガガガガガガガガン!
 盾を避けてブルーホイールを連続で斬りつけた。

『おおおおお! アキラが速くなってる!』
『パワーアップしたのか!』
『これなら行けるぞ!』

「速いが、この程度で」
「ディフェンスダウン!」

 ディフェンスダウンを当てて連続で斬りつけた。
 そして魔力が回復するとディフェンスダウンを当ててまた攻撃する。

 ディフェンスダウンを3回当てるとブルーホイールが後ろに下がった。
 それに追いつき剣を振ると、グレイブレイブが砕けた。

「あ!」
「そおおこだああああああああ! おりゃあああ!」

 ザン!
 ブルーホイールの高速回転する盾の刃で俺の胸を斬りつける。

「ぐはははははははは! 攻撃力アップの効果が付いた剣が砕けたか。そして傷を受けた」

 俺は無言でマナに貰った剣を抜いた。
 連撃を食らわせるとブルーホイールが一方的に攻撃を受けた。

「ぐああああごおうううおお! 何、だ、その、力、は!」

 ブルーホイールが黒い霧に変わって散った。

『ブルーホイールを倒したあああああ!』
『アキラのディフェンスダウンがあれば敵じゃないぜ!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおお!やったぜえええええええええええええええ!』

 マナとメイが走ってきた。

「私も戦えるわ! ブルームーンで撃ち倒すわ!」
「私も行けます! ブラックスターで踏んであげます☆」

 マナが俺に回復のカードを使った。

『メイとマナも復活した!!』
『行ける! 行けるぞ!』
『リツカを助けてくれ!』

 俺はスケルトンを倒していく。

 マナがツインハンドガンでスケルトンを倒す。

 メイが蹴りでスケルトンを倒していく。

 怖くて隠れていた冒険者も武器を持った。

「お、俺も行けるぞ!」
「私も戦えるわ! アキラが希望をくれたもの!」
「俺もやってやる!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

 スケルトンが倒れていく。

『アキラが流れを変えた! 倒せる! 倒せるぞ!』
『アキラが希望を与えたんだ!』
『ここまで人を変えるのか! アキラが凄すぎる!』

「リツカ、後ろに下がってくれ、俺が前に出るから!」
「……」
「リツカ! もういいんだ!」
「は、ははははは、そうか、そうだったんだ!」

 リツカの体が輝いた。

「白い宝石剣・ホワイトサン!」

 リツカがゲームと同じ武器を手に持った。

『リツカがソウルスキルに覚醒した!』
『レッドボーンがスケルトンを出せなくなってきた!』
『今なら行ける!』
『ゲームと違って六角の魔力は有限だ!』

 レッドボーンの前に強力な2体のスケルトンが立ちふさがった。
 右腕と左腕、この2体は常にレッドボーンを守っている。

「右腕(スケルトン)は私が押えます! トリックスター!」
「私も援護するわ!」
「私も戦えるよ!」

 を3人で追い詰める。

「私は左腕を抑える!」

 兄さんが走って左腕(スケルトン)を斬りつけた。
 そしてヤナギさんも走り挟み撃ちにするように斬りつける。

「おりゃあああああああああああああああああああああ!」
「く、来るなあああああああ!」

 レッドボーンが逃げ出すが俺は後ろから斬りつける。

「ぎゃあああああああああああああああ!」

 レッドボーンが黒い霧に変わった。
 六角の内5体を倒しが、それでもブラックハンドは偉そうにしたまま動かない。

 パチパチパチパチ!

「よく、六角の内5体も倒したものだ」

 ブラックハンドはそこに立ったまま動かない。

「なんだ、戦わないのか?」
「来い、相手になってやろう」
「なぜかかってこない?」
「我が呼ばれて動く事は無い。近くに呼ぶのなら、お前がここまで歩け」

『ブラックハンドのあの余裕は何だ?』
『アキラをおびき寄せようとしていないか?』
『罠かもしれない! 怪しすぎる!』

「ふむ、妄想を膨らませるのは勝手だが、もう一度言う。近くに呼ぶのなら、お前がここまで歩け、ああ、そうだったな。アキラ、お前は魂を燃やして無理をして戦った。ここまで歩くことすら苦しいだろう。そして我の攻撃を受ける余力が無いのだろう。はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」

『ブラックハンドの強者感は何なんだ? あいつなんかやばくね?』
『危険だ、危険すぎる。それにアキラが無理をしているのは本当だと思う』
『あの笑い方が怖い。怖すぎる』

 そうか、ブラックハンドは、今までのちぐはぐな行動の理由が分かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

処理中です...