100 / 115
眠るベリー
しおりを挟む
ベリーが眠る瞬間、ベリーの意識が少しだけ流れ込んできた。
オロチのテイム契約をベリーに移した瞬間、ベリーの意識にキュウビとオロチの記憶が共有された。
キュウビが人を殺した記憶がベリーに流れ込む。
オロチが人を殺した記憶がベリーに流れ込む。
ベリーは元々キュウビやオロチと同じ存在だった。
ベリーは罪の意識を感じていた。
さらに追い打ちをかけるように民が扇動されていた。
いや、その前からベリーの精神は負荷を受けていた。
108年の眠り。
ベリーが眠りから覚める前に俺は死んでしまうだろう。
俺が死んだらベリーも死ぬ?
分からない。
だが、俺はベリーにまた会いたい。
ベリーは眠ったままの方が幸せかもしれない。
それでも俺はベリーに会いたい。
俺は、ベリーが好きだ。
「ウイン、どうしたのじゃ!?」
「ああ、大丈夫だ」
「大丈夫な顔はしておらぬ」
「ベリーの眠りは108年続く」
「……そうか。すまぬことをしたのう」
「いや、それよりもフェイクニュースだ。俺はこのフェイクニュースのやり方に覚えがある。デイブックのマスコミギルドだ。俺は奴らを許せない」
「うむ、確かにやり方がヤマトの民の常識から外れすぎておる。候補が絞られてきたのう。南東島じゃ。デイブックの優秀な者を囲い込んでおるのは南東島の領主じゃ」
「俺は呪いを全力で解いてみようと思う」
俺の中にある呪いは8割以上浄化した。
もしかすれば呪いを浄化できればベリーが早く目覚めるかもしれない。
「そうじゃの。やれる事はやるのがいいじゃろう。ワシも古文書を調べさせる。それと、望み薄じゃがヨウザンにも連絡して協力を頼むでの」
「頼む」
俺はディアブロ王国へ向かう船に乗らなかった。
その日から俺は全力で呪いの浄化を行った。
毎日瞑想して過ごす。
内にある炎が強くなるのを感じる。
だが、呪いを浄化してもベリーの休眠状態は解除されない。
1つ1ついこう。
出来る事は全部やる。
やってみなければ分からない。
次はベリーのスキルを使う。
使い続ければ目覚めが早くなるかもしれない。
俺はキュウビとオロチの力を使える。
キュウビのスキルを使う。
「きゅう!」
きゅうが現れる。
俺はきゅうを抱きしめ撫で回す。
「少しだけ気持ちが楽になった」
きゅうの能力は【狐火】だ。
岩場に移動し、きゅうに狐火を使ってもらう。
火の玉が現れる。
俺の思ったように動かすことが出来、岩に当たると一気に岩全体が燃えた。
ホーミングファイアか。
次はオロチの力を使う。
「クサナギ!」
オロチの能力はクサナギ。
刀が現れる。
更に炎を吸う事で一定時間切れ味が増す効果もある。
更に吸った炎を斬撃に変えて飛ばすことも出来る。
岩を切ると刃が簡単に岩を斬ることが出来た。
「強い。俺が使っていた武器より強い」
俺はきゅうとクサナギを毎日使い続けた。
スキルを使いこなせるようになるほど俺の両手の甲に紋章が浮かび、紋章が濃くなっていく。
俺は一瞬できゅうとクサナギを出現させられるようになり、スキルを使いこなせるようになったが、ベリーの休眠時間は変わらなかった。
タケルに調べてもらっている古文書もヨウザンの返答も良い結果は返ってこない。
俺は毎日魔物を狩った。
じっとしていると気分が落ち込む。
「ウイン様!城にお戻りください」
ヤマトの兵士が走って来る。
「どうした?」
「南東島と南西島の軍が城に迫っています!」
南東島と南西島は結託していたのか!
同時に城を攻めて一気に落とす気か!
「すぐに戻る!」
城下町にたどり着くと、暗くなっており家が燃えていた。
軍がたどり着いたにしては早すぎる!
俺は慌てふためく城下の町人に話を聞いた。
「何があった!」
「南東島の精鋭部隊だ!奴ら先行して背後から攻めてきたんだ!」
精鋭部隊なら動きが早く奇襲も可能だ。
俺は城に急いだ。
城にたどり着くと、タケルが太刀を両手で持って敵を倒していく。
「無事なようだな」
「ぶじじゃが、策にはまったわ!奴らワザと騒ぎを起こし、陽動を使い注意を引き付けてからこの城に攻め込んできおった!混乱が目的かと思っておったが、今ワシの首を狙っておる」
陽動で兵をおびき出してからタケルの首を精鋭で狙うか。
思い切った事をする。
俺はクサナギときゅうを出す。
俺とタケル、周りの兵で精鋭を倒していく。
南東島の精鋭を倒し終わると拍手が聞こえる。
白いスーツを着た怪しげな男が拍手をしていた。
「君がタケルか?私の名前はヘイトだ。もっとも死にゆく君に言っても意味はないと思うがね」
ヘイトの後ろには100の兵が控え、短剣を持っている。
装備の見た目、動きを見て確信した。
こいつらはデイブックの者だ。
「フェイクニュースを流したのはお前か?」
「私が命令したが今は君と話す気はない。私が欲しいのはタケルの首だけだ」
「舐められたものだのう。簡単にワシの首を取れると思うでないぞ」
「君がほどほどに強い事は分かっている。だが私ほどではない。ふむ、フェアでは無いので言っておこう。私は勇者で、この剣は聖剣エクスカリバーだ。そして私はマスコミギルドを陰で操る権力者でもある」
「権力者であることは関係無かろう。ここは戦場じゃ」
「関係ないと思うかね?」
ヘイトは指をパチンとはじいた。
その瞬間後ろに控えていた100の精鋭がタケルに迫る。
「はははははははは!権力も役に立つと思わないかね?」
タケルは精鋭部隊に囲まれつつあった。
味方の兵も倒されていく。
「ぐう!ちときついのう!」
更にヘイトはゆっくりと剣を抜く。
そして歩きながらタケルに近づいていく。
俺は全力を出さず、ヘイトの近くに迫るがタケルに迫った精鋭の一部が俺の邪魔をする。
俺はヘイトに出来るだけ近づいてから一気に全力で走る。
ヘイトが身構えるが遅い!
「キャンプファイア!」
俺は奥の手を使った。
オロチのテイム契約をベリーに移した瞬間、ベリーの意識にキュウビとオロチの記憶が共有された。
キュウビが人を殺した記憶がベリーに流れ込む。
オロチが人を殺した記憶がベリーに流れ込む。
ベリーは元々キュウビやオロチと同じ存在だった。
ベリーは罪の意識を感じていた。
さらに追い打ちをかけるように民が扇動されていた。
いや、その前からベリーの精神は負荷を受けていた。
108年の眠り。
ベリーが眠りから覚める前に俺は死んでしまうだろう。
俺が死んだらベリーも死ぬ?
分からない。
だが、俺はベリーにまた会いたい。
ベリーは眠ったままの方が幸せかもしれない。
それでも俺はベリーに会いたい。
俺は、ベリーが好きだ。
「ウイン、どうしたのじゃ!?」
「ああ、大丈夫だ」
「大丈夫な顔はしておらぬ」
「ベリーの眠りは108年続く」
「……そうか。すまぬことをしたのう」
「いや、それよりもフェイクニュースだ。俺はこのフェイクニュースのやり方に覚えがある。デイブックのマスコミギルドだ。俺は奴らを許せない」
「うむ、確かにやり方がヤマトの民の常識から外れすぎておる。候補が絞られてきたのう。南東島じゃ。デイブックの優秀な者を囲い込んでおるのは南東島の領主じゃ」
「俺は呪いを全力で解いてみようと思う」
俺の中にある呪いは8割以上浄化した。
もしかすれば呪いを浄化できればベリーが早く目覚めるかもしれない。
「そうじゃの。やれる事はやるのがいいじゃろう。ワシも古文書を調べさせる。それと、望み薄じゃがヨウザンにも連絡して協力を頼むでの」
「頼む」
俺はディアブロ王国へ向かう船に乗らなかった。
その日から俺は全力で呪いの浄化を行った。
毎日瞑想して過ごす。
内にある炎が強くなるのを感じる。
だが、呪いを浄化してもベリーの休眠状態は解除されない。
1つ1ついこう。
出来る事は全部やる。
やってみなければ分からない。
次はベリーのスキルを使う。
使い続ければ目覚めが早くなるかもしれない。
俺はキュウビとオロチの力を使える。
キュウビのスキルを使う。
「きゅう!」
きゅうが現れる。
俺はきゅうを抱きしめ撫で回す。
「少しだけ気持ちが楽になった」
きゅうの能力は【狐火】だ。
岩場に移動し、きゅうに狐火を使ってもらう。
火の玉が現れる。
俺の思ったように動かすことが出来、岩に当たると一気に岩全体が燃えた。
ホーミングファイアか。
次はオロチの力を使う。
「クサナギ!」
オロチの能力はクサナギ。
刀が現れる。
更に炎を吸う事で一定時間切れ味が増す効果もある。
更に吸った炎を斬撃に変えて飛ばすことも出来る。
岩を切ると刃が簡単に岩を斬ることが出来た。
「強い。俺が使っていた武器より強い」
俺はきゅうとクサナギを毎日使い続けた。
スキルを使いこなせるようになるほど俺の両手の甲に紋章が浮かび、紋章が濃くなっていく。
俺は一瞬できゅうとクサナギを出現させられるようになり、スキルを使いこなせるようになったが、ベリーの休眠時間は変わらなかった。
タケルに調べてもらっている古文書もヨウザンの返答も良い結果は返ってこない。
俺は毎日魔物を狩った。
じっとしていると気分が落ち込む。
「ウイン様!城にお戻りください」
ヤマトの兵士が走って来る。
「どうした?」
「南東島と南西島の軍が城に迫っています!」
南東島と南西島は結託していたのか!
同時に城を攻めて一気に落とす気か!
「すぐに戻る!」
城下町にたどり着くと、暗くなっており家が燃えていた。
軍がたどり着いたにしては早すぎる!
俺は慌てふためく城下の町人に話を聞いた。
「何があった!」
「南東島の精鋭部隊だ!奴ら先行して背後から攻めてきたんだ!」
精鋭部隊なら動きが早く奇襲も可能だ。
俺は城に急いだ。
城にたどり着くと、タケルが太刀を両手で持って敵を倒していく。
「無事なようだな」
「ぶじじゃが、策にはまったわ!奴らワザと騒ぎを起こし、陽動を使い注意を引き付けてからこの城に攻め込んできおった!混乱が目的かと思っておったが、今ワシの首を狙っておる」
陽動で兵をおびき出してからタケルの首を精鋭で狙うか。
思い切った事をする。
俺はクサナギときゅうを出す。
俺とタケル、周りの兵で精鋭を倒していく。
南東島の精鋭を倒し終わると拍手が聞こえる。
白いスーツを着た怪しげな男が拍手をしていた。
「君がタケルか?私の名前はヘイトだ。もっとも死にゆく君に言っても意味はないと思うがね」
ヘイトの後ろには100の兵が控え、短剣を持っている。
装備の見た目、動きを見て確信した。
こいつらはデイブックの者だ。
「フェイクニュースを流したのはお前か?」
「私が命令したが今は君と話す気はない。私が欲しいのはタケルの首だけだ」
「舐められたものだのう。簡単にワシの首を取れると思うでないぞ」
「君がほどほどに強い事は分かっている。だが私ほどではない。ふむ、フェアでは無いので言っておこう。私は勇者で、この剣は聖剣エクスカリバーだ。そして私はマスコミギルドを陰で操る権力者でもある」
「権力者であることは関係無かろう。ここは戦場じゃ」
「関係ないと思うかね?」
ヘイトは指をパチンとはじいた。
その瞬間後ろに控えていた100の精鋭がタケルに迫る。
「はははははははは!権力も役に立つと思わないかね?」
タケルは精鋭部隊に囲まれつつあった。
味方の兵も倒されていく。
「ぐう!ちときついのう!」
更にヘイトはゆっくりと剣を抜く。
そして歩きながらタケルに近づいていく。
俺は全力を出さず、ヘイトの近くに迫るがタケルに迫った精鋭の一部が俺の邪魔をする。
俺はヘイトに出来るだけ近づいてから一気に全力で走る。
ヘイトが身構えるが遅い!
「キャンプファイア!」
俺は奥の手を使った。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる