4 / 79
第二章:『闇乃宮・壱ノ闘戯場/火獣アカネコ』
【第4話】
しおりを挟む
マヨイガポータルの世界、闇乃宮鳥居前。
『ふむ、皆様お揃いのようで……』
ミズノモノ美香の救出とヤミノミヤ攻略のために結成された三勢力連合による個性豊かな連合チーム、闇乃宮討伐隊。
総大将たるタメシヤノミコト様を筆頭に元壇条学院オカルト研究会メンバー、五武神、眷族魔物&式神の累計18人と言う大所帯を前に満足気に領くヤミネコ。
「最大人数で来い言うたのはお前やで。この期に及んで人数制限なんて言わんやろな?」
モーニングスターランスと般若の面。黒タンクトップに半ズボン&ブーツ姿の英里子はヤミネコに切り返す。
『いえいえ、そのような事は申しませぬ。 では皆様こちらへどうぞ……』
ヤミネコが黒鳥居に触るとその枠内に充満した瘴気は黒い渦に変化する。
「皆の者、進むぞ!!」
「みんな、行こう」
何が起こるか分からない謎のマョイガダンジョンに向けて先陣を切る総大将タメシヤノミコト様と副大将ヒノモノ探の歩に続いて16人は鳥居ポータルの中に入っていく。
「ここは……溶鉱炉か?」
ヤミノミヤに入った18人を出迎えたのは真っ赤に溶けた溶鉄で満たされた巨大な溶鉱炉。
製鉄所の映像でよく見る天井から下がったバケツのような機械により溶鉄が絶え間なく流し込まれてプールのようになったそこには大きな円形鉄板が浮かべてあり、それを囲うような配置で観客席が設けられている。
「アノコウネツ、キケンダ!! オレデモオチタラドロドロダゼ!!」
「おいおい、まさかとは思うが……ここでサスケでもやらせようってんじゃないだろうな?」
「サスケって……忍者のアレ?」
シルバーデストロイメンはとにかく須田丸の言う事がわからず首をかしげる戦巫女装東の茜。
「御織院さん、サスケってのは日本で人気のテレビ番組の激むずアスレチックの事で……」
『ごちゃごちゃうるせえぞお!! ゴミ共お!!』
大咆哮と共にタケルの解説を遮り、どこからともなく飛び降りて来て溶鉱炉鉄板上にヒーロー着地した赤たてがみライオンヘッドな筋骨隆々の巨人。
『我が名はアカネコ!! ヤミノミヤ様にお仕えする火獣なりやあ!!』
突如現れた5~6メートルはある巨人は口から豪快な火炎放射と共に自己紹介する。
「あいつは……オレと同じ火使いなのか!?」
「お兄ちゃんのゲームで姫様をさらう悪いカメさんみたいだわ!!」
これまで数度しか戦った事がないレベルの強大な敵を前に恐れおののく雲隠家の双子。
「……うむ、エレメント特性上あやつは私が一騎打ちしたほうが良さそうだ。主様、ここは私が参りましょう」
そう言いつつ白狩衣の上半身を脱ぎだすチノミヤノミコト様。
『待たれよ、武神殿。ここは我らが戦場……こちらのルールに従っていただきましょうぞ』
観客席内の少し離れた場所に座したヤミネコはそれを制止する。
『そうだ!! 今から俺が指名した3人に相手をしてもらう事になる!! さて、俺が殺してえやつは……』
鉄板上に腕を組んで立ちながらニヤニヤしながら一行を見回すアカネコ。
『決めた!! お前とお前とそこのじじい!! 落ちたら俺でも助からねえここに叩きこんでやるから降りて来い!!』
マーメイドウォーリァーのツミレ、タメシヤノミコト様、老武神ヒノミヤノミコトを指名したアカネコは3人に降りてくるように挑発する。
「先生……」
タメシヤノミコト様と五武神ヒノミヤノミコト様はとにかくマーメイドウォーリアーのツミレはこの状況下では明らかに戦力外……雲隠家の双子は幼い頃からお世話になって来た師にかける言葉が見つからない。
「大丈夫よ、心配しないで 『ハイドロフォイル』」
五武神2人に続いて鉄板の橋を滑り降りていくツミレの無事を2人は祈る。
『これより闇乃宮・壱ノ闘戯『火獣アカネコ』 を始める!! 両者とも構えよ!!』
3人が溶鉱炉に降り、橋が撤去されたのを確認したヤミネコは司会進行役として口上を述べる。
『はじめっ!!』
『豪炎ネコパンチ!!』
瞬時に渦巻く豪炎を拳に纏わせたアカネコによるダッシュ突撃先制攻撃。
『マョイガ神技:大蝦墓変化!!』
目にも止まらぬ九字切りでボンッ!!と戦闘形態たる赤大蝦墓に変化した翁は大きな口を開け、その拳をバクンと食い止める。
『派手に吹き飛べえ!! 爆散っ!!』
まずは1匹、死因は体内からの衝撃による爆散。そう確信したアカネコであったが……熱爆発を食らってもなお手をパックンチョと咥えたまま無傷でたたずむばかりの大蝦墓。
「ゲゴッ、ゲゴォォ……(お若いの、これが年の甲と言う物じゃ)」
『へっ?』
「ゲゴォォォン!! (次は濃の番じや!!)グワッグワッ!! (『火喰らい大蝦墓!!』)」
『えっ、なっ……ぎゃああああ!! 寒い、寒い!! 俺様の体温があああ!!』
周囲の熱気もろとも敵の体熱を直接吸い取り始めた大蝦墓フォームの老五武神。
体の中から急速に冷えて行く感触と言う熱気の中で凍死しかねない事態にパニックに陥ったアカネコは長い舌を腕に絡めてきて腕から外れない翁を地面に叩きつけ、引きはがそうとするが変身状態で衝撃無効化になっている翁には全く効果が無い。
「あの爺さん、そう言う能力だったのか……」
「私も初めて見るが……正直なところきもちわ、いや恐ろしい能力だ!! 直接対決しなくて良かったよ」
観客席でその様子を見るもののふ達。
目を丸くする須田丸の横でざわつく毛が逆立った肌をさすりつつ茜は応える。
「いやあ、今更思うとウチらあんなのによく勝てたもんやねえ……雲隠さん」
「ああ、そうだな」
確かにあれは火の武神として能力特化した翁殿にしか出来ない戦法であり、良くも悪くもオールラウンド型のタメシヤノミコト様とマーメイドウォーリァーのツミレには絶対に出来ない戦法だ。
探は同系統の力の使い手としてそれを理解しつつも何か違和感のようなものをぬぐい切れないまま展開を見守る。
【第5話に続く】
『ふむ、皆様お揃いのようで……』
ミズノモノ美香の救出とヤミノミヤ攻略のために結成された三勢力連合による個性豊かな連合チーム、闇乃宮討伐隊。
総大将たるタメシヤノミコト様を筆頭に元壇条学院オカルト研究会メンバー、五武神、眷族魔物&式神の累計18人と言う大所帯を前に満足気に領くヤミネコ。
「最大人数で来い言うたのはお前やで。この期に及んで人数制限なんて言わんやろな?」
モーニングスターランスと般若の面。黒タンクトップに半ズボン&ブーツ姿の英里子はヤミネコに切り返す。
『いえいえ、そのような事は申しませぬ。 では皆様こちらへどうぞ……』
ヤミネコが黒鳥居に触るとその枠内に充満した瘴気は黒い渦に変化する。
「皆の者、進むぞ!!」
「みんな、行こう」
何が起こるか分からない謎のマョイガダンジョンに向けて先陣を切る総大将タメシヤノミコト様と副大将ヒノモノ探の歩に続いて16人は鳥居ポータルの中に入っていく。
「ここは……溶鉱炉か?」
ヤミノミヤに入った18人を出迎えたのは真っ赤に溶けた溶鉄で満たされた巨大な溶鉱炉。
製鉄所の映像でよく見る天井から下がったバケツのような機械により溶鉄が絶え間なく流し込まれてプールのようになったそこには大きな円形鉄板が浮かべてあり、それを囲うような配置で観客席が設けられている。
「アノコウネツ、キケンダ!! オレデモオチタラドロドロダゼ!!」
「おいおい、まさかとは思うが……ここでサスケでもやらせようってんじゃないだろうな?」
「サスケって……忍者のアレ?」
シルバーデストロイメンはとにかく須田丸の言う事がわからず首をかしげる戦巫女装東の茜。
「御織院さん、サスケってのは日本で人気のテレビ番組の激むずアスレチックの事で……」
『ごちゃごちゃうるせえぞお!! ゴミ共お!!』
大咆哮と共にタケルの解説を遮り、どこからともなく飛び降りて来て溶鉱炉鉄板上にヒーロー着地した赤たてがみライオンヘッドな筋骨隆々の巨人。
『我が名はアカネコ!! ヤミノミヤ様にお仕えする火獣なりやあ!!』
突如現れた5~6メートルはある巨人は口から豪快な火炎放射と共に自己紹介する。
「あいつは……オレと同じ火使いなのか!?」
「お兄ちゃんのゲームで姫様をさらう悪いカメさんみたいだわ!!」
これまで数度しか戦った事がないレベルの強大な敵を前に恐れおののく雲隠家の双子。
「……うむ、エレメント特性上あやつは私が一騎打ちしたほうが良さそうだ。主様、ここは私が参りましょう」
そう言いつつ白狩衣の上半身を脱ぎだすチノミヤノミコト様。
『待たれよ、武神殿。ここは我らが戦場……こちらのルールに従っていただきましょうぞ』
観客席内の少し離れた場所に座したヤミネコはそれを制止する。
『そうだ!! 今から俺が指名した3人に相手をしてもらう事になる!! さて、俺が殺してえやつは……』
鉄板上に腕を組んで立ちながらニヤニヤしながら一行を見回すアカネコ。
『決めた!! お前とお前とそこのじじい!! 落ちたら俺でも助からねえここに叩きこんでやるから降りて来い!!』
マーメイドウォーリァーのツミレ、タメシヤノミコト様、老武神ヒノミヤノミコトを指名したアカネコは3人に降りてくるように挑発する。
「先生……」
タメシヤノミコト様と五武神ヒノミヤノミコト様はとにかくマーメイドウォーリアーのツミレはこの状況下では明らかに戦力外……雲隠家の双子は幼い頃からお世話になって来た師にかける言葉が見つからない。
「大丈夫よ、心配しないで 『ハイドロフォイル』」
五武神2人に続いて鉄板の橋を滑り降りていくツミレの無事を2人は祈る。
『これより闇乃宮・壱ノ闘戯『火獣アカネコ』 を始める!! 両者とも構えよ!!』
3人が溶鉱炉に降り、橋が撤去されたのを確認したヤミネコは司会進行役として口上を述べる。
『はじめっ!!』
『豪炎ネコパンチ!!』
瞬時に渦巻く豪炎を拳に纏わせたアカネコによるダッシュ突撃先制攻撃。
『マョイガ神技:大蝦墓変化!!』
目にも止まらぬ九字切りでボンッ!!と戦闘形態たる赤大蝦墓に変化した翁は大きな口を開け、その拳をバクンと食い止める。
『派手に吹き飛べえ!! 爆散っ!!』
まずは1匹、死因は体内からの衝撃による爆散。そう確信したアカネコであったが……熱爆発を食らってもなお手をパックンチョと咥えたまま無傷でたたずむばかりの大蝦墓。
「ゲゴッ、ゲゴォォ……(お若いの、これが年の甲と言う物じゃ)」
『へっ?』
「ゲゴォォォン!! (次は濃の番じや!!)グワッグワッ!! (『火喰らい大蝦墓!!』)」
『えっ、なっ……ぎゃああああ!! 寒い、寒い!! 俺様の体温があああ!!』
周囲の熱気もろとも敵の体熱を直接吸い取り始めた大蝦墓フォームの老五武神。
体の中から急速に冷えて行く感触と言う熱気の中で凍死しかねない事態にパニックに陥ったアカネコは長い舌を腕に絡めてきて腕から外れない翁を地面に叩きつけ、引きはがそうとするが変身状態で衝撃無効化になっている翁には全く効果が無い。
「あの爺さん、そう言う能力だったのか……」
「私も初めて見るが……正直なところきもちわ、いや恐ろしい能力だ!! 直接対決しなくて良かったよ」
観客席でその様子を見るもののふ達。
目を丸くする須田丸の横でざわつく毛が逆立った肌をさすりつつ茜は応える。
「いやあ、今更思うとウチらあんなのによく勝てたもんやねえ……雲隠さん」
「ああ、そうだな」
確かにあれは火の武神として能力特化した翁殿にしか出来ない戦法であり、良くも悪くもオールラウンド型のタメシヤノミコト様とマーメイドウォーリァーのツミレには絶対に出来ない戦法だ。
探は同系統の力の使い手としてそれを理解しつつも何か違和感のようなものをぬぐい切れないまま展開を見守る。
【第5話に続く】
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる