雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第116話 光の妖精

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【リツカ視点】

 アキラが気を失ったけら3日が経った。
 今は私の家で寝ている。
 それでもアキラは起きない。

「ヒール!」

 毎日ヒールを使うのが日課になった。
 六角と戦ったあの時、私はアキラに恋をした。

 強引で、優しくて、無理をして前に出て私を守ろうとするその姿に私は惹かれた。
 もっと前から意識をしていて、前からアキラの事が好きだったのかもしれない。

 アキラの唇にキスをした。

「きゅう、少し休もう」
「……」

 きゅうがアキラのそばから離れない。
 胸騒ぎがした。
 良くない事が起きる胸騒ぎ。

 きゅうを見ていると悲しくなってくる。
 私は、部屋を出た。


【マナ視点・アキラが倒れてから7日目】

「アキラ、きゅうも、おはよう」

 きゅうはアキラから離れる様子が無い。

 アキラが目覚める様子もない。

「ねえ、武器を、剣を新しく作ったの、グレイブレイブは後先考えない攻撃特化の剣でしょ? この剣はね、自己修復機能を追加して頑丈さをアップしたの、折れにくいアキラを守るための剣よ」

「……」
「……」
「アキラ、起きるって信じてるから。ボロボロになった剣じゃなくてこの剣を使って、また一緒にゲートに行きましょう」

「……」
「……」

 私はアキラにキスをして部屋を出た。


【メイ視点・アキラが倒れてから9日目】

「きゅう、アキラ、おはようございます☆ チャクラヒール☆」

 アキラは目覚めず、きゅうはアキラから離れない。

「アキラ、覚えていますか? アキラとキドウ、3人でウサギのゲートに行く時の事を。私が蹴り強化のレアアイテムが欲しいと言ったら、アキラはその日からいつもウサギのゲートに行こうと言ってくれましたよね? 私は、蹴り強化のアイテムが取れると思っていなかったです。でもアキラは取りました。そして私に使ってくれて、アキラは皆に希望を与えました」

 私はアキラの手を握った。

「アキラ、目覚めてください。皆を救って、それで目が覚めなかったら、何のために、ううううう」

 涙が溢れ出す。

 私はアキラの唇にキスをした。
 そして頬を優しくなでる。

 ガチャリ!

 リツカとマナが入ってきた。

「うう、ひっく、まだ、目覚めません。もう、9日経って、まだ目覚めません」

 リツカとマナが無言で私を慰めた。

 そして3人、無言で部屋を出た。



【アキラ視点】

 体が寒い。

 俺の熱が無くなってきている。

 でも、近くに温かい光を感じる。

 きゅうが、俺の前に現れた。
 これは夢なのか?
 現実なのか?

 意識がおぼろげだ。

 俺の光が消えていく。
 きゅう俺の胸にふわっと止まる。
 きゅうから暖かい光が流れ込んできた。

「やめろ、それをやったらきゅうが」

 きゅうの光が俺に熱を与えてくれる。

「やめろ、きゅうが、消えるぞ」

 きゅうが小さくなっていった。

 きゅうを抱きしめようとする。
 
 きゅうが、片手で握れるほど小さくなった。

「もういいんだ」

 きゅうが笑顔を向けながら光になっていく。
 そして俺に吸い込まれるように消えた。


 目を開けるとリツカ・マナ・メイが俺を囲んでいた。

 3人が俺に抱き着いた。
 でも、きゅうがいない。

 目覚める前から分かっていた、きゅうは命を俺にくれたんだ。

 俺の中に、きゅうを感じる。

 俺は決断した。



 東高校の体育館にみんなが集まって、俺は壇上で卒業証書を受け取った。

「卒業証書、イナセアキラ君、高校生の全課程を終業します」

 パチパチパチパチ!

 全高朝礼の最後に5分だけ行われた俺だけの卒業式を終えて学校の校舎を出た。
 交流のあった生徒や先生が外に集まってくれた。

「イナセ先輩、先輩のおかげで1人でやっていく事が出来ました」
「アキラ君のおかげで剣の腕が上がったよ。ありがとう、ありがとう!」
「イナセ君、教師の立場でしたが、イナセ君から魔法を学びました。本当に感謝しています」

「僕こそ、皆さんにはよくしてもらい、そのおかげで高校のイメージが良いモノに変わりました。皆さん本当にありがとうございます」

 リツカ・マナ・メイも俺を見送る。

 1人で学校を出た。

「きゅう、希望を集めに行こう」

 胸に手を当てるときゅうを感じる。
 妖精は六角とは真逆の存在だ。
 
 人々の良心から生まれるのが妖精だと今なら分かる。

「でも、もう少しだけ、訓練をしてからだ」

 グレイブレイブを手に持ち、4つある宝石を見つめる。
 4つの内3つが輝いている。

 全部を輝かせる。

 そして、皆に希望をもたらす。

 それできゅうが蘇る保証はない。

 もしかしたら何も起きないかもしれない。

 何も変わらないかもしれない。

『やれることがあるなら全部やれ』

 クラックの声が聞こえたような気がした。

 温かい風が優しく頬を撫でた。

 俺は第7ゲート市に向かって歩き出す。

 終わり



 あとがき
 これで終わりです。
 皆様に読んでいただける作品では無かったようです。
 気持ちを切り替えて違う作品を作っていきます。
 最後までお読みいただいた方は、本当にありがとうございました。

 追記 
 ノクターンの方で連載中の作品があります。
 お読みいただければ嬉しいです。

 https://novel18.syosetu.com/n1062ip/
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