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準備期間です。
33.お茶をしましょう
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「フリード……それは何だい?」
「何、と言われましても、見たままですが?」
「……いや、うん、そうなんだけね。だがな……」
王子と一緒にお茶をするために向かったのはサロン。
そこで王子は何かを言いたげにしたが、兄の清々しいと思われる表情に言葉を詰まらせる。
清々しいと〝思われる〟と言ったのは、私からは兄の表情が見えないからだ。
なにせ、私は兄の膝の上に座っているからだ。
だが、見なくてもわかる。
兄は今、とっても笑顔だと思う。
「私がいることを忘れていないかい?」
「忘れていませんが?」
兄の膝の上に座るのは私にとっては日常的なことなのだが、さすがに王子が一緒なので私は普通にソファーに座ろうとした。
だが、兄はそんなことは関係ないらしく、兄の隣に座ろうとした私を〝ひょい〟と膝の上に持ち上げたのだ。
「お兄様、やはり失礼ではないでしょうか?」
「ん? リア、サイラス様はこの程度のことで怒るような狭量な人ではないから大丈夫だよ。ですよね、サイラス様?」
「……それは肯く以外の選択肢はないよね? もういいよ。シスコンの君に妹を構うことを止めろなんて言わないから存分に愛でてくれ」
本当に清々しいほどの兄の態度に、王子が投げやりになった。
「ほらな、リア。だから、安心して私に座っているんだよ」
本当に兄はブレないな~。
まあ、私も何だかんだ言っても、兄の膝の上が落ち着くんだけどね~。
それに、兄は優秀すぎるというぐらい優秀な人物らしいので、シスコンという欠点があったほうがいいのかもしれないよな~。
あまりにも優秀すぎると、嫉妬されるだろうしな。
さて、シスコン・ブラコンについてはここらへんにしておいて、問題は王子だよね。
忘れてはいけない。
王子は攻略対象者だということを!
精霊契約のお蔭で、王子との婚約は成立しなかった。
なので、婚約破棄に関するルートはなくなったわけだが……もしも、マリエッタが王子とつき合った場合に、いじめの首謀者にされる可能性は残っているわけだ。
いじめに関してはとても厄介なのだ。
なにせ、どこから首謀者に仕立てられるのかがわからないのだから。
それならこうして王子と交流を持つことは悪いことじゃないのかもしれない。
なぜなら、私が陰でこそこそと嫌がらせなんてするような人物ではないと王子本人に示せる絶好の機会なのだから。
ただの友人の妹ではなく、そこそこ親しい友人の妹を目指そうじゃないか!
「失礼いたします」
私が今後の方向性を決めたところで、ちょうどジルベールがお茶を運んできた。
「おや? 君はスターリンだったか? しばらく見ないと思っていたらこちらにいたのか!」
「はい、今はヴィクトリア様の専属護衛として派遣されております」
「そうだったのか」
ジルベールと王子は顔見知りだったようだ。
まあ、ジルベールは近衛騎士だから、王族との関わりがあってもおかしくないよな~。
「ヴィクトリア様、お茶請けにベリーのタルトをお持ちしましたが、よろしかったでしょうか?」
「大丈夫よ、ありがとう」
ジルベールの口調が少々他人行儀なのが気になるけど……王子の前だから仕方がないか~。
「もしかして、リアが作ったお菓子かな?」
「そうなんです。とっても上手にできたと思うので、ぜひ食べてみてください」
今日の午前中、ミリアと一緒に作ったベリーたっぷり載せたカスタードタルト。
「……ちょっと待ってくれないかな」
「サイラス様、どうかなさいましたか?」
「どうかしたかって……フリードはこれを見て何とも思わないのかい?」
「とても美味しそうですが? さすがリアだね」
「いや、そうじゃなくて! これに使われているベリーだよ! 高級食材に分類されるスターベリーに、稀少と言われて滅多にお目に掛れないオーロラベリーまで使われているじゃないか!」
「ああ、本当ですね」
スターベリーもオーロラベリーもうちに遊びに来る精霊さんがお土産として持ってきたものだ。
凄く美味しいなぁ~と思っていたが、高級ベリーに稀少ベリーだったようだ。
「貰いものです」
「リアにはずいぶんと気前の良い知り合いがいるんだね」
「お兄様も会ったことありますよ?」
「そうなのかい?」
「はい。偶に遊びに来る小さな精霊さんです」
「ああ、あの子達か~。それなら納得だ」
私と兄の会話になぜか王子が疲れたようにがっくりと項垂れていた。
「君達、会話の内容が異常なのは気づいているかい? 精霊達が気軽に遊びに来るなんておかしなことだからね?」
「サイラス様、リアなんですから、そんな常識は関係ないですよ」
だよね~。
精霊は気軽に見えない、会えないものだとしても、私は精霊と契約しているのだから、そこは普通に考えてはいけないと思うんだよね。
「何、と言われましても、見たままですが?」
「……いや、うん、そうなんだけね。だがな……」
王子と一緒にお茶をするために向かったのはサロン。
そこで王子は何かを言いたげにしたが、兄の清々しいと思われる表情に言葉を詰まらせる。
清々しいと〝思われる〟と言ったのは、私からは兄の表情が見えないからだ。
なにせ、私は兄の膝の上に座っているからだ。
だが、見なくてもわかる。
兄は今、とっても笑顔だと思う。
「私がいることを忘れていないかい?」
「忘れていませんが?」
兄の膝の上に座るのは私にとっては日常的なことなのだが、さすがに王子が一緒なので私は普通にソファーに座ろうとした。
だが、兄はそんなことは関係ないらしく、兄の隣に座ろうとした私を〝ひょい〟と膝の上に持ち上げたのだ。
「お兄様、やはり失礼ではないでしょうか?」
「ん? リア、サイラス様はこの程度のことで怒るような狭量な人ではないから大丈夫だよ。ですよね、サイラス様?」
「……それは肯く以外の選択肢はないよね? もういいよ。シスコンの君に妹を構うことを止めろなんて言わないから存分に愛でてくれ」
本当に清々しいほどの兄の態度に、王子が投げやりになった。
「ほらな、リア。だから、安心して私に座っているんだよ」
本当に兄はブレないな~。
まあ、私も何だかんだ言っても、兄の膝の上が落ち着くんだけどね~。
それに、兄は優秀すぎるというぐらい優秀な人物らしいので、シスコンという欠点があったほうがいいのかもしれないよな~。
あまりにも優秀すぎると、嫉妬されるだろうしな。
さて、シスコン・ブラコンについてはここらへんにしておいて、問題は王子だよね。
忘れてはいけない。
王子は攻略対象者だということを!
精霊契約のお蔭で、王子との婚約は成立しなかった。
なので、婚約破棄に関するルートはなくなったわけだが……もしも、マリエッタが王子とつき合った場合に、いじめの首謀者にされる可能性は残っているわけだ。
いじめに関してはとても厄介なのだ。
なにせ、どこから首謀者に仕立てられるのかがわからないのだから。
それならこうして王子と交流を持つことは悪いことじゃないのかもしれない。
なぜなら、私が陰でこそこそと嫌がらせなんてするような人物ではないと王子本人に示せる絶好の機会なのだから。
ただの友人の妹ではなく、そこそこ親しい友人の妹を目指そうじゃないか!
「失礼いたします」
私が今後の方向性を決めたところで、ちょうどジルベールがお茶を運んできた。
「おや? 君はスターリンだったか? しばらく見ないと思っていたらこちらにいたのか!」
「はい、今はヴィクトリア様の専属護衛として派遣されております」
「そうだったのか」
ジルベールと王子は顔見知りだったようだ。
まあ、ジルベールは近衛騎士だから、王族との関わりがあってもおかしくないよな~。
「ヴィクトリア様、お茶請けにベリーのタルトをお持ちしましたが、よろしかったでしょうか?」
「大丈夫よ、ありがとう」
ジルベールの口調が少々他人行儀なのが気になるけど……王子の前だから仕方がないか~。
「もしかして、リアが作ったお菓子かな?」
「そうなんです。とっても上手にできたと思うので、ぜひ食べてみてください」
今日の午前中、ミリアと一緒に作ったベリーたっぷり載せたカスタードタルト。
「……ちょっと待ってくれないかな」
「サイラス様、どうかなさいましたか?」
「どうかしたかって……フリードはこれを見て何とも思わないのかい?」
「とても美味しそうですが? さすがリアだね」
「いや、そうじゃなくて! これに使われているベリーだよ! 高級食材に分類されるスターベリーに、稀少と言われて滅多にお目に掛れないオーロラベリーまで使われているじゃないか!」
「ああ、本当ですね」
スターベリーもオーロラベリーもうちに遊びに来る精霊さんがお土産として持ってきたものだ。
凄く美味しいなぁ~と思っていたが、高級ベリーに稀少ベリーだったようだ。
「貰いものです」
「リアにはずいぶんと気前の良い知り合いがいるんだね」
「お兄様も会ったことありますよ?」
「そうなのかい?」
「はい。偶に遊びに来る小さな精霊さんです」
「ああ、あの子達か~。それなら納得だ」
私と兄の会話になぜか王子が疲れたようにがっくりと項垂れていた。
「君達、会話の内容が異常なのは気づいているかい? 精霊達が気軽に遊びに来るなんておかしなことだからね?」
「サイラス様、リアなんですから、そんな常識は関係ないですよ」
だよね~。
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