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第44話 相性

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 俺はAランクに飛び掛かった。

「ホーミング!ショット!」

 Aランクは後ろに下がり、俺の射程外からアサルト銃が放たれた。

「シールド!」

 前にシールドを展開して攻撃を防いだ。

「バリア魔法か。お前のスキルが分かってきた。ショットとホーミングはお前の半径10メートルまでが限界だ。ガンナーとして未熟すぎる。範囲外から一方的に仕留める」

 Aランクはどこか寡黙な雰囲気で、冷静に俺を見ていた。
 だが、あまり話さないように見えて意外と話をする。
 そしてアサルト銃の発射速度と射程が驚くほど長く、連射性能も高い。

 俺は空を走りながらAランクに迫るが俺の動きが読まれている。

 俺はシールドを出して攻撃を防いだ。

「そうか、バリア魔法を踏み台にして空を走るか。バリア魔法の技量だけは高い。だが経験不足で動きが単調だ。場数が足りない」

 アサルトの連射が飛んでくる。

「シールド!」
「それは何度も見た。バズーカ!」

 片手をアサルトから離して手から弾丸を発生させ、拳で弾丸を殴ると大きな弾丸が発射される。
 シールドが破壊された。

「お前のシールドはバズーカで破壊可能だ」

 地面に着地すると攻撃を受けそうになりシールドを張った。

「無駄だ!バズーカ!バズーカ!バズーカ!バズーカ!バズーカ!」

 俺は連続でシールドを発生させて攻撃を防いだ。

 俺の周りに砂煙が舞い上がる。
 その砂煙を利用して一気に横に飛んでからAランクに迫った。

 あと少しで届く!

「エスケープショット!」

 Aランクは、物凄い勢いで後ろに飛んだ。
 俺から距離を取りつつ俺にアサルトを当てた。

「エスケープショット、ガンナーの飛ばす力を自分に使い、一瞬だけ高速で移動するスキルだ。む?無傷、そうかバリアを一瞬で張り直しているな?やはりバリア魔法の技量だけは高いか」
「Aランクか。どれだけスキルを持っているんだ?」

 これがAランクか、冒険者資格はSからFまである。
 だがSランク資格を持つ者は存在しない。
 つまりAランクが現状最強なのだ。

「答えると思うのか?分かって来た。お前の切り札はバリア魔法だ。つまりガンナーと相性が悪い。接近しなければ俺を倒す事は出来ん。もっとも、俺はファイターだろうが接近される前に倒して来た。逃げるのは得意だ。捕まえられると思うな」

 俺の能力はバリア魔法とファイターの力だ。
 接近できなければ倒せないのは確かにその通りだ。

 俺は全力でステップを踏んでAランクに接近しようとした。

「動きが単調すぎる!」
 
 アサルトを撃たれて全身を阻まれた。
 腕にシールドを作り、アサルトの攻撃を盾で受けながら前進する。

「それは効かん!バズーカ!」

 盾を破壊された。
 その瞬間に一気に前進する。

「エスケープショット!動きが単調すぎると言っている!お前は経験不足だ!動きが読みやすい!」

 Aランクは高速で下がりつつアサルトを撃った。
 出し抜けない。
 お互いにダメージを与えられないまま戦いが続く。

 くそ!持久戦に持ち込めるならまだ勝機はあった!
 出来るだけバリアで攻撃を防ぎつつ魔力循環で魔力を回復させながら戦えば、いや、魔力は持っても体力が持たないか?

 今は早く決着をつけなければ皆が危ない!
 短期決戦以外ありえない。
 おまけに俺は本調子ではない。
 Aランクの言った通り強敵との戦いは経験不足でもある。

 俺はAランクを凝視して戦い続けた。


「シールドは効かない!接近もさせない!お前はもう積んでいる!」
「そうか、ガンナーはそういうふうに魔力を使うのか」
「目が良いようだが、分かった所で対処できなければ意味がない」

「そうだな、このままじゃ無理だ」

 ヨウカ達を見ると劣勢だ。

 予感がした。
 俺は、もっと遠くまでショットを飛ばせる力を持っている。
 ガンナーの能力は苦手だ。
 でも、これが限界ではない。

 使っていなかっただけだ。

 力を願っていなかっただけだ。

 スキル枠に余裕がある感覚があった。
 時間が止まり、俺の中で何かが変わっていく。


『スキル枠が拡張されました』

『新スキルを取得しました』

『新スキルを取得しました』

『射撃のスキル取得によりショット・ホーミングの射程距離が10メートルから1キロに拡張されました』



 ユウヤ 男
 ジョブ ????
 レベル ????
 体力  ????
 魔力  ????
 速力  ????
 スキル:『生活魔法』『バリア魔法』『剣術』『剛力』『疾風』『魔力循環』『射撃』『狙撃』

 射撃は俺の射程を上げ、連射力も向上する。
 狙撃は俺の射撃命中率をアップさせる。
 どういう法則でスキル枠が増えるのかは分からない。
 だが、枠に余裕がある事だけは感覚で分かった。

 これが修羅の行か。
 危機が迫って、感覚が研ぎ澄まされる。
 魔力循環を応用してAランクの魔力を見る事で俺もガンナーの戦い方が少しだけ分かった来た。

「ホーミング!ショット!」
「無駄だ!届かん!」

 俺はホーミングを2つ出しつつ、ショットでAランクを狙う。

「ぐおおおおお!急に成長したのか!」

 俺はショットを出しながらAランクに迫った。

「そうか!そのショットは射撃だけではない!バリア魔法の能力を、っぐはああ!」

 俺はAランクの首を斬り落とした。

「はあ、はあ、だまし討ちで、何とか勝てたか」

 Aランクは接近されるとあっけなく倒す事が出来た。
 速力は高くても体力が無かったのだろう。
 そんな事よりも、ヨウカ達は!


 ヨウカの服が破かれていく。

「こ、来ないで!」
「はははは、あかり、怖いだろ?俺が怖いだろ!あんな目にあった後でまた俺が現れたんだ!ははははははははははは!」

「来ないで!サンダー!」

 あかりのサンダーをジンが躱す。

 そしてあかりに迫った瞬間俺は陣を狙い撃った。

「当たれええええええ!!」

 ホーミングとショットがジンと他のファイターを狙った。
 ジンは攻撃を躱して後ろに下がった。

 ホーミングの効果時間が10分、そして射程が1キロになった事で、効果時間が切れる前にファイターを全滅させることが出来るだろう。
  だが、ジンは倒せないか。

「来るな!村人を殺すぞおおおおお!」

 俺は叫んだ男の頭をショットで打ち抜いた。

「クズの脅しには乗らない!」

「ははははははははははははははははは!お前ら下がりな、お前も攻撃を止めろ!」


 ファイターが下がった瞬間に俺はホーミングを消して攻撃を止めた。
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