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第九章:『闇神乃間/総員激突!! 解放と救済の最終決戦!!』
【第77話】
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「そうか、これは我ら五武神のエレメント・プラスね!!」
何かに気づき、上空の雲でスタンバイする仲間に叫ぶタメシヤノミコト様
「カゼノミヤ、貴方この者らをエレメント・プラス強化する事で本来ならば闇の眷属として触る事も叶わぬ浄化の魔力に触れられるようにしたのかしら!?」
「その通りです、主様!! 今の彼らならタケル君のホワイトフレアを中和消滅させる事が出来ます!!
私達もエレメントプラスをここから続けますので総大将殿もエレメントプラスをお願い出来ますか!?」
「火神紋オーバードライブ!! 『エレメントプラス・フアイア!!』」
「水神紋オーバードライブ!! 『エレメントプラス・アクア!!』」
「風神紋オーバードライブ!! 『エレメントプラス・ウィンド!!』」
『式神神技:火与!!』
『神技火与、水与、風与、雷与、地与!!』
『おお、力が増していきますぞ!!』
『サン様、誠にありがとうございます!!』
雲上の面々のみならず氷足場上の5人の強化も受けることで相乗強化されていく五大魔獣は暴発ホワイトフレアを吸い上げて中和消滅させ、滝つぼと化した第六踊り場をみるみるうちに干上がらせていく。
「総大将殿!! 今ならホワイトフレアジェットを使えます、急ぎなさい!!」
『エレメントプラス・ホワイトフレア!! ヒートジェット!!』
瞬時に白炎塊で腕と足に纏わせた探はすぐさま飛び立ち、頭上の時空の割れ目に飛び込む。
(エミは……無事か?)
ふわふわとした軟らかい水の中を漂うような感覚で薄らぐ意識の中、妹の無事を案じる兄・雲隠 武。
(父さんのスマホデータで見せてもらって聖炎を発動させるための論理は分かっていたものの……まさかこんなにドバドバになるなんて、想定出来なかったよ)
闇神ノ間を構成する魔力そのものを全て吸収変換させてしまったなどと予想できるわけもないタケルはぼんやりぼんやりと思考を続ける。
(まあこれだけあれば死巫女ルイも無事では済まないだろうけど……これからどうしよう。
それに体が……ぐにゃぐにゃになっているような? うっ!?)
『苦がああああああ!!』
突如口の中に充満する強烈な苦みのあまり絶叫しながら飛び起きるタケル。
「お兄ちゃん!!」
「タケル!!」
「母さんにエミ!?」
見覚えのある第六踊り場上、黒猫を頭に乗せて泣きながら抱き着いてくる妹と青ビキニ&シースルーパレオ半裸な美香母さん。
「むふふふふ、タケル君も罪な坊ちゃんやね!! その年で美魔女お母様といも……ぎゃべじ!!」
「姉ちゃん!?」
ニマニマ笑う英里子おばさんの腰を一瞬で掴み、華麗なスープレックスを決めて黙らせる茜おばさん&心配そうに自分を見守る闇乃宮メンバー達とタメシヤノミコト様とその全ての郎党達。
これは幻覚の続きか現実か……理解できないタケルは思わず自分の頬をつねる。
「痛いと言う事は……現実?」
「ああ、そうだよタケル。これはまごう事無き現実だよ。
そして 闇乃宮との戦いはタメシヤノミコト様と我々の勝利で終わったんだ」
「そうなのか、父さん!? じゃあ……死巫女ルイがそこにいるのはそういう事なのか?」
タケルは死巫女ルイとその眷属魔獣達の方を見やる。
「うむ、その通りだ雲隠の御子息殿。
わらわの閉鎖空間内で暴発し、闇乃宮そのものの魔力を吸収変換し始めたそなたの聖炎に呑み込まれたわらわは四災を中断し、浸蝕して来る魔力に対抗すべく最後の一片となっていた『七魂(セブンスソウル)』 を取り込もうとしたのじゃ」
「火紋が暴走……? あれっ?」
「そうじゃ。だが、それを引き起こしたそなた自身も仮初めの肉体はおろか核となる魂までも消滅しかけているのに気づいたわらわは何を思ったのかそれを半分に割り、そなたの口に無理やり含ませる事でどうにか原型を維持出来るようにしたのじゃ。
そして意識の無いそなたを引いて出口を探しておったところをお父上殿に助けられ、五大魔獣もろともサン達に敗北を認めたのじゃ」
「そうだったのか、エミを助けるためとは言え……ごめんなさい」
満身創痍のタケルが立ち上がろうとしたその時、お腹がグウウウウウと鳴る。
「雲隠、タケル君もお疲れのようやし……迷処駅前のロイヤルガスト行かへん?
ウチも頑張りすぎて腹減ってもうたわ、ホンマにギガントパフエ10杯ぐらい行けるで」
「ギガントサイズを10杯も!?」
家族でロイヤルガスト外食の際、デザートにパフェを頼んでも子供だからとミニサイズしか許されていないエミは思わず台詞を被せてしまう。
「そうだな、私達もくたびれたし 久しぶりにあのロイヤルガストに行くとしようか。
支払いは私のブラックカードで持つから安心しろ。
ただし……呉井のギガントパフェは1杯までだ。残りは自腹で出せ」
「それでええよ、デカボ院。ウチだって稼いどるんやから大丈夫や。
ヤミノミヤさんとネコさんらも疲れとるやろ?
今回の事後処理は明日にして今日はうまいもん食って和解の宴としゃれこもうやないの」
タメシヤノミコト様が作り出した光の鳥居ゲートを指さしつつ英里子は歯を見せて笑う。
「ルイ、もう私と貴女で争う理由は無いわ……共に行きましょう」
和解の宴の申し出に対し、戸惑うルイに手を差し出すタメシヤノミコト様。
「……ありがとう、サン。ご相伴させていただくわ」
恐る恐るながらもその手を取る死巫女ルイ。
奇跡の巫女として相容れぬ運命と幾星霜にも及ぶ涙怨から解放された2人の少女神は数百年ぶりに友として互いの手を取り合う。
【最終話・EPILOGUEに続く】
何かに気づき、上空の雲でスタンバイする仲間に叫ぶタメシヤノミコト様
「カゼノミヤ、貴方この者らをエレメント・プラス強化する事で本来ならば闇の眷属として触る事も叶わぬ浄化の魔力に触れられるようにしたのかしら!?」
「その通りです、主様!! 今の彼らならタケル君のホワイトフレアを中和消滅させる事が出来ます!!
私達もエレメントプラスをここから続けますので総大将殿もエレメントプラスをお願い出来ますか!?」
「火神紋オーバードライブ!! 『エレメントプラス・フアイア!!』」
「水神紋オーバードライブ!! 『エレメントプラス・アクア!!』」
「風神紋オーバードライブ!! 『エレメントプラス・ウィンド!!』」
『式神神技:火与!!』
『神技火与、水与、風与、雷与、地与!!』
『おお、力が増していきますぞ!!』
『サン様、誠にありがとうございます!!』
雲上の面々のみならず氷足場上の5人の強化も受けることで相乗強化されていく五大魔獣は暴発ホワイトフレアを吸い上げて中和消滅させ、滝つぼと化した第六踊り場をみるみるうちに干上がらせていく。
「総大将殿!! 今ならホワイトフレアジェットを使えます、急ぎなさい!!」
『エレメントプラス・ホワイトフレア!! ヒートジェット!!』
瞬時に白炎塊で腕と足に纏わせた探はすぐさま飛び立ち、頭上の時空の割れ目に飛び込む。
(エミは……無事か?)
ふわふわとした軟らかい水の中を漂うような感覚で薄らぐ意識の中、妹の無事を案じる兄・雲隠 武。
(父さんのスマホデータで見せてもらって聖炎を発動させるための論理は分かっていたものの……まさかこんなにドバドバになるなんて、想定出来なかったよ)
闇神ノ間を構成する魔力そのものを全て吸収変換させてしまったなどと予想できるわけもないタケルはぼんやりぼんやりと思考を続ける。
(まあこれだけあれば死巫女ルイも無事では済まないだろうけど……これからどうしよう。
それに体が……ぐにゃぐにゃになっているような? うっ!?)
『苦がああああああ!!』
突如口の中に充満する強烈な苦みのあまり絶叫しながら飛び起きるタケル。
「お兄ちゃん!!」
「タケル!!」
「母さんにエミ!?」
見覚えのある第六踊り場上、黒猫を頭に乗せて泣きながら抱き着いてくる妹と青ビキニ&シースルーパレオ半裸な美香母さん。
「むふふふふ、タケル君も罪な坊ちゃんやね!! その年で美魔女お母様といも……ぎゃべじ!!」
「姉ちゃん!?」
ニマニマ笑う英里子おばさんの腰を一瞬で掴み、華麗なスープレックスを決めて黙らせる茜おばさん&心配そうに自分を見守る闇乃宮メンバー達とタメシヤノミコト様とその全ての郎党達。
これは幻覚の続きか現実か……理解できないタケルは思わず自分の頬をつねる。
「痛いと言う事は……現実?」
「ああ、そうだよタケル。これはまごう事無き現実だよ。
そして 闇乃宮との戦いはタメシヤノミコト様と我々の勝利で終わったんだ」
「そうなのか、父さん!? じゃあ……死巫女ルイがそこにいるのはそういう事なのか?」
タケルは死巫女ルイとその眷属魔獣達の方を見やる。
「うむ、その通りだ雲隠の御子息殿。
わらわの閉鎖空間内で暴発し、闇乃宮そのものの魔力を吸収変換し始めたそなたの聖炎に呑み込まれたわらわは四災を中断し、浸蝕して来る魔力に対抗すべく最後の一片となっていた『七魂(セブンスソウル)』 を取り込もうとしたのじゃ」
「火紋が暴走……? あれっ?」
「そうじゃ。だが、それを引き起こしたそなた自身も仮初めの肉体はおろか核となる魂までも消滅しかけているのに気づいたわらわは何を思ったのかそれを半分に割り、そなたの口に無理やり含ませる事でどうにか原型を維持出来るようにしたのじゃ。
そして意識の無いそなたを引いて出口を探しておったところをお父上殿に助けられ、五大魔獣もろともサン達に敗北を認めたのじゃ」
「そうだったのか、エミを助けるためとは言え……ごめんなさい」
満身創痍のタケルが立ち上がろうとしたその時、お腹がグウウウウウと鳴る。
「雲隠、タケル君もお疲れのようやし……迷処駅前のロイヤルガスト行かへん?
ウチも頑張りすぎて腹減ってもうたわ、ホンマにギガントパフエ10杯ぐらい行けるで」
「ギガントサイズを10杯も!?」
家族でロイヤルガスト外食の際、デザートにパフェを頼んでも子供だからとミニサイズしか許されていないエミは思わず台詞を被せてしまう。
「そうだな、私達もくたびれたし 久しぶりにあのロイヤルガストに行くとしようか。
支払いは私のブラックカードで持つから安心しろ。
ただし……呉井のギガントパフェは1杯までだ。残りは自腹で出せ」
「それでええよ、デカボ院。ウチだって稼いどるんやから大丈夫や。
ヤミノミヤさんとネコさんらも疲れとるやろ?
今回の事後処理は明日にして今日はうまいもん食って和解の宴としゃれこもうやないの」
タメシヤノミコト様が作り出した光の鳥居ゲートを指さしつつ英里子は歯を見せて笑う。
「ルイ、もう私と貴女で争う理由は無いわ……共に行きましょう」
和解の宴の申し出に対し、戸惑うルイに手を差し出すタメシヤノミコト様。
「……ありがとう、サン。ご相伴させていただくわ」
恐る恐るながらもその手を取る死巫女ルイ。
奇跡の巫女として相容れぬ運命と幾星霜にも及ぶ涙怨から解放された2人の少女神は数百年ぶりに友として互いの手を取り合う。
【最終話・EPILOGUEに続く】
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