小さな狼

KS

文字の大きさ
40 / 50
帰省

5

しおりを挟む
レイラちゃんの後ろをついて行くと、真っ白なスーツに着替えたヒロ君が待ってくれていた
何着ても似合うな
この子は

ヒ『龍美さん、この部屋でドレスに着替えてください。父親に…会ってもらいます』

龍『うん…わかった』

レ『私が選ぶね!早くはやくっ!?』

ヒロ君に首根っこを掴まれ連行されるレイラちゃん
…意外とSなんだ、ヒロ君
私と居る時はMっぽいのにな~

ドアを開けて部屋に入ると驚愕
この家に来てから驚いてしかいない気がする
ラックにかけられた色とりどりのドレス
どれがいいか目移りしてしまいそうになる

龍『お~…』

とりあえず適当に手に取り姿見を見ながら合わせてみる
なかなか…派手かな…
色々合わせてみるけど…

龍『どれが…』

『これなんかどぉ~?』

龍『あ~なかなか…これにします♪』

渡されたドレスに着替えようとした時、ふと気づいた

龍『ど、どちら様?』

和装の女の人、だけど見た目とは裏腹に間延びした喋り方
思わず見とれてしまうぐらいの肌の白さ
羨ましい…

『あぁ~私秀狼の母です~♪よろしくお願いします~♪』

龍『はぁ……ってお母さん…?』

『母です?』

慌てて膝をついて頭をさげる私
全然見えないよ!?
私の方が老けて見える…
涙出てきた…

『辞めてよ龍美ちゃ~ん、顔をあげて~』

焦って居るとは思うのだけどそお思わせないお母様
あたふたしている様子が可愛い…
ヒロ君はお母さんに何だな
よくわかった一瞬だった

私はお母様に手伝ってもらいながらドレスに着替え、さらに髪型までセットしてもらった
パッと見…
こんな夜の人いますよね?って感じになっている

『さぁ~行きましょ~♪パパが待ってるわ~♪』

龍『はっ、はい!』

なんかスゴイ緊張してきた…
怖い人だったらどうしよ…
万が一ヒロ君と付き合ってるのがダメって言われたら…
どうしよ…
あぁ…頭がパンクしそう…

『はい、龍美ちゃん♪落ち着いてね?深呼吸~♪』

龍『ははははい…』

ドアが開けられた先にあったのは長い長~いテーブル
その先の方でヒロ君とレイラちゃんが座っている
だけどお父様らしき人はいない
私はヒロ君の隣に座らせてもらった

ヒ『龍美さん…き、綺麗…ですよ…』

『あらあら♪』

恥ずかしそうに顔を赤らめながら言う姿を見て萌え死にしそうになる私
自重しろ私…
でもなんだか落ち着いてきた
もぉ良い!なるようになれ!
沈黙が続く部屋の中
突然肩を叩かれる
ビックリして振り返ると

あぁ……
何でこんな人がこの屋敷に…

淡いグレーのサングラス
その奥に光る切れ長の目
この場では似つかわしくない半袖から伸びる腕にはタトゥーが彫られ
首から下げられるネックレスなのかわからない鎖
一番特徴的なのは一本に束ねられたポニーテール

龍『………』

言葉を失う私
あっ、ダメだこの人
関わっちゃダメな人だ…

龍『あっ…あぁ……』

『お姉さん、誰?』

龍『へ…あっ…私……その…』

『あらあら♪久々に部屋を出てきたのね♪』

龍『へっ!?』

『紹介するわ♪長女の夏凜です♪』

夏『夏凜です…よろしく……』

龍『ちょ…長女……さん…?』

黙って頷く夏凜さん

夏『ひろ………久しぶり…』

ヒ『久しぶり、相変わらず引きこもりなの?』

首を振る夏凜さん
ポケットからあるものを差し出す

夏『ひろが……帰ってくるって聞いたから…これ………』

可愛い袋に包まれたクッキー

夏『みんなのぶん…ある…』

ヒ『ありがと、姉さん♪』

ありがとうと言われた夏凜さんの顔が赤くなっていた
たぶん…お姉さんは私と同じ人種だ
夏凜さんはレイラちゃんの方に座った

『お~みんな揃ってるね~』

声がした方を見てみる

龍『………』

あぁ…ヒロ君がお母様似で良かったと思った…

金髪サングラスに金のネックレス
ダボダボの作業服のズボンを履いて上はタンクトップ
細身ながらもたくましい腕
いかにもガテン系ですとゆう容姿

『お~ヒロ~!久々じゃねぇかぁ!元気しとったけぇ!?』

『はたまた紹介するわ♪長男です♪』

『長男の月星(ルイ)で~す♪よろしく~♪お姉ちゃんは?』

龍『ちょ、長男!?』

あぁ…だんだん処理しきれなくなってきた…

『後で紹介するからシャワー浴びてきなさ~い?』

ル『ほ~い』

部屋を出ていくお兄さん…
今日はホントに驚いてばっかりだ…

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。

甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。 平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは── 学園一の美少女・黒瀬葵。 なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。 冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。 最初はただの勘違いだったはずの関係。 けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。 ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、 焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

『出来損ない』と言われた私は姉や両親から見下されますが、あやかしに求婚されました

宵原リク
恋愛
カクヨムでも読めます。 完結まで毎日投稿します!20時50分更新 ーーーーーー 椿は、八代家で生まれた。八代家は、代々あやかしを従えるで有名な一族だった。 その一族の次女として生まれた椿は、あやかしをうまく従えることができなかった。 私の才能の無さに、両親や家族からは『出来損ない』と言われてしまう始末。 ある日、八代家は有名な家柄が招待されている舞踏会に誘われた。 それに椿も同行したが、両親からきつく「目立つな」と言いつけられた。 椿は目立たないように、会場の端の椅子にポツリと座り込んでいると辺りが騒然としていた。 そこには、あやかしがいた。しかも、かなり強力なあやかしが。 それを見て、みんな動きが止まっていた。そのあやかしは、あたりをキョロキョロと見ながら私の方に近づいてきて…… 「私、政宗と申します」と私の前で一礼をしながら名を名乗ったのだった。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...