この生徒≪ビッチ≫に脅迫されています

汰宰優

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1章 「生徒と教師は肉体関係を持っちゃ駄目なんですか!?」

プロローグ「文化祭ってどうしてこんなに人が多いんだろうな」

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 去年の秋のことだ。
 俺、唐島拓兎からしまたくとが教師を務める城之内学院じょうのうちがくいん学園祭。通称青眼祭せいがんさい当日。

 徹夜で生徒達の手伝いをしていた俺は心身共に疲れ果て、もちろん青眼祭せいがんさいを素直に楽しめるわけもなく、普段とは全く別世界の学校内をゾンビの様に徘徊中だった。

 どこのクラスもお祭り騒ぎ。
 薬の匂いが染み付いた、どっかの翼を授けるエナジードリンクの影響か、狂戦士バーサーカーにも似た気迫で各々クラスの出し物を行っている。

 きっと、昨夜のうちに若気の至りを体験したカップル生徒だっていることだろう。
 あぁ、妬ましい。

 俺はこういうお祭り騒ぎな学校行事が一番嫌いだ。
 騒がしいし、生徒達もいつも以上に教師に馴れ馴れしく接してくる。
 もちろん、それが悪いことだとは言わんさ。こいつらにとっちゃ一生に一度の高校生活なんだもんな。
 俺にだってそういう時期がなかったわけじゃない。

 ただ、俺ら教師とこいつら生徒達が住む世界は別物だって話だ。
 こいつらにとっての3年間はかけがえのないものなのかもしれないが、俺達教師にとっての3年間は実はそうでもない。

 ここにいる大半数がやがて卒業し、俺達の生徒じゃなくなったら、それはもう俺ら教師にとってはどうでもいいことになっちまうんだ。
 熱血教師なんて、今更流行らないし、俺ら教師が付いていなくたって、こいつらは案外なんでもやれる凄い奴らなんだよ。

 それに俺、この学校じゃ空気扱いだしな。

 そんな自分で自分を空気と呼んでしまう可哀想な俺に声を掛ける女生徒が約1名。
 俺の背後から肘を押し当て現れた。

「モブ島じゃん。いねーと思ったらこんなとこうろついてんの?」
「いってぇな! なにすんだてめぇ!」
「きもっ。なに怒鳴ってんの?」

 このクソガキ。初対面の教師に向かってなんという横暴な態度。
 あ、いや……初対面じゃないか……?

「えっと……お前は、確か……」
「このやりとり何回目だよ、モブ島。あたしはアンタのクラスの飯島夏樹《いいじまなつき》だっての!」
「あー……思い出した。あれか、カリスマ軍のリーダーか……」

 いわゆるクラスの中心人物。
 オタクや陰キャ、非リア充を寄せ付けない強者のオーラを放ちながら教室全てを陣取る厄介な集団。
 俺も昔はすっげぇ苦手な連中だったよ。

「はぁ、モブ島さー。そろそろ自分の受け持つ生徒の名前くらい覚えたら? アンタそれでも教師なわけ?」
「いやいや、お前らだって俺の名前覚えねーじゃんかよ……。教師に変なあだ名をつけるんじゃないよ、まったく」

 なんなんだよ、モブ島って。

「別にいいっしょ。それでアンタの名前が変わるわけじゃないんだから」
「まったく良くないし、もはや唐島からしまって名前で呼んでくれる人ほとんどいないからな?」

 それってもう、名前変わっちゃってるようなものじゃないか。
 お前ら高校生って、人名をそんな簡単に変えちゃうような強い権力でも持ってるの?

「いちいちうっさいなぁ……。あたし、他にも回りたいところたくさんあるからもう行くよ」
「あーあー、とっとと行きやがれ」

 しっしと手を払いながら、俺は再び歩き出し、彼女もまたどこかへと去っていく。

 結局なんの用だったんだろうか。
 たまたま目に入ったから声を掛けたとかだったら好感持てるけど、きっと違うんだろうなぁ。

 俺に付けられたモブ島っていうニックネーム。
 当然のことながら俺は全く気にいっていない。
 校内では空気のような存在で、主人公にはなり得ない消極的な思考と、生徒に対する雑な扱いから俺を中傷するように、どこかの誰かが名付けたあだ名だ。

 別にそう呼ばれることに対して嫌悪感は感じないけど、一人くらい俺を唐島先生って呼んでくれる生徒がいてくれてもいいのにな。
 まあ、こんなあだ名がついたのも俺の性格とルックスのせいなんだろうが……。

 地味顔の三白眼さんぱくがんでスーツに緑のパーカーを羽織ったクソださファッション。
 眼鏡を掛けてなきゃマジで犯罪者のようなつらで言動もどこか胡散臭い。
 生徒なんてじゃがいもくらいにしか見えてないんだろうっていう偏見もあちこちで広がり、今じゃ完全に学校内で孤立。

 って、自分で言っておいてアレだけど、もうモブじゃないよな。
 キャラ盛り過ぎ森杉君だよな。

 しかし、高校生が噂好きってのはわかるけど、あまりにも俺に対するキャラ付けがひどすぎる気がする。

 地味顔で、三白眼さんぱくがん。ファッションセンスが壊滅的だってのは認めるよ。
 でも、眼鏡外して犯罪者面をお披露目したことは一度もないし、言動が胡散臭いって言われる程校内で誰かと会話する機会もないっての。
 あ、でも生徒の顔が皆じゃがいもに見えるっていうくだりは否定しない。
 実際、生徒の顔と名前を覚えられない時点で同じようなものだからな。

 脳内で必死に自虐ネタを披露しながら校内を回ること30分。
 結局面白そうなものも、一人になれそうな場所も見つけられなかった俺は2-3の教室へと舞い戻る。

「あー……帰りてーな」

 女装メイド喫茶なる異界の地へと変貌した我が教室を前にぽつりと零れた本音。
 そんな俺の言葉に目をやる生徒は一人もおらず、俺はトボトボと湿気漂う足取りでバックヤードを歩いていく。

 ただでさえ狭い教室内をおぞましい格好でせわしなく走り回る男子生徒とすれ違うたびに残念な気持ちを抱いてしまう。
 何が悲しくて男子生徒のメイド姿なんて見なきゃいけないんだろうか。

 疲労と睡魔によってすっかり落胆しきった俺の体は安眠を求め教員用の机へと向かって徘徊。
 そして俺の体は重力魔法にもかけられてるのかってくらい誠実に地球の重力に従って回転椅子へと崩れ落ち、倦怠感に犯されながら顔面は机へと沈み込んでいく。

 あー……もうこのまま寝よう。
 徹夜明けの体にはしんどすぎる激務だ。
 ここにいればサボってるなんて思わないし、寝てても誰も俺のことなんて気にしない──

「モブ島、なにサボってんの?」
「……いや、サボってないよ。ちょっと考え事してただけだよ」

 頭上から聞こえた女子生徒の声に俺は即座に顔を上げ、にっこりと微笑む。
 そんな俺の天使のような笑顔をゴキブリでも見るかのような酷い表情で見下ろしていたのは先程俺に声を掛けてきた女子生徒。
 確か、名前は飯島夏樹いいじまなつきだったか……。

「気持ち悪い顔見せてんじゃないよ。校長に言いつけるぞ」
「き、気持ち悪いとか言うなよ……」

 この歳になるとな、ちょっとした悪口や暴言でも傷付きやすくなってくるんだぞ……。

「ほら、涎拭きなよ。こんなとこで寝てると皆に迷惑かかるでしょ」

 呆れた表情で俺の顔を見つめつつ、ハンカチを差し出す飯島。
 実は俺のことが好きなんじゃないかって思わせるような言動に思わず胸がキュンとしてしまいそうだ(棒)
 しかし、それを受け取って素直に涎を拭くなんてことはできないため、

「サンキューな。でも、お前の気持ちだけで十分だ」

 と、ちょっとキザな台詞を返し、パーカーの袖で口元を強引に拭き上げた。

 どうよ、この紳士的な対応。
 生徒のハンカチを汚さないようにと気を使った教師の鏡的な行動。
 我ながら、凄いハンサムだと思うんだけど。

「なんで、ドン引きしてるの……?」
「いや、素直に気持ち悪いなって……」
「また気持ち悪いって言いやがったな、お前!? ほんと、俺もう教師止めるぞ!?」
めたきゃめなよ。誰もめないから」

 なんて無慈悲なやろうだ。
 これでも俺、結構まともに教師やってきたと思うんだけどなぁ。

「それよりさー、暇なら体育館でも行ってくれば?」
「体育館……? なんで?」
「今体育館で1年生の出し物やってるみたいだよ。確か不思議の国のアリスって演劇。主役の子がめちゃくちゃ演技うまいって先輩達話してたし、私も後で行ってみよーかなって思って」
「なるほど。で、俺と一緒に行きたいとかそういう感じ?」
「はぁ?」

 うっわ、こっわ。
 ドン引きとか通り越してもう殺意の波動が込められた強烈な視線を浴びせられたんだが……。
 さっきの優しい行動はなんだったの?

「ま、まあ……気が向いたら行ってみるわ」



 もう既に劇は始まっていた。
 体育館も前の席はほとんど人で埋め尽くされていて、とてもじゃないが前へ進む気にはなれなかった。

 この劇で主演を演じている1年生が少し気になったから来たものの、こっからじゃ遠くて良く見えんな。
 てか、丁度俺の前に立ってる男子生徒の身長が高すぎて舞台のほとんどが隠れちゃってるんだが。

 もう少し、右へ避けてもらえないだろうか……?

 そんな俺のテレパシーが目の前の生徒に伝わればこの世にスマートフォンなんていう電子機器は存在していないだろう。

 結局俺は人が少ない場所を求め、人の群れの中を彷徨い、体育館の端へと辿り着く。
 ここなら多少遠いけど、まだ舞台の上がはっきり見えるな。

 俺が視線を向ける壇上ではすでに劇も終盤に入っており、主演であろうとへんてこな帽子を被った男子生徒が物悲し気なBGMと共に語り合っていた。

『さあ、アリス。楽しい楽しい御茶会ももうすぐ終わりだ』

『このワンダーランドに辿り着いてしまった以上、君はもう元の世界に帰ることはできない』

『そんな不安そうな顔はしなくていい。ここは楽しいものしかない。紅茶もあるし、アップルパイにチーズケーキ、アイスクリームのるおっきな木だってあるんだ』

 へんてこな帽子をかぶった男子生徒の明らかに台詞じみた棒読みの演技。
 表情もぎこちなく、一つ一つの仕草も硬く、完全に緊張してしまっているのが伺える。
 素人目に見てもとてもうまい演技とは言えない。
 まさに高校の文化祭といった感じだ。

 しかし、彼女アリスは違った──

『そんなの要らないわ。アップルパイもチーズケーキもアイスクリームの生る木だって、私には珍しくないもの!』

 真っ白なドレスを翻し、きぬの様につやめく白銀の長髪をなびかせながら、壇上の上で彼女アリスは表情を輝かせていた。

 なるほど。
 さっき、飯島が言っていた1年とは彼女のことか。
 確かに周りの生徒とはまるで違う。

 役を演じる。というよりは役そのものになり切っている。
 演技のことは俺にはよくわからないが、彼女は今確かにワンダーランドに迷い込んだ不思議の国のアリスだった。

 そんなアリスの視線は人と人の合間を縫い、群がる観客の中に紛れる俺の視線と重なり合い、煌びやかな光彩を放つ。
 一瞬だったが、俺に何かを伝えるかのように、口が動いた気がする。

 まあ、ただの勘違いだよな……?

 俺の頭に疑問を抱かせたアリスの視線は俺から離れ、体育館を埋め尽くす観客たちへと向けられる。
 そして、これから自分を待ち受ける出来事に期待を馳せるかのように、アリスは口を大きく開いて言い放つ。 

『私にはもっと欲しいものがあるわ。それは──』
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