ANGEL -エンジェル-

癒-healing-

final page．初デートなのね？！

「で、勝ったんだ？」




「んー…良くて引き分けかなぁ？」


私ときゅうりはみかんの話に聞き入っていた。


「でも、ミスコンの伴奏してくれたのって…」

「うん。二階堂君だよ。引き受けてくれたんだ」

「ふーん…あのガリ勉がねぇ」


だいぶ変わったように思ってたけど、
まさかみかんを慰めたり、協力したり…


「意外としか言いようがないわ…」


きゅうりも私と同じように
驚いているようだった。


「まさか、かんなを狙ってるわけじゃないわよね？！」

「それはないと思うよ？」






「それは僕も困りますね」






「「真君！！！」」


私達の席に真君がやってきて
私とみかんが名前を叫んだ。

何でここに真君がいるのかと
驚いている私をよそに
みかんは腕時計に目をやって話し出す。


「時間よりずっと早いよ？！」

「すみません、楽しみすぎて早くきちゃいました」

「そ…か///」


どうやら私達の後に
真君とも会う約束をしていたようだ。

付き合いたての2人の初めての休日を
私が誘ってしまったことで
邪魔してしまったかもしれないなぁ…


「ごめんね、私がみかんを誘っちゃ…」





「かんな、デートの約束でもしてたの？」





「デっ…？！///」

「初デートなのね？！」


きゅうりは明らかに
真君がきた途端に様子が変わった。

恐らくは大事な大事なみかんが
取られてしまったことによる嫉妬心だろうが、
ギロッと音が聞こえそうな勢いで真君を睨みつける。

「あの、九いちじく先輩？！」




「私も行く！！！」




「「「   えええ？？！！   」」」


身を乗り出して、息巻いているきゅうりを
私が必死で止めたのは言うまでもない。











癒    -完-