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【第四章:エデン第三区画/旧総合医療技術研究施設棟】
【第38話】
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『そこまで!!』
突如どこからか聞こえてくる声に攻撃をやめ、銃を背中のアタッチメントに納めたアンドロイドソルジャー軍団。
「だれっ!?」
『どこだ!?』
その場で気を付けの姿勢を取り、直立不動となった敵を前に警戒しつつどこかに隠れている声の主に叫び返すモンキーマンとサン博士。
『モンキーマン殿、フトウ様、上ですぞ!!』
文字通りの溺め手で武蔵坊弁慶も顔負けの銃火器を背中のカゴに集めたカッパマンが指さす上空。
そこに出現したエアディスプレイに映し出されるのは赤いマントと黒い甲胃に身を包み、青龍刀を腰に差した人型アンドロイドだ。
『我が名はコンセイマオウ、このエデン第三区画生命進化ラボの上位管理者アンドロイドである……ブウ』
『ブウ?』
『我は 『武ウ』 を極めし戦闘用アンドロイド。 そなたらの 『武ウ』勇っぷり実に見事であった!!
我が『武ウ』人魂は感動に打ち震えておる!!』
『……?』
自身のクセとなっている 『武(ブ)』の発音であるかのように振る舞っているが明らかにモンキーマンに指摘された語尾を意識して誤魔化そうとしている。
画面越しではあるがその事実に気が付いたカッパマンの中でとある疑念が生まれる。
『我は返礼としてそなたらにこのゴソウカン内部見学ツアーを提供しようと思う!!
そこにお隠れの幼いお嬢さん共々4人で最上階で待つ我の元に来るがよい!!』
コンセイマオウのエアディスプレイが消えると共に、回れ右して撤収していくアンドロイドソルジャー軍団。
そして五角形塔の正門はゆっくりと3人を招き入れるかのように開いて行く。
『幼いお嬢さん?』
男型の戦闘用人型アンドロイドであるモンキーマンとカッパマンは思わずこの場で唯一の女性であるサン博士を見てしまう。
「まあ2人がいわんとする事はわかるけど……幼いお嬢さんってのは失礼なんじゃないかしら?」
このいつ終わるともわからない戦争の時代に科学者兼軍人として生きるには無意味で不必要なモノであることは重々承知だが……うぬぼれではなく自分がそれなり以上のスタイリッシュ美女である事を理解できている27歳のサン博士は仲間をじろりと見返す。
『いや、それは分かっているんだが……俺たち3人以外に誰か1人?』
モンキーマンがコンセイマオウの発言について考えていたその時、後ろの物陰で動くモノの気配を感じ取る。
『誰だ!? 動くな!! 武器を捨てて出て来い!!』
『……申し訳ございません、モンキーマン様。私です」
モンキーロッドを構えて殴りかかる態勢になっていたモンキーマンの前に両手を上げて現れたのはEVジープで逃げたはずのソルジャー・マツモトだ。
「マツモト!? 私は逃げるように命じたはずだが……?」
「命令違反の件、まことに申し訳ございません、エージェント・サン」
『……なぜそのような事をした?」
『……ソルジャーとして皆様のお力にならねばと思い、いざとなれば車で敵陣突入する覚悟で戻ってまいりました」
そう言いつつ足下に置いていた対アンドロイド狙撃銃を拾って見せる。
「……」
「申し訳ございません、エージェント……」
無言で向かってくるサン博士にソルジャーマツモトは歯を食いしばる。
ばちいいいん!!
「ばか!!」
周囲に響く音を立て、真っ赤な手の跡が付く程の力でマツモトのほおに平手打ちを喰らわせるサン博士。
「あなた一人で……何が出来るのよ? なんで命を粗末にするのよ……ばか……ばか」
サンはそのままへなへなと地面に膝を付き、鳴咽を上げる。
「申し訳ございません……申し訳ございません……エージェント……」
同じレジスタンス軍関係者とは言え世界の命運を背負ったサン博士&戦闘用アンドロイドの2方と一介のソルジャーでしかない自分。
その存在意義を天秤にかけずともどちらが捨て駒となるべきは明確だが、この人はそう言う考えの人ではない。
上官命令無視をビンター撃で赦すと言うサンの優しさに気づいたマツモトも涙腺決壊してしまう。
【MMS 第39話に続く】
突如どこからか聞こえてくる声に攻撃をやめ、銃を背中のアタッチメントに納めたアンドロイドソルジャー軍団。
「だれっ!?」
『どこだ!?』
その場で気を付けの姿勢を取り、直立不動となった敵を前に警戒しつつどこかに隠れている声の主に叫び返すモンキーマンとサン博士。
『モンキーマン殿、フトウ様、上ですぞ!!』
文字通りの溺め手で武蔵坊弁慶も顔負けの銃火器を背中のカゴに集めたカッパマンが指さす上空。
そこに出現したエアディスプレイに映し出されるのは赤いマントと黒い甲胃に身を包み、青龍刀を腰に差した人型アンドロイドだ。
『我が名はコンセイマオウ、このエデン第三区画生命進化ラボの上位管理者アンドロイドである……ブウ』
『ブウ?』
『我は 『武ウ』 を極めし戦闘用アンドロイド。 そなたらの 『武ウ』勇っぷり実に見事であった!!
我が『武ウ』人魂は感動に打ち震えておる!!』
『……?』
自身のクセとなっている 『武(ブ)』の発音であるかのように振る舞っているが明らかにモンキーマンに指摘された語尾を意識して誤魔化そうとしている。
画面越しではあるがその事実に気が付いたカッパマンの中でとある疑念が生まれる。
『我は返礼としてそなたらにこのゴソウカン内部見学ツアーを提供しようと思う!!
そこにお隠れの幼いお嬢さん共々4人で最上階で待つ我の元に来るがよい!!』
コンセイマオウのエアディスプレイが消えると共に、回れ右して撤収していくアンドロイドソルジャー軍団。
そして五角形塔の正門はゆっくりと3人を招き入れるかのように開いて行く。
『幼いお嬢さん?』
男型の戦闘用人型アンドロイドであるモンキーマンとカッパマンは思わずこの場で唯一の女性であるサン博士を見てしまう。
「まあ2人がいわんとする事はわかるけど……幼いお嬢さんってのは失礼なんじゃないかしら?」
このいつ終わるともわからない戦争の時代に科学者兼軍人として生きるには無意味で不必要なモノであることは重々承知だが……うぬぼれではなく自分がそれなり以上のスタイリッシュ美女である事を理解できている27歳のサン博士は仲間をじろりと見返す。
『いや、それは分かっているんだが……俺たち3人以外に誰か1人?』
モンキーマンがコンセイマオウの発言について考えていたその時、後ろの物陰で動くモノの気配を感じ取る。
『誰だ!? 動くな!! 武器を捨てて出て来い!!』
『……申し訳ございません、モンキーマン様。私です」
モンキーロッドを構えて殴りかかる態勢になっていたモンキーマンの前に両手を上げて現れたのはEVジープで逃げたはずのソルジャー・マツモトだ。
「マツモト!? 私は逃げるように命じたはずだが……?」
「命令違反の件、まことに申し訳ございません、エージェント・サン」
『……なぜそのような事をした?」
『……ソルジャーとして皆様のお力にならねばと思い、いざとなれば車で敵陣突入する覚悟で戻ってまいりました」
そう言いつつ足下に置いていた対アンドロイド狙撃銃を拾って見せる。
「……」
「申し訳ございません、エージェント……」
無言で向かってくるサン博士にソルジャーマツモトは歯を食いしばる。
ばちいいいん!!
「ばか!!」
周囲に響く音を立て、真っ赤な手の跡が付く程の力でマツモトのほおに平手打ちを喰らわせるサン博士。
「あなた一人で……何が出来るのよ? なんで命を粗末にするのよ……ばか……ばか」
サンはそのままへなへなと地面に膝を付き、鳴咽を上げる。
「申し訳ございません……申し訳ございません……エージェント……」
同じレジスタンス軍関係者とは言え世界の命運を背負ったサン博士&戦闘用アンドロイドの2方と一介のソルジャーでしかない自分。
その存在意義を天秤にかけずともどちらが捨て駒となるべきは明確だが、この人はそう言う考えの人ではない。
上官命令無視をビンター撃で赦すと言うサンの優しさに気づいたマツモトも涙腺決壊してしまう。
【MMS 第39話に続く】
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