転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

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第45話 修行と予感

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「今からギャンブルの修行をする!ワシの指示に従うんじゃ」
「その前に何をするか言ってくれ」

「ギャンブルの本質とは道を切り開く力、すなわち決断じゃ、理性に頼らず、直感のみで決断を繰り返すんじゃ。皆の小さな困りごとや皆の迷った選択に助言をするんじゃ!ギャンブルのレベルが上がった今ならワシの言葉が分かるはずじゃ」

「じゃあ、冒険者登録をして依頼を待とう」
「ダメじゃな、その考えが駄目じゃ!お前は半分しかワシの言った事を分かっとらん!合理的に冒険者登録をしつつ依頼を効率的に受けてついでに修行をしようみたいに考えているじゃろ?ワシの言う事を適当に聞いて受け流そうとしとるじゃろ?」
「そうだな」

「それが駄目じゃ、理性は感覚を鈍らせる。そう言う事はギャンブルレベル10になってからすればええんじゃ!ユウタのレベルが上がらんと娼館のチケットが手に入らんじゃろう!」
「えええええええええ!?それまだ続いてたのか。それに娼館のチケットが欲しいから修行するのか」

「今から始めるんじゃ!」

 こうして修行が始まった。

「この服とこの服、どっちを着てデートに行けばいいか迷っている」
「その前に髪を切りましょう」

 俺はみんなの悩みに答える一問一答の相談所を開いた。

「そうか、服は」
「どっちも変わらないので、それでも迷うなら利き腕で持っている方を着て行ってください」
「そうか、ありがとう」

『ギャンブルレベル6→7』

 レベルが上がった。
 まじでか!
 おさわりじじいの言っている事はどこまでが本当でどこまでが嘘なのか分からない。
 これは、本当に効果がある!
 仮説で設置した相談所のテントにどんどん人が入って来る。
 外を見ると行列が出来ていた。
 今だけは相談する人がいなくなってくるまで続けてみよう。


 ◇


 食料都市マリンではユウタの話題で持ちきりだった。

「またユウタが人助けをしているようだぜ」
「おいおいおいおい!どれだけ幸運値を上げるってんだ!」
「おれ、ユウタのアドバイスを聞いて髪を切ったら彼女が出来た」
「俺行って来る!明日行って来る!」

「私は引っ越したよ、今は快適さね」
「俺は毎月貯金が出来るようになった」
「ワシは運動を始めて腰の調子が良くなったわい」

「私はお母さんへのプレゼントをユウタに選んでもらったわ」
「おさわりじじいと違って邪念が無いのがいいよな」
「そうね、相談する人が良くなる事だけに集中しているのがいいわ。真剣なあの顔が素敵」

「私も行ってみようかな」
「私も行くわ!」
「俺も俺も!」

 こうして無料相談所は混みあった。


【ユウタ視点】

 あれ?思ったより人が減らない、てか増えてる?
 なんか、異様に幸運値が上がっているし、それと、教育を受けていない人からの悩みは、案外毎日の習慣を変えるだけで簡単に解決したりする。

 俺が転生者だからか、素直に言う事を聞く人が多い気がする。
 効率よく相談を終わらせたいとか、そういう考えは捨てて、ただひたすらに相談に乗ろう。

「次の方どうぞ、エマさん?」
「ユウタ、お金貸してええ!」
「そういう相談はやってません」

 修行には決断の連続が大事だ。

「そんなあ!」
「お金をギャンブルで全部使わず、せめて半分は残しておいてください。相談は終わりです。次の方どうぞ」
「マッサージしてあげようか?ユウタならマッサージされてもいいよ?」

「……いいです」
「迷った?ねえ、迷った?」
「次の方どうぞ」
「おしかったわね」

 そう言ってエマさんが帰って行った。

 俺は相談者がいなくなるまで修行を続け、そしてギャンブルレベル9になった。
 相談所を畳み、街に出るとサーラ、アリーチェ、セリアと他の女性も集まっている。

 おさわりじじいがミノムシスモークの刑に処されていた。
 またか。

「こんばんわ」

 俺は挨拶だけをしてその場から立ち去ろうとする。

「ま、待つんじゃ」
「助けないぞ」
「そうじゃないわい!ユウタ、ギャンブルのレベルはいくつになった?」
「9だ。じゃあな」

「待つんじゃ!」
「え?なに?チケットなら持ってこないぞ」
「そうではない、お前に装備を渡したい、トランクに入っとる」

「私が宿屋から持ってきます」
「待て待て、ワシが直接渡すでの」
「助けないぞ」
「これは儀式じゃ、神聖な儀式、ユウタ、お前は大きく成長、げほ!げほ!けむい!やめ!げほ!げほ!」

 おさわりじじいは大量の煙でスモークされ続けた。

「持ってきました!」
「蝶ネクタイのタキシード、魔法でサイズ調整できるようですわね」

 セリアやアリーチェと同じタイプの高性能防具か。

「それはワシが昔に金貨を万単位で積み、作らせた一級品じゃ」
「なんでおさわりじじいが使わないんだ?いいものなら自分で使えばいいだろ?」

「最初はモテると思った。じゃがワシは良いおなごを見た瞬間にもみもみ!すっぽーん!ずぼずぼっと!流れるように動かねばならん!」

 凄い、おさわりじじいのいい方だけでナニをしたいのか分かった。
 すぐに服を脱げないのが嫌なのか。

「いい装備なので、ミノムシスモークは明日の朝までで許してあげます」

 明日の朝まで続くのか。
 え?じゃあ最初の予定はどんなに長かったんだ?

「ユウタ、ワシからの免許皆伝祝いじゃ」
「ありがとう、おさわりじじいはもう王都に」
「帰らん!この温泉はいい!若いおなごが集まってげほげほ!やめ!やめるんじゃ!」

「まあ、それではこれから、お家でお食事会をしません?」

 サーラの家には部下が住むようになり、部下は冒険者として活躍している。
 サーラ達は人助けも積極的に行った。
 結果、街のみんながお金を出し合って、家を直してくれたのだ。

「ユウタの師匠であるワシ!ワシワシ!ワシも参加じゃ!若いおなごだけのパーティー、楽しめそうじゃわい!」

 その瞬間周りにいたみんなの顔が怖くなった。

 パチン!パチン!パチン!パチン!

「やめ!火の粉を追加するんじゃないわい!熱!燃えとる!スモークじゃなく焚火になっとる!げほ!げほ!」

 おさわりじじいが必死でブランブランと揺れる。

「おさわりじじいは朝までトレーニングね」

「「私達が火を追加します!朝まで燃やし続けます!」」

「さあ、行きますわよ」

 サーラの家に行き、俺はタキシードに着替えた。

 全員が俺を見る。

「いいじゃない。似合ってるわよ」
「白と黒のタキシード、いいですわね」
「おさわりじじいもたまにはいい仕事をしますね。タキシード、いいです」

 セリアはタキシードが好きらしい。

「さあ、座って、皆で食事にしますわよ」

 俺は食事を楽しんだ。


 アリーチェと一緒に家に向かって夜道を歩く。

「……」
「……」

「ユウタ」
「ん?」
「賭けをしない?」

 アリーチェの顔がいつもと違う。
 心臓の鼓動が早まる。 
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