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#1 マリエットホテル2504号室にて
1-1 マリエットホテル2504号室にて
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天井まで届く窓の外には、雅やかな日本庭園の奥にビル群の夜景が広がる。
クラシカルなシャンデリアの下で、ジャズピアノの旋律に乗せて、貪欲な会話がしめやかに繰り広げられる。
「おい、椎の森工業団地の入札の件はどうなった?」
「マレーシアの工場ならどうだ?樹脂の原価がもっと安いぞ」
「ドバイのファンドでおすすめはないか?」
高科直矢は長身を窓辺に凭れさせ、三杯目のワインを呷っていた。ラムステーキの臭みを誤魔化す陳腐なエグ味が、男の興を削ぐ。四つ星ホテルとはいえ、シェフの腕が落ちたのは落胆ものだった。
イベント会社から招待を受け、顔を繋ぐために出席した異業種交流パーティー。
実際には、ローンチ前の案件を嗅ぎ回る投資家とスポンサーが集められた、よくある夜だった。
当たり障りのない世間話にさりげなく提案を組み込ませ、名刺交換をそつなく終える。所詮、こういった会の9割の名刺はゴミ箱行きだ。好感触の相手でも、過度な期待はできない。酔いが覚めて休日を挟めば、大抵忘れられるものだ。
それでもさりげなく印象を残して、相手の特徴や会話の内容、さらには立ち聞きした噂話まで一人残らず控えておく。社内最年少でトップの役職まで上り詰めた努力を今夜も惜しまなかった。だが、スーツで溢れかえる光景もそろそろ見飽きた頃だった。
主催側の厚意で用意されたデラックスツインには、仕事道具も一式置いてある。海外のクライアントからのメールに返信したら、体の良いターゲットを最上階のラウンジバーに呼びつけるだけ。プロの女達に食指が動くことはなく、高飛車な美人を口説き落とすスリルがたまらない。学歴、社名、役職、居住エリア。切り札をちらつかせれば、大抵の女は媚びを売ってプライドを満たしてくれるのだ。
直矢はスマホを取り出し、ズラリと長い連絡先一覧をスクロールした。先週の合コンで知り合った大手企業の秘書に指先が止まる。金曜の夜10時近く。今から連絡しておけば、渋滞しても程好い時間だと狡猾な計算を忘れない。
<この前は楽しかったよ。今夜は何してる?>
余計な絵文字は使わず、簡潔かつスマートに。文面に満足したのも束の間、送信エラーのメッセージが表示されてしまう。人口密度に比例して、電波が不安定だ。直矢は内心舌打ちをして、会場を一旦出ようと動いた。
「失礼……すみません」
赤ら顔の人波の合間を縫って、会釈をしながらエントランスへと向かう。その時、カーペットに落ちかかった前方の人影がぐらついた。
「――わあっ!?」
ほんの一瞬の出来事だった。
左から突如現れたスタッフが持っていたトレイが傾き、グラスが大きく揺れたのだ。
それも一脚ではない。甲高い音を立てて倒れた縁から、波打ったシャンパンが勢いよく跳ね上がる。泡立つアルコールが、無残にもイタリアンジャケットの上に飛び散った。
「あ……!もっ……申し訳ありません、お客様……!」
茫然とした直矢を我に返らせたのは、シャツまで浸食した不快な冷たさ。
目の前では、青ざめたウェイターが何度も何度も頭を下げている。まるで、壊れた機械仕掛けの人形のように。
「……ダルいな」
誰にも聞こえない程の小声で、直矢はボソッと悪態を吐いた。
カーペットのおかげで割れる事態は免れたが、スーツから滴り落ちた水滴と足元に転がったグラスから溢れたものとで、直矢が粗相をしたような構図になっている。周囲は哀れみの視線を一瞬向けるが、すぐに関心を失って各々の会話へ戻った。
そこへ、責任者と思しきタキシードの中年男が慌てて飛んできた。ポマードで固めた頭をほぼ直角に下げ、片手で失態を犯した張本人を低頭させる。
「大変失礼いたしました、お客様!クリーニング代はこちら側で弁償させていただきますので!」
「結構ですよ。部屋に戻ろうとしていたところだったので」
直矢はごく落ち着いた口調で、白い歯を見せて微笑む。
『部屋』というキーワードを聞いて、今度は責任者の額にうっすらと汗が滲んだ。
「そっ、それは尚更申し訳無いことをいたしました!
VIPのお客様に不快な思いをさせてしまうとは……!部屋番号をお知らせいただければ、後ほどお召し物を引き取りに伺いますので……」
責任者の顔面蒼白はスタッフにも飛び火して、色白の肌はますます血色を失っている。
特別待遇が日常の男にとっては、居心地の良ささえ覚えてきた。
「ああ、本当に気にしないでください。赤と違って、水で濡らせばすぐに落ちますよ」
「いっ、いえ!そういうわけには……!」
去り際に狼狽する二人を一瞥して、直矢は颯爽とした足取りでホールを後にした。
視界の隅に『研修中』のネームプレートが閃く。それが、最後の最後に直矢の神経を苛立たせた。
バイトの研修生という免罪符もまた、完璧主義の男が忌み嫌うものの一つだったからだ。レジ捌きの遅さ、メニューの聞き間違い、カトラリーの付け忘れ。
新人と言えど、店や会社の印象を左右する一人。プロ集団の自覚がまるでなってないと、覇気のない勤務態度に遭遇するたびに内心苦虫を嚙み潰していた。
(こっちは命削って働いてるんだっての。気楽でいいよな)
誰よりも早く出社して、夜遅くまで分単位のスケジュールをこなし、業務の合間に接待に回る。寝る間も惜しんで資料の準備や勉強に明け暮れた。早朝に海外のクライアントからの電話で飛び起きることもしばしば。ここ数カ月はプロジェクトが落ち着くまで、完全な休日は数えるほどだ。
エレベーターゾーンに辿り着くと、直矢はエグゼクティブフロア専用のボタンを押す。疲労の溜まった眉間を揉み、まもなく到着したエレベーターに足を踏み入れた。目的の階を押したとき、ポケットに入れていたスマホが振動する。
〈虎ノ門で飲んでますよ!直矢さんは?〉
いつの間にか送れていたメッセージへの返信が今届いたらしい。だが、もう遅い。
いかにも無能な学生バイトのせいで、気に入っていた勝負スーツが台無しになったのだ。部屋で飲み直さなければ、やってられない。直矢は神経質な手付きで『閉』ボタンを押した。突如、慌ただしい靴音が響いた。
「まっ……待ってください!」
クラシカルなシャンデリアの下で、ジャズピアノの旋律に乗せて、貪欲な会話がしめやかに繰り広げられる。
「おい、椎の森工業団地の入札の件はどうなった?」
「マレーシアの工場ならどうだ?樹脂の原価がもっと安いぞ」
「ドバイのファンドでおすすめはないか?」
高科直矢は長身を窓辺に凭れさせ、三杯目のワインを呷っていた。ラムステーキの臭みを誤魔化す陳腐なエグ味が、男の興を削ぐ。四つ星ホテルとはいえ、シェフの腕が落ちたのは落胆ものだった。
イベント会社から招待を受け、顔を繋ぐために出席した異業種交流パーティー。
実際には、ローンチ前の案件を嗅ぎ回る投資家とスポンサーが集められた、よくある夜だった。
当たり障りのない世間話にさりげなく提案を組み込ませ、名刺交換をそつなく終える。所詮、こういった会の9割の名刺はゴミ箱行きだ。好感触の相手でも、過度な期待はできない。酔いが覚めて休日を挟めば、大抵忘れられるものだ。
それでもさりげなく印象を残して、相手の特徴や会話の内容、さらには立ち聞きした噂話まで一人残らず控えておく。社内最年少でトップの役職まで上り詰めた努力を今夜も惜しまなかった。だが、スーツで溢れかえる光景もそろそろ見飽きた頃だった。
主催側の厚意で用意されたデラックスツインには、仕事道具も一式置いてある。海外のクライアントからのメールに返信したら、体の良いターゲットを最上階のラウンジバーに呼びつけるだけ。プロの女達に食指が動くことはなく、高飛車な美人を口説き落とすスリルがたまらない。学歴、社名、役職、居住エリア。切り札をちらつかせれば、大抵の女は媚びを売ってプライドを満たしてくれるのだ。
直矢はスマホを取り出し、ズラリと長い連絡先一覧をスクロールした。先週の合コンで知り合った大手企業の秘書に指先が止まる。金曜の夜10時近く。今から連絡しておけば、渋滞しても程好い時間だと狡猾な計算を忘れない。
<この前は楽しかったよ。今夜は何してる?>
余計な絵文字は使わず、簡潔かつスマートに。文面に満足したのも束の間、送信エラーのメッセージが表示されてしまう。人口密度に比例して、電波が不安定だ。直矢は内心舌打ちをして、会場を一旦出ようと動いた。
「失礼……すみません」
赤ら顔の人波の合間を縫って、会釈をしながらエントランスへと向かう。その時、カーペットに落ちかかった前方の人影がぐらついた。
「――わあっ!?」
ほんの一瞬の出来事だった。
左から突如現れたスタッフが持っていたトレイが傾き、グラスが大きく揺れたのだ。
それも一脚ではない。甲高い音を立てて倒れた縁から、波打ったシャンパンが勢いよく跳ね上がる。泡立つアルコールが、無残にもイタリアンジャケットの上に飛び散った。
「あ……!もっ……申し訳ありません、お客様……!」
茫然とした直矢を我に返らせたのは、シャツまで浸食した不快な冷たさ。
目の前では、青ざめたウェイターが何度も何度も頭を下げている。まるで、壊れた機械仕掛けの人形のように。
「……ダルいな」
誰にも聞こえない程の小声で、直矢はボソッと悪態を吐いた。
カーペットのおかげで割れる事態は免れたが、スーツから滴り落ちた水滴と足元に転がったグラスから溢れたものとで、直矢が粗相をしたような構図になっている。周囲は哀れみの視線を一瞬向けるが、すぐに関心を失って各々の会話へ戻った。
そこへ、責任者と思しきタキシードの中年男が慌てて飛んできた。ポマードで固めた頭をほぼ直角に下げ、片手で失態を犯した張本人を低頭させる。
「大変失礼いたしました、お客様!クリーニング代はこちら側で弁償させていただきますので!」
「結構ですよ。部屋に戻ろうとしていたところだったので」
直矢はごく落ち着いた口調で、白い歯を見せて微笑む。
『部屋』というキーワードを聞いて、今度は責任者の額にうっすらと汗が滲んだ。
「そっ、それは尚更申し訳無いことをいたしました!
VIPのお客様に不快な思いをさせてしまうとは……!部屋番号をお知らせいただければ、後ほどお召し物を引き取りに伺いますので……」
責任者の顔面蒼白はスタッフにも飛び火して、色白の肌はますます血色を失っている。
特別待遇が日常の男にとっては、居心地の良ささえ覚えてきた。
「ああ、本当に気にしないでください。赤と違って、水で濡らせばすぐに落ちますよ」
「いっ、いえ!そういうわけには……!」
去り際に狼狽する二人を一瞥して、直矢は颯爽とした足取りでホールを後にした。
視界の隅に『研修中』のネームプレートが閃く。それが、最後の最後に直矢の神経を苛立たせた。
バイトの研修生という免罪符もまた、完璧主義の男が忌み嫌うものの一つだったからだ。レジ捌きの遅さ、メニューの聞き間違い、カトラリーの付け忘れ。
新人と言えど、店や会社の印象を左右する一人。プロ集団の自覚がまるでなってないと、覇気のない勤務態度に遭遇するたびに内心苦虫を嚙み潰していた。
(こっちは命削って働いてるんだっての。気楽でいいよな)
誰よりも早く出社して、夜遅くまで分単位のスケジュールをこなし、業務の合間に接待に回る。寝る間も惜しんで資料の準備や勉強に明け暮れた。早朝に海外のクライアントからの電話で飛び起きることもしばしば。ここ数カ月はプロジェクトが落ち着くまで、完全な休日は数えるほどだ。
エレベーターゾーンに辿り着くと、直矢はエグゼクティブフロア専用のボタンを押す。疲労の溜まった眉間を揉み、まもなく到着したエレベーターに足を踏み入れた。目的の階を押したとき、ポケットに入れていたスマホが振動する。
〈虎ノ門で飲んでますよ!直矢さんは?〉
いつの間にか送れていたメッセージへの返信が今届いたらしい。だが、もう遅い。
いかにも無能な学生バイトのせいで、気に入っていた勝負スーツが台無しになったのだ。部屋で飲み直さなければ、やってられない。直矢は神経質な手付きで『閉』ボタンを押した。突如、慌ただしい靴音が響いた。
「まっ……待ってください!」
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