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リィナとエリナ
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「なんて格好してるんですの、恥を知りなさい!」
そう言ってリィナを見下ろしているのは、エリナという少女だった。
年齢はリィナとほぼ同じくらい。
エリナもリィナと同じような境遇で、身寄りがないところをカイウスによって拾われた。
二人ともほぼ同時期にカイウスに拾われたのだが、性格は違っていた。
リィナは肉体派でエリナはどちらかというと知性派、リィナは明るく快活でエリナはややおしとやか(そう振る舞うようにしている)。
そして、二人ともカイウスのことを尊敬していた。
リィナもエリナも、カイウスの役に立ちたくて仕方がないのだ。
そういう意味では、ライバルのような存在でもある。
そんな二人が「カイウス様に害をなす存在が現れる」という占いを聞いてじっとしていられるはずがない。
そこでリィナとエリナが領内を駆けずり回って探していると、身元のしれない者が二人見つかった。
一人は雄二で、もう一人も騎士の格好をした屈強な男だった。
リィナもエリナも屈強な男の方が「害をなす存在」だと思ったが、エリナの方がリィナよりも先んじてその男に接触した。
リィナはここでも男たちに襲われる演技をしようとしたのだが、そのためにストレートに行動したエリナに出遅れたのだ。
そこで、リィナは仕方なく雄二の方を調査することになった。
それなのに、雄二の方が「異世界からの来訪者」という怪しい存在だったのだ。
ちなみにエリナが接触した男の方は、ただの酔っ払って隊からはぐれた騎士だった。
だからエリナは悔しく思いながら日々を過ごしていたのだが、突然リィナがあられもない姿で部屋の前に現れたのだ。
なお、リィナとエリナの部屋は隣同士である。
「ははーん、部屋の鍵がなくて入れないのね。おっちょこちょいな子だこと」
同時期に拾われてきたリィナとエリナは姉妹のようなものだが、どちらも自分が姉だと思っている。
「うるさい!カイウス様に害をなす者だけあってやり口が卑怯なのよ!それより私が調査した男、異世界から来たらしいのよ……」
「異世界!……って、とりあえず私の部屋に入りなさい。そんな格好でいつまでも廊下にいるもんじゃないわよ」
そう言って、エリナは自分の部屋にリィナを招き入れる。
「とりあえずこれを着て合い鍵をもらいに行きなさい。それから、その男のことをちゃんと聞かせるんですのよ」
エリナは、リィナに自分の服を渡しながら言った。
「動きにくそうな服だなあ」
エリナが渡してくれた服は、淡いミントグリーンの長袖ワンピースだった。
ウエストには白いリボンが結ばれ、裾のレースがひらひらと揺れる。
清楚で可憐な印象のその服を見て、リィナは少し顔をしかめた。
「あなたは動きやすさだけを重視して服を選ぶのを止めなさい!もう私たちも子供じゃないんですから、あんなに脚や腕をむき出しにするのははしたないんですの!」
「あっちの方が絶対かわいいもん!……それに、この服ちょっと胸がきついなあ」
服を着ながらそんなことを言うリィナに、エリナは顔を真っ赤にして怒った。
「そんなこと言うなら、裸で合い鍵を取りに行くといいですわ!」
「ごめんごめん、じゃあちょっと借りるね」
「部屋に戻って着替えたらここにきて話を聞かせるんですのよ!あ、裾を踏まないように気を付けて!」
「分かってるよ」
と言いながらリィナは長いスカートの裾を持ち上げて元気に歩いて行った。
そしてすぐに合い鍵を取って自分の部屋に戻り、半袖半ズボンの服に着替えてエリナの部屋に向かう。
「お待たせ、この服洗って返そうか?」
「ほんのちょっと着ただけですから構いませんわよ。洗濯するのも楽じゃないんですし。それより、カイウス様に害をなす者ってどんな人でしたの?」
「何か、ひょろひょろしてて頼りなさそうだったよ。騎士みたいな格好してたのに剣もちゃんと扱えないし、力もテレパスだけ。それも相手が自分のことを考えてないと繋がらないの」
「……それでカイウス様に害をなせるの?カイウス様ってかなり強いよ?」
「そうなのよ、何であれが害をなす者なのかが全然わかんない。何なら私でも倒せそうだし」
そう言いながらリィナは、魔法の杖を雄二と過ごした家に置いてきていることを思い出す。
「それでそいつがさあ、私がお風呂に入ってる時に襲ってきたのよ」
「え、ハレンチ魔なの?最悪ですわ」
「いや一応私が魔法の杖を持ってる時だとすぐにやられちゃうから、みたいな言い訳はしてたけど……」
「じゃああなたが疑われたのも原因じゃないんですの?余計な小細工はいらないとカイウス様も仰っていたのに……」
「だって、女の子を助けたらその子のことが気になったりするじゃん。そうして私に惚れさせたら、カイウス様に害をなそうとした時に止められるかもしれないじゃん」
エリナは憐れむような眼でリィナを見つめて言った。
「あなたの考えは休むに似たりですわ」
「どういう意味よ、それ!」
こうして、リィナとエリナは遅くまで話し込んだのだった。
そう言ってリィナを見下ろしているのは、エリナという少女だった。
年齢はリィナとほぼ同じくらい。
エリナもリィナと同じような境遇で、身寄りがないところをカイウスによって拾われた。
二人ともほぼ同時期にカイウスに拾われたのだが、性格は違っていた。
リィナは肉体派でエリナはどちらかというと知性派、リィナは明るく快活でエリナはややおしとやか(そう振る舞うようにしている)。
そして、二人ともカイウスのことを尊敬していた。
リィナもエリナも、カイウスの役に立ちたくて仕方がないのだ。
そういう意味では、ライバルのような存在でもある。
そんな二人が「カイウス様に害をなす存在が現れる」という占いを聞いてじっとしていられるはずがない。
そこでリィナとエリナが領内を駆けずり回って探していると、身元のしれない者が二人見つかった。
一人は雄二で、もう一人も騎士の格好をした屈強な男だった。
リィナもエリナも屈強な男の方が「害をなす存在」だと思ったが、エリナの方がリィナよりも先んじてその男に接触した。
リィナはここでも男たちに襲われる演技をしようとしたのだが、そのためにストレートに行動したエリナに出遅れたのだ。
そこで、リィナは仕方なく雄二の方を調査することになった。
それなのに、雄二の方が「異世界からの来訪者」という怪しい存在だったのだ。
ちなみにエリナが接触した男の方は、ただの酔っ払って隊からはぐれた騎士だった。
だからエリナは悔しく思いながら日々を過ごしていたのだが、突然リィナがあられもない姿で部屋の前に現れたのだ。
なお、リィナとエリナの部屋は隣同士である。
「ははーん、部屋の鍵がなくて入れないのね。おっちょこちょいな子だこと」
同時期に拾われてきたリィナとエリナは姉妹のようなものだが、どちらも自分が姉だと思っている。
「うるさい!カイウス様に害をなす者だけあってやり口が卑怯なのよ!それより私が調査した男、異世界から来たらしいのよ……」
「異世界!……って、とりあえず私の部屋に入りなさい。そんな格好でいつまでも廊下にいるもんじゃないわよ」
そう言って、エリナは自分の部屋にリィナを招き入れる。
「とりあえずこれを着て合い鍵をもらいに行きなさい。それから、その男のことをちゃんと聞かせるんですのよ」
エリナは、リィナに自分の服を渡しながら言った。
「動きにくそうな服だなあ」
エリナが渡してくれた服は、淡いミントグリーンの長袖ワンピースだった。
ウエストには白いリボンが結ばれ、裾のレースがひらひらと揺れる。
清楚で可憐な印象のその服を見て、リィナは少し顔をしかめた。
「あなたは動きやすさだけを重視して服を選ぶのを止めなさい!もう私たちも子供じゃないんですから、あんなに脚や腕をむき出しにするのははしたないんですの!」
「あっちの方が絶対かわいいもん!……それに、この服ちょっと胸がきついなあ」
服を着ながらそんなことを言うリィナに、エリナは顔を真っ赤にして怒った。
「そんなこと言うなら、裸で合い鍵を取りに行くといいですわ!」
「ごめんごめん、じゃあちょっと借りるね」
「部屋に戻って着替えたらここにきて話を聞かせるんですのよ!あ、裾を踏まないように気を付けて!」
「分かってるよ」
と言いながらリィナは長いスカートの裾を持ち上げて元気に歩いて行った。
そしてすぐに合い鍵を取って自分の部屋に戻り、半袖半ズボンの服に着替えてエリナの部屋に向かう。
「お待たせ、この服洗って返そうか?」
「ほんのちょっと着ただけですから構いませんわよ。洗濯するのも楽じゃないんですし。それより、カイウス様に害をなす者ってどんな人でしたの?」
「何か、ひょろひょろしてて頼りなさそうだったよ。騎士みたいな格好してたのに剣もちゃんと扱えないし、力もテレパスだけ。それも相手が自分のことを考えてないと繋がらないの」
「……それでカイウス様に害をなせるの?カイウス様ってかなり強いよ?」
「そうなのよ、何であれが害をなす者なのかが全然わかんない。何なら私でも倒せそうだし」
そう言いながらリィナは、魔法の杖を雄二と過ごした家に置いてきていることを思い出す。
「それでそいつがさあ、私がお風呂に入ってる時に襲ってきたのよ」
「え、ハレンチ魔なの?最悪ですわ」
「いや一応私が魔法の杖を持ってる時だとすぐにやられちゃうから、みたいな言い訳はしてたけど……」
「じゃああなたが疑われたのも原因じゃないんですの?余計な小細工はいらないとカイウス様も仰っていたのに……」
「だって、女の子を助けたらその子のことが気になったりするじゃん。そうして私に惚れさせたら、カイウス様に害をなそうとした時に止められるかもしれないじゃん」
エリナは憐れむような眼でリィナを見つめて言った。
「あなたの考えは休むに似たりですわ」
「どういう意味よ、それ!」
こうして、リィナとエリナは遅くまで話し込んだのだった。
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