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第14話
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「私の部屋にいこ」
リコの部屋に入ると飲物が用意された。
「魔石の注入を始めよっか」
「その前に、この魔石は10倍にして返します。死ななければ、ですが」
カノンがキッチンスケールで魔石の重さをメモしていた。
「いいんだけどな」
「いえ、返します。強くなりたいので、今は借りてでも使います」
「意外とまじめだな」
「私をクズみたいに見てましたね?」
「うん、きゅうを取ろうとしただろ」
「きゅうを貸してもらうだけでも駄目ですか?」
「貸したら手なずけて自分の物にしようとするだろ?」
「いえ、必ず返すので貸して欲しいです」
「もう、また言い合いばかりして、早く魔石を注入しようよ」
「……魔石の注入が、苦手です」
「一回やってみてくれ」
カノンが右手に持った。
魔力を込めると魔石が光る。
ジェル状にはならないようだ。
そう言えば、昔は光った魔石を注射のように注入してて痛かった気もする。
でも、いつの間にか魔力を込めると魔石が柔らかくなって、そしてジェル状になっていた。
あれが普通なのかもしれない。
魔石を左腕に押し込むと、カノンの左腕が震えた。
「う、うううう、はあ、はあ、終わり、ました」
カノンは汗をかきながら魔石を注入した腕が赤くなり、赤みが腕に広がった。
「なんか、痛い注射を打つみたいだな」
「ま、まだあんなにたくさん」
たくさんある魔石を見つめてカノンの顔が引きつった。
「私なら、カノンよりはうまく打てるけど」
「お願いします」
「赤くなったところには打てないから、次は右腕でいいかな?」
「はい」
リコがカノンのお姉さんみたいに見えてきた。
リコが魔石を持ってカノンの右腕に押し付けるとカノンが痛そうな顔をする。
カノンの右腕が赤くなった。
「あり、がとう、ございます。リコの注入は良かったです。次はカケルにお願いしていいですか?」
「足にしよう」
俺が魔石に魔力を込めてジェル状にすると2人が驚く。
「え!形が変わった!」
「こんなの、見た事がありません」
「続けていいか?」
「お願いします」
俺はカノンの膝から下にジェル状になった魔石を塗った。
「え?痛くない、です!」
「凄いよ!」
「気持ちいいです!魔石を注入しているのに気持ちいいです!こんなの初めてです!」
「大げさな」
「つ、次もお願いします」
俺は顔と背中に魔石を塗った。
塗った部分が赤くなり、赤みが広がる。
「はあ、はあ、太ももにも、お願いします」
「……いや、太ももはさすがに、次の機会にしよう」
「カケルに塗って貰うと気持ちいいんです。カケルに入れて欲しいんです。たくさんたくさん入れてください。お願いします」
その言い方はやめて欲しい。
吐息を漏らしながら上目遣いで言うのはやめて欲しい。
「……分かった」
俺はカノンに魔石を塗る。
俺は太ももに魔石を塗りこんだ。
恥ずかしくなり、顔が熱くなってしまう。
吐息を漏らすような変な声を出さないで欲しい。
「はあ、はあ、次は、お尻と、お腹と、胸にもお願いします」
「いや、それは駄目だろ!」
「お願いします。もう、私と会わない気ですよね?痛いのはもう嫌です」
「カケル、塗ってあげて。塗ってあげないと可哀そうだよ。私が目隠しするから」
そう言って後ろからリコが俺の目を隠した。
リコの体が後ろから当たる。
俺は後ろからリコに抱き着かれるように目隠しをされて、柔らかいカノンの体に魔石を塗りこんだ。
カノンは吐息を漏らすような声を出し続けた。
「お、終わったか」
「ありがとう、ございます」
「カケル、凄いよ」
「こん、なの、初めて、です」
「次魔石を取ったら私もカケルに入れて貰おうかな」
「そうした方がいいです。気持ちいいですよ」
「あ、カノンは体がビリビリするよね?」
「はい、今日は泊めて下さい。体が痺れて、休みたいです」
「うん、ゆっくり休んで。明日には赤みが引くと思うから」
魔石を体に取り込むと体が痺れたような感覚になる。
でも、その状態でスキルを使うとスキルを使った時の感覚を自覚しやすくなるからスキルの練度を上げやすくなるんだけど、痛みを伴う。
もっと言うとこの状態で大虫と闘う事で更に練度は上がる。
でも、殺されやすくなるから言わないでおこう。
俺はやめろと言われた事をして強くなった。
思えば俺は無茶をしてきた。
時間が立つと赤みが消えて元に戻るのがそれまで魔石を注入できない。
「今日は帰る」
「カケル、ありがとね」
「ありがとうございました」
俺は家を出る。
リコとカノンの体温、匂い、吐息でドキドキしてしまい、逃げ出すように走って帰った。
「きゅう、帰って風呂にしよう」
「きゅう♪」
俺はきゅうで心を落ち着かせた。
【次の日】
スマホに連絡が来た。
ハンター高校からか。
まさか昨日魔石を塗りこんだ事で何かあったか?
悪い事はしていないはず。
嫌がられてもいないはず!
おかしい!
「もしもし」
「おう、太田だ」
「太田先生ですか?」
「そうだ、相談があってな、話がしたい」
「俺が問題を起こしたとか、そんな事じゃないですよね?」
ま、まさか昨日魔石を入れた件じゃないよな?
でもあれはお願いされたうえでの行為だったはず!
「相談だと言っているだろう。相談だ」
「分かりました。すぐに学校に向かいます」
先生の言葉で安心し、俺は学校へと向かった。
ハンター高校に入ると授業中だったが教室の窓から生徒が俺を見ていた。
職員室に入ると太田先生に手招きされた。
「コーヒーだ」
「ありがとうございます」
「ここ数日で一気に有名になったな」
「いえ、たまたまです」
「はっはっは、そんなわけが無いだろう。お前は強くなりすぎたんだ。それにきゅうも人気だ」
「それで、相談とは?」
「ネコノリコとクスノキカノンのボディーガードをやって欲しい。虫のいい話ですまないが、無償で頼む」
「えっと」
「まずは経緯を聞いて欲しい。無償で虫のいい話だとは思うが事情がある。先生が守ったらどうですか?とかは言わずに最後まで話を聞いて欲しい」
「はあ」
「まず経緯だが2人は見た目が良い。よくナンパをされたり声をかけられたりとトラブルが多い。で、俺が送り迎えをしたら今度は俺がセクハラをしている噂が立った。2人のファンは多い。嫉妬で話がおかしくなっている」
太田先生は生徒に対して駄目なものは駄目、という態度をとる。
だが、生徒からしたら煙たいため、ありもしない噂を流すだろう。
それをネットで拾われれば更に話がおかしくなるのは簡単に想像できる。
「だが、お前が近くにいれば安心だ。オオイワ、お前は優しい。そして強い。どうだ?頼まれて欲しい」
「リコはいいとしてカノンは苦手です。きゅうを狙ってますし」
「そこに関係する経緯も話しておこう。ネコノとクスノキを組ませようとしたのは俺だ。クスノキは同じハンターから強引に腕を掴まれた事がある。先生が近くにいて何とかなったがクスノキは男が怖いんだ。だがカケルは大丈夫だと突然電話がかかって来た。恐らくカケルの配信を見てお前の性格を見抜いたんだろう」
俺は大丈夫?
意味が分からない。
俺も男だ。
違いが分からない。
「……なぜカノンがお前に心を許したか、俺の予想を言っておく。リコが心を許した事。オオイワの真面目さや気を使う性格。そしてきゅうを癒した時のお前の行動。更にきゅうを手なずけている点だ。オオイワ、もっと自分に自信を持っていいんだ。話を戻すぞ」
「……はい」
俺は、自信が無いように見えるのだろうか?
人間関係に限定すればそうなのかもしれない。
「クスノキは頑張って強くなったがそれでもまだ高校生だ。襲われる可能性はある。しかもクスノキのスキルは最悪自分の身を守れたとしても人を殺す可能性がある」
たしかカノンは強力な魔法攻撃を使える。
見た事はないが、男子生徒がそう話していた気がする。
「……理由は分かりましたが、きゅうを狙っているのは納得できません。俺はきゅうを大事にしています」
「……今分かった。きゅうは強いんだろ?クスノキは、きゅうの力を見抜いているのかもしれん」
自衛の為に欲しがっている。
昨日の話を思い出した。
『きゅうを貸してもらうだけでも駄目ですか?』
『貸したら手なずけて自分の物にしようとするだろ?』
『いえ、必ず返すので貸して欲しいです』
「思い当たる点はあります」
「引き受けてくれるか?オオイワならボディガードから進展してクスノキかネコノと結婚だって出来るかもしれん」
「結婚出来るとは思えません。完全に守り切る自信は無いですが、2人を強くするなら、出来るかもしれません」
「……それでいい。今はな。それに全部の責任をオオイワに押し付けようとは思わない。俺だって出来る事はする」
先生は言葉を飲み込むように俺に同意した。
多分、オオイワなら結婚出来ると言いたかったんだろう。
もっと自信を持てと言いたかったんだろう。
でも、それを言うと話の軸がぶれるから飲み込んだんだ。
「一番いいのは配信を辞める事だと思いますけどね」
「もう手遅れだろうな。クスノキは配信を始める前からハンターの男に目をつけられている。もっと言うとネコノは登録者数が増えすぎた。それにネコノには家庭の事情もある。大穴で稼ぐよりは配信で収入を得た方が安全かもしれん」
ネコノはお金を稼ぎたくて配信をしているのか。
パン屋さんは重労働だ。
ぱんにゃんは人気の店だが、販売価格が安い。
ネコノの家も古い感じで持ち家ではなく賃貸のように思えた。
シングルマザーで重労働、ネコノならお母さんを助けたいと、そう思うだろう。
太田先生は、大虫に殺されるより、配信の方がマシだと考えている。
俺もそう思う。
大虫を倒す魔石集めは返り討ちに合うリスクがあるのだ。
「分かりました。出来る範囲でやります。帰りますね」
「時間を取らせたな」
「いえ、失礼しました」
「はははは、もう社会人なんだ。もう少し砕けた話し方でもいいんだぞ」
「考えておきます。それでは帰ります」
「おう、お疲れ」
チャイムが鳴ると生徒が集まって来る。
「カケルだ!」
「鉄拳だ!」
「見て!きゅうよ!」
俺はスマホを向けられ、急いで学校を出た。
リコの部屋に入ると飲物が用意された。
「魔石の注入を始めよっか」
「その前に、この魔石は10倍にして返します。死ななければ、ですが」
カノンがキッチンスケールで魔石の重さをメモしていた。
「いいんだけどな」
「いえ、返します。強くなりたいので、今は借りてでも使います」
「意外とまじめだな」
「私をクズみたいに見てましたね?」
「うん、きゅうを取ろうとしただろ」
「きゅうを貸してもらうだけでも駄目ですか?」
「貸したら手なずけて自分の物にしようとするだろ?」
「いえ、必ず返すので貸して欲しいです」
「もう、また言い合いばかりして、早く魔石を注入しようよ」
「……魔石の注入が、苦手です」
「一回やってみてくれ」
カノンが右手に持った。
魔力を込めると魔石が光る。
ジェル状にはならないようだ。
そう言えば、昔は光った魔石を注射のように注入してて痛かった気もする。
でも、いつの間にか魔力を込めると魔石が柔らかくなって、そしてジェル状になっていた。
あれが普通なのかもしれない。
魔石を左腕に押し込むと、カノンの左腕が震えた。
「う、うううう、はあ、はあ、終わり、ました」
カノンは汗をかきながら魔石を注入した腕が赤くなり、赤みが腕に広がった。
「なんか、痛い注射を打つみたいだな」
「ま、まだあんなにたくさん」
たくさんある魔石を見つめてカノンの顔が引きつった。
「私なら、カノンよりはうまく打てるけど」
「お願いします」
「赤くなったところには打てないから、次は右腕でいいかな?」
「はい」
リコがカノンのお姉さんみたいに見えてきた。
リコが魔石を持ってカノンの右腕に押し付けるとカノンが痛そうな顔をする。
カノンの右腕が赤くなった。
「あり、がとう、ございます。リコの注入は良かったです。次はカケルにお願いしていいですか?」
「足にしよう」
俺が魔石に魔力を込めてジェル状にすると2人が驚く。
「え!形が変わった!」
「こんなの、見た事がありません」
「続けていいか?」
「お願いします」
俺はカノンの膝から下にジェル状になった魔石を塗った。
「え?痛くない、です!」
「凄いよ!」
「気持ちいいです!魔石を注入しているのに気持ちいいです!こんなの初めてです!」
「大げさな」
「つ、次もお願いします」
俺は顔と背中に魔石を塗った。
塗った部分が赤くなり、赤みが広がる。
「はあ、はあ、太ももにも、お願いします」
「……いや、太ももはさすがに、次の機会にしよう」
「カケルに塗って貰うと気持ちいいんです。カケルに入れて欲しいんです。たくさんたくさん入れてください。お願いします」
その言い方はやめて欲しい。
吐息を漏らしながら上目遣いで言うのはやめて欲しい。
「……分かった」
俺はカノンに魔石を塗る。
俺は太ももに魔石を塗りこんだ。
恥ずかしくなり、顔が熱くなってしまう。
吐息を漏らすような変な声を出さないで欲しい。
「はあ、はあ、次は、お尻と、お腹と、胸にもお願いします」
「いや、それは駄目だろ!」
「お願いします。もう、私と会わない気ですよね?痛いのはもう嫌です」
「カケル、塗ってあげて。塗ってあげないと可哀そうだよ。私が目隠しするから」
そう言って後ろからリコが俺の目を隠した。
リコの体が後ろから当たる。
俺は後ろからリコに抱き着かれるように目隠しをされて、柔らかいカノンの体に魔石を塗りこんだ。
カノンは吐息を漏らすような声を出し続けた。
「お、終わったか」
「ありがとう、ございます」
「カケル、凄いよ」
「こん、なの、初めて、です」
「次魔石を取ったら私もカケルに入れて貰おうかな」
「そうした方がいいです。気持ちいいですよ」
「あ、カノンは体がビリビリするよね?」
「はい、今日は泊めて下さい。体が痺れて、休みたいです」
「うん、ゆっくり休んで。明日には赤みが引くと思うから」
魔石を体に取り込むと体が痺れたような感覚になる。
でも、その状態でスキルを使うとスキルを使った時の感覚を自覚しやすくなるからスキルの練度を上げやすくなるんだけど、痛みを伴う。
もっと言うとこの状態で大虫と闘う事で更に練度は上がる。
でも、殺されやすくなるから言わないでおこう。
俺はやめろと言われた事をして強くなった。
思えば俺は無茶をしてきた。
時間が立つと赤みが消えて元に戻るのがそれまで魔石を注入できない。
「今日は帰る」
「カケル、ありがとね」
「ありがとうございました」
俺は家を出る。
リコとカノンの体温、匂い、吐息でドキドキしてしまい、逃げ出すように走って帰った。
「きゅう、帰って風呂にしよう」
「きゅう♪」
俺はきゅうで心を落ち着かせた。
【次の日】
スマホに連絡が来た。
ハンター高校からか。
まさか昨日魔石を塗りこんだ事で何かあったか?
悪い事はしていないはず。
嫌がられてもいないはず!
おかしい!
「もしもし」
「おう、太田だ」
「太田先生ですか?」
「そうだ、相談があってな、話がしたい」
「俺が問題を起こしたとか、そんな事じゃないですよね?」
ま、まさか昨日魔石を入れた件じゃないよな?
でもあれはお願いされたうえでの行為だったはず!
「相談だと言っているだろう。相談だ」
「分かりました。すぐに学校に向かいます」
先生の言葉で安心し、俺は学校へと向かった。
ハンター高校に入ると授業中だったが教室の窓から生徒が俺を見ていた。
職員室に入ると太田先生に手招きされた。
「コーヒーだ」
「ありがとうございます」
「ここ数日で一気に有名になったな」
「いえ、たまたまです」
「はっはっは、そんなわけが無いだろう。お前は強くなりすぎたんだ。それにきゅうも人気だ」
「それで、相談とは?」
「ネコノリコとクスノキカノンのボディーガードをやって欲しい。虫のいい話ですまないが、無償で頼む」
「えっと」
「まずは経緯を聞いて欲しい。無償で虫のいい話だとは思うが事情がある。先生が守ったらどうですか?とかは言わずに最後まで話を聞いて欲しい」
「はあ」
「まず経緯だが2人は見た目が良い。よくナンパをされたり声をかけられたりとトラブルが多い。で、俺が送り迎えをしたら今度は俺がセクハラをしている噂が立った。2人のファンは多い。嫉妬で話がおかしくなっている」
太田先生は生徒に対して駄目なものは駄目、という態度をとる。
だが、生徒からしたら煙たいため、ありもしない噂を流すだろう。
それをネットで拾われれば更に話がおかしくなるのは簡単に想像できる。
「だが、お前が近くにいれば安心だ。オオイワ、お前は優しい。そして強い。どうだ?頼まれて欲しい」
「リコはいいとしてカノンは苦手です。きゅうを狙ってますし」
「そこに関係する経緯も話しておこう。ネコノとクスノキを組ませようとしたのは俺だ。クスノキは同じハンターから強引に腕を掴まれた事がある。先生が近くにいて何とかなったがクスノキは男が怖いんだ。だがカケルは大丈夫だと突然電話がかかって来た。恐らくカケルの配信を見てお前の性格を見抜いたんだろう」
俺は大丈夫?
意味が分からない。
俺も男だ。
違いが分からない。
「……なぜカノンがお前に心を許したか、俺の予想を言っておく。リコが心を許した事。オオイワの真面目さや気を使う性格。そしてきゅうを癒した時のお前の行動。更にきゅうを手なずけている点だ。オオイワ、もっと自分に自信を持っていいんだ。話を戻すぞ」
「……はい」
俺は、自信が無いように見えるのだろうか?
人間関係に限定すればそうなのかもしれない。
「クスノキは頑張って強くなったがそれでもまだ高校生だ。襲われる可能性はある。しかもクスノキのスキルは最悪自分の身を守れたとしても人を殺す可能性がある」
たしかカノンは強力な魔法攻撃を使える。
見た事はないが、男子生徒がそう話していた気がする。
「……理由は分かりましたが、きゅうを狙っているのは納得できません。俺はきゅうを大事にしています」
「……今分かった。きゅうは強いんだろ?クスノキは、きゅうの力を見抜いているのかもしれん」
自衛の為に欲しがっている。
昨日の話を思い出した。
『きゅうを貸してもらうだけでも駄目ですか?』
『貸したら手なずけて自分の物にしようとするだろ?』
『いえ、必ず返すので貸して欲しいです』
「思い当たる点はあります」
「引き受けてくれるか?オオイワならボディガードから進展してクスノキかネコノと結婚だって出来るかもしれん」
「結婚出来るとは思えません。完全に守り切る自信は無いですが、2人を強くするなら、出来るかもしれません」
「……それでいい。今はな。それに全部の責任をオオイワに押し付けようとは思わない。俺だって出来る事はする」
先生は言葉を飲み込むように俺に同意した。
多分、オオイワなら結婚出来ると言いたかったんだろう。
もっと自信を持てと言いたかったんだろう。
でも、それを言うと話の軸がぶれるから飲み込んだんだ。
「一番いいのは配信を辞める事だと思いますけどね」
「もう手遅れだろうな。クスノキは配信を始める前からハンターの男に目をつけられている。もっと言うとネコノは登録者数が増えすぎた。それにネコノには家庭の事情もある。大穴で稼ぐよりは配信で収入を得た方が安全かもしれん」
ネコノはお金を稼ぎたくて配信をしているのか。
パン屋さんは重労働だ。
ぱんにゃんは人気の店だが、販売価格が安い。
ネコノの家も古い感じで持ち家ではなく賃貸のように思えた。
シングルマザーで重労働、ネコノならお母さんを助けたいと、そう思うだろう。
太田先生は、大虫に殺されるより、配信の方がマシだと考えている。
俺もそう思う。
大虫を倒す魔石集めは返り討ちに合うリスクがあるのだ。
「分かりました。出来る範囲でやります。帰りますね」
「時間を取らせたな」
「いえ、失礼しました」
「はははは、もう社会人なんだ。もう少し砕けた話し方でもいいんだぞ」
「考えておきます。それでは帰ります」
「おう、お疲れ」
チャイムが鳴ると生徒が集まって来る。
「カケルだ!」
「鉄拳だ!」
「見て!きゅうよ!」
俺はスマホを向けられ、急いで学校を出た。
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