異世界でショッピングモールを経営しよう

Nowel

文字の大きさ
6 / 54

第6話

しおりを挟む
まずは朝の市場はどうなっているのか見に行った。

まだまだまばらだが人はいた。

みんな店の準備をしているようだ。

お、あれは。

「おはようございます」

「ん?おぉ、昨日の兄ちゃんじゃねぇか」

昨日の串焼き屋の男の人がいたので声をかけた。

「そうです、よく覚えてますね」

「あたりめぇよ、商売やってんだ、人の顔くらいはちゃんと覚えなきゃ、どこに商機が転がってるか分からないしな」

「そうですね、昨日言ってた宿行ってきました、とてもいいところでした」

「ベルナんところだろ?あそこはいいぞ、嫁さんは美人だし飯は美味いし、飯目当てで俺もよく行くんだ」

「そうなんですね」

言えない、素泊まりにしましたなんて。

「あそこの嬢ちゃん達も可愛いもんだろ」

「えぇ、とっても可愛かったです」

「あれは見てるだけで癒される」

「分かります…」

「はっはっは!どうやら虜になっちまったようだな」

「えぇそうみたいです、お店はまだ開かないですか?」

「あぁ、今は店の準備してるだけで、始めるのは昼頃だからな、また来てくれよ」

「はい、じゃあまた来ますね」

「おう!」

そうして串焼き屋を離れた。

どこもまだ準備だけのようだな。

市場を一通り見て回り次はどこに行こうか迷う。

「アリス、今何時だ?」

《今は朝の7時16分です》

「普通の店って大体何時くらいに開くもんなんだ?」

《大体8時か9時頃には開くかと思います》

じゃあまだしばらくはぶらぶらとしてるかな。



30分ほど歩いていると街の中に門を見かけた。

気になって近付くとそばにいる門兵に止められた。

「ここから先は貴族街である、何か用事か?」

「あ、いえ、この先はどうなってるんだろうと気になっただけで、入れないなら戻ります」

この世界には貴族の制度があるのか。

ショッピングモールを公にしたときに貴族が面倒なことをしなければいいけど…。

まぁそのときはそのときだ。

市場の方へと戻っていく帰り道、気になった店が数件あったので寄っていく。

まずは服屋。

扉を開け中に入る。

「やってますか」

「今開けたから大丈夫よ」

60歳くらいのおば…お姉さんが店主のようだ。

服を見て回る。やはりデザイン性がないな、赤い服なら赤1色、青の服なら青1色といった感じだ。それにこれは…。

「これって中古の服ですよね?」

「そうさね、うちにあるのはほとんどが中古だよ、新品の服はあるけど値段はそこそこするよ?」

見せてもらうと確かに、他の服は1000ベルから3000ベルくらいだが、新品の服は1万ベルくらいする。

同じ1万ベルでもデザイン性の有無でうちの服を買う人が増えそうだ。

そうなるとこの店が立ち行かなくなってしまう。

それはこちらの望むところでは無い。

しかし、集客は必要であって…でも貴族向けにするのはショッピングモールの利便性に合わないしなぁ。

値段を2倍か3倍にしたら平民の人たちもちょっと贅沢をする程度に済むかな?

ここら辺は商人ギルドに相談してみよう。

中古の服を3着ほど買い、タブレットの収納機能にしまった。

次に魔道具店、中に入ると薄暗かった。

これやってるのか?

店主も出てこないようなので勝手に見て回る。

明かりを付ける魔道具、火をつける魔道具、お、これか時間が分かる魔道具っていうのは。

元の世界の時計と同じような感じだな。

ただひとつ違うのは結構でかい。

壁掛け時計を置時計にしましたってくらいでかい。

他にもパンを焼く魔道具、濁った水を浄化する魔道具など色々あった。

どれも3万から5万ベルくらいする。

魔道具っていうのは高いものなんだな。

そういやうちも家電店が追加できるけど、この世界に電気はあるのか?

「なぁアリス、この世界って電気ってあるのか?」

《いえ、ありません》

「なら家電店って何を売るんだ?電気が無きゃ動かないじゃないか」

《電気を魔道に変えます。家電店ではなく魔道具店になりますね》

おぉ、つまりあの便利な家電が全て魔道具に変わるということか。

見た感じまだ冷蔵庫とか掃除機とか無さそうだしこれは追加したら売れそうだな。

魔道具店を後にし、次は本屋。

「…いらっしゃい」

寡黙そうなおじいさんがやっているようだ。

「すみません、魔法の基礎について知りたいんですけど」

「…あそこ」

「ありがとうございます」

指さされた方に行くと「魔法基礎」「ゴブリンでも分かる魔法」「魔法について」など魔法の本がたくさんあった。

「ゴブリンでも分かる魔法」っての買ってみるか。

おじいさんのところへ持っていく。

「…1万ベル」

うわ、意外と高い、だが魔法が使えるのならやむなし。

金貨1枚を出し本屋を後に。

猫の住処に戻り早速「ゴブリンでも分かる魔法」を読む。

これで魔法が使える様になったらいいなぁ。



結果として魔法は使えませんでした。

なんか魔力を感じろみたいなことが最初に書いてあったけど、なんにも感じ取れませんでした。

おっかしいなぁ、MPはたくさんあるのに。

「ねぇアリス、俺って魔法の適正無いのかな?」

《魔法は練習すれば扱えると聞きます》

「そうなのか、もうちょっと頑張ってみようかな」

《しかし、魔法はMPを使います》

「どのくらい使うもんなんだ?」

《初級魔法のボール系魔法でMP20を消費します》

「お?ってことは俺結構MP多い方?」

《オーナーのMPは店舗追加に使われる前提の量ですから、相当多いです、ただ、店舗追加前提のMPですので魔法の適正まで与えられているとは考えにくいです》

「マジかぁ、まぁこのショッピングモールさえあれば魔法なんていらないか」

金貨1枚も出したが、勉強代と思えばいいか。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

異世界に行った、そのあとで。

神宮寺あおい@1/23先視の王女の謀発売
恋愛
新海なつめ三十五歳。 ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。 当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。 おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。 いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。 『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』 そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。 そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!

聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。 そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来? エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...