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【第四章:エデン第三区画/旧総合医療技術研究施設棟】
【第39話】
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エデン第三区画。中央制御施設ゴソウカン前の広場。
「……と、言う事があったのよ」
『エージェント、ご無事で何よりです!! そして部下の件は大変申し訳ございません!!』
腕のガントレットデバイスで35部隊拠点と通信するサン博士から事情を聴いたコマンダージャンヌは通信機の向こうで謝罪する。
「気にしないで、コマンダー。ただね、お願いしたい事が2つあるの……いい話と悪い話があるんだけど大丈夫かしら?」
『いい話と悪い話……どちらからでも何なりとお申し付けください、エージェント!!』
この状況となってはどちらも変わらん。腹をくくったコマンダージャンヌはサン博士に判断を委ねる。
「まずはいい話なんだけど、先述のアンドロイドソルジャー軍団との大規模交戦で大量の銃火器と人間サイズのプロテクター、あと3Dプリンターの加工材料となるスクラップ資材がたくさん手に入ったの!! 今、モンキーマンとカッパマンがEVジープに積み込みつつ、自動運転でそちらまで戻らせるルート設定をしているから……どこかで合流して資材回収してもらえるかしら?」
『おお、それは助かります!! 直ちに部下を向かわせます!!』
「あと、悪い話はね……マツモトちゃんをもうしばらく貸しておいてくれないかしら?」
『マツモトをですか? 物資と共にEVジープを運転して帰らせれば……』
「うん、そうしたいのはやまやまなんだけど……どうもゴソウカンの最上階で待ち構えている上位管理者アンドロイドは私達3人だけじゃ通してくれないみたいなの。
意図はわからないけど、コンセイマオウと名乗る上位管理者アンドロイドはどうしてもマツモトちゃんを私達に同行させたいみたいなのよ」
『……エージェント・サン。マツモトと話させていただけますか?』
「ええ、構わないわ……マツモトちゃん、コマンダーがご指名よ」
「かしこまりました、エージェント・サン!!」
中腰にかがんだサン博士が寄せて来るガントレットデバィスにマツモトは顔を近づける。
「コマンダー、こちらマツモトです……聞こえておりますか?」
『ああ、聞こえている。マツモト、お前がレジスタンス軍の一員としてやるべき事は何だ?』
「ソルジャーとして銃を取る事でございます、コマンダー」
アンドロイドソルジャーからカッパマンが略奪した自動小銃を肩にかけ、ツナギ上に剥ぎたてほやほやのプロテクターを装着したマツモトは通信機の向こうのコマンダーに答える。
『いかにもその通りだ。故に一介のソルジャーでしかないお前にエージェント・サンをお守りしろとは言わない。
ただし己の身は己で守れ、使えるモノはなんでも使え……そして絶対に死ぬな。
人類史の目撃者として土産話と共に無事で帰還しろ!! これは命令である、よいな!!」
「イエス、サー!!」
ビデオ通話でない事は分かっているが、上官たるコマンダージャンヌの強い語気にマツモトは思わず敬礼する。
『よい返事だ、マツモト!! サン様、足手まといにならないとは思いますが……部下をよろしくお願いいたします。そして御二方もご無事で……』
『おう、ありがとなコマンダー!! いまそっちに武器弾薬に資材をどっちゃり送るからな!!』
『ふおふおふお、これもそちらのギークGUYのおかげ!! よろしくお伝え頼みますぞ!!』
EVジープへの物資積み込みと自動運転設定を終えたモンキーマンとカッパマンはサン博士のガントレットデバイスに叫ぶ。
『ええ、後方支援はお任せください!! 直ちに回収に向かいますので……失礼いたします!!』
そう言いつつコマンダージャンヌは通信を切る。
『ふふふ、これは楽しみだな……』
自動運転でエデン第二区画に向けて走り出すEVジープを見送る4人を黒五角塔最上階から見下ろす上位管理者アンドロイド・コンセイマオウ。
『主様、これでよかったのですね?』
ミクラ・ブレインの命で大量の兵姑を積み込んでレジスタンス軍拠点へ自動運転で向かって行くEVジープに対する攻撃禁止命令を出しておいたコンセイマオウはどこかで見ているであろう主に問う。
『うむ、それでよいぞコンセイマオウ。そしてこの研究施設防衛の要はそなたである……その責務、しかと心得るがよい』
『もちろんでございます、主様。では私はここにて……』
目の前で開いたゴソウカン正門から入って来る4人を映す監視カメラモニターを指さすコンセイマオウ。
『うむ』
その意図を察したミクラ・ブレインは通信を切る。
【MMS 第40話に続く】
「……と、言う事があったのよ」
『エージェント、ご無事で何よりです!! そして部下の件は大変申し訳ございません!!』
腕のガントレットデバイスで35部隊拠点と通信するサン博士から事情を聴いたコマンダージャンヌは通信機の向こうで謝罪する。
「気にしないで、コマンダー。ただね、お願いしたい事が2つあるの……いい話と悪い話があるんだけど大丈夫かしら?」
『いい話と悪い話……どちらからでも何なりとお申し付けください、エージェント!!』
この状況となってはどちらも変わらん。腹をくくったコマンダージャンヌはサン博士に判断を委ねる。
「まずはいい話なんだけど、先述のアンドロイドソルジャー軍団との大規模交戦で大量の銃火器と人間サイズのプロテクター、あと3Dプリンターの加工材料となるスクラップ資材がたくさん手に入ったの!! 今、モンキーマンとカッパマンがEVジープに積み込みつつ、自動運転でそちらまで戻らせるルート設定をしているから……どこかで合流して資材回収してもらえるかしら?」
『おお、それは助かります!! 直ちに部下を向かわせます!!』
「あと、悪い話はね……マツモトちゃんをもうしばらく貸しておいてくれないかしら?」
『マツモトをですか? 物資と共にEVジープを運転して帰らせれば……』
「うん、そうしたいのはやまやまなんだけど……どうもゴソウカンの最上階で待ち構えている上位管理者アンドロイドは私達3人だけじゃ通してくれないみたいなの。
意図はわからないけど、コンセイマオウと名乗る上位管理者アンドロイドはどうしてもマツモトちゃんを私達に同行させたいみたいなのよ」
『……エージェント・サン。マツモトと話させていただけますか?』
「ええ、構わないわ……マツモトちゃん、コマンダーがご指名よ」
「かしこまりました、エージェント・サン!!」
中腰にかがんだサン博士が寄せて来るガントレットデバィスにマツモトは顔を近づける。
「コマンダー、こちらマツモトです……聞こえておりますか?」
『ああ、聞こえている。マツモト、お前がレジスタンス軍の一員としてやるべき事は何だ?』
「ソルジャーとして銃を取る事でございます、コマンダー」
アンドロイドソルジャーからカッパマンが略奪した自動小銃を肩にかけ、ツナギ上に剥ぎたてほやほやのプロテクターを装着したマツモトは通信機の向こうのコマンダーに答える。
『いかにもその通りだ。故に一介のソルジャーでしかないお前にエージェント・サンをお守りしろとは言わない。
ただし己の身は己で守れ、使えるモノはなんでも使え……そして絶対に死ぬな。
人類史の目撃者として土産話と共に無事で帰還しろ!! これは命令である、よいな!!」
「イエス、サー!!」
ビデオ通話でない事は分かっているが、上官たるコマンダージャンヌの強い語気にマツモトは思わず敬礼する。
『よい返事だ、マツモト!! サン様、足手まといにならないとは思いますが……部下をよろしくお願いいたします。そして御二方もご無事で……』
『おう、ありがとなコマンダー!! いまそっちに武器弾薬に資材をどっちゃり送るからな!!』
『ふおふおふお、これもそちらのギークGUYのおかげ!! よろしくお伝え頼みますぞ!!』
EVジープへの物資積み込みと自動運転設定を終えたモンキーマンとカッパマンはサン博士のガントレットデバイスに叫ぶ。
『ええ、後方支援はお任せください!! 直ちに回収に向かいますので……失礼いたします!!』
そう言いつつコマンダージャンヌは通信を切る。
『ふふふ、これは楽しみだな……』
自動運転でエデン第二区画に向けて走り出すEVジープを見送る4人を黒五角塔最上階から見下ろす上位管理者アンドロイド・コンセイマオウ。
『主様、これでよかったのですね?』
ミクラ・ブレインの命で大量の兵姑を積み込んでレジスタンス軍拠点へ自動運転で向かって行くEVジープに対する攻撃禁止命令を出しておいたコンセイマオウはどこかで見ているであろう主に問う。
『うむ、それでよいぞコンセイマオウ。そしてこの研究施設防衛の要はそなたである……その責務、しかと心得るがよい』
『もちろんでございます、主様。では私はここにて……』
目の前で開いたゴソウカン正門から入って来る4人を映す監視カメラモニターを指さすコンセイマオウ。
『うむ』
その意図を察したミクラ・ブレインは通信を切る。
【MMS 第40話に続く】
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