死神と俺の日常

SIYO

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再構築版!

番外編 悩みキューピッド

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昼下がり、魎斗の部屋に重たい空気が流れていた。
ソファに腰を沈める魎斗、無言でコーヒーを啜る死神、そして――窓際でふてくされているキューピッド。

「おい、キューピッグ。お前さっきから何やってんだ?」
魎斗がやや面倒くさそうに声をかける。

「誰がキューピッドだ!キューピッグだろ!」
「あ、違う!キューピッドだろ!」
一人で訂正して、キューピッドはぷいっと顔を背けながら答えた。
魎斗はポカンとした顔で死神を見る。
「…あいつ、開き直ったぞ」

死神は肩をすくめながら静かにコーヒーを置く。
「そうですね。自分で認めたなら、もう突っ込む必要はないのでは?」

「いやいや、そこ突っ込まないとお前の仕事にならないだろ」

そう言いつつも魎斗はため息をつき、キューピッドに歩み寄る。
「で?今度はなんだ。ウンコでも踏んだのか?」

「違いますよ!…僕、悩んでるんです」

キューピッドの声は妙に小さく、背中はどこか悲しそうに丸まっている。

「悩み?」

「そうだよ!恋愛を成就させる天使なのに、自分は恋愛が成就しないなんて、おかしいでしょ!」

そう叫びながら、キューピッドは振り返って魎斗を指差した。
「君たちはどう思う?こんな僕、かわいそうじゃない?」

魎斗は一瞬考え込むが、すぐに首を振った。
「いや、普通に自業自得だろ」

キューピッドはがっくりと肩を落とす。
「ひどい!冷たい!僕はこんなに一生懸命頑張ってるのに…!」

死神が冷静な声で言葉を挟む。
「キューピッドさん、そもそも恋愛を成就させるのがあなたの仕事ですよね。それをきちんとこなしていますか?」

「そ、それはまあ、多少サボってるけど…」

「ほら、自業自得ですね」
死神はバッサリと切り捨てた。

落ち込んでいるキューピッドをなんとかしようと、魎斗と死神はしぶしぶ作戦会議を開くことにした。
テーブルの上には、なぜか大量のアダルト雑誌と、謎のメモ帳。

「で、何をどうすりゃいいんだよ」
魎斗がメモ帳をペラペラとめくりながら不機嫌そうに言う。

「まずは恋愛の基本を学ぶ必要がありますね」
死神は冷静に雑誌を開きながら言った。

「いや、その雑誌で学ぶのは違うだろ!」
魎斗がツッコミを入れると、死神は軽く笑いながら雑誌を閉じた。

「冗談ですよ」

キューピッドはむくれながら言った。
「僕だって恋愛の基本くらい知ってるもん!問題は…そう、僕のこの外見がいけないんだ!」

「おお、わかってるじゃねぇか」
魎斗は笑いながら頷いた。

「そこを解決する方法を考えようよ!」
キューピッドが勢いよくテーブルを叩く。

「まあ、ダイエットだろうな」
魎斗はぼそっと言うが、キューピッドはすぐさま反論する。

「無理だよ!食べるのが好きなんだから!」

「無理とか言うなよ。そもそもお前、天使だろ?奇跡でも使えよ」

「僕が使える奇跡なんて、弓矢で人を恋愛させるくらいですけど!?」

「じゃあ、その弓矢で自分を射てばいいんじゃねぇか?」

魎斗の提案に一瞬静まり返る室内。
死神は無言でコーヒーを飲みながら頷いた。

「その手があったか!」
キューピッドはガサゴソと背中から弓矢を取り出す。

「おい、本気かよ…」
魎斗が呆れる間もなく、キューピッドは自分の弓矢を引き絞り――

シュンッ!

見事に自分の胸を射抜いた。

「…どう?」
キューピッドが期待に満ちた顔で二人を見るが、何も変わらない。

「変わらねぇじゃねぇか」
魎斗が冷たく突き放す。

「なんで!?弓矢の効果が切れたのかな…」

呆れたように肩をすくめる魎斗と死神。

「まあ、やることはやったし、ラーメンでも食って帰るか」
魎斗が立ち上がると、キューピッドが追いすがる。

「待ってよ!次はもっとちゃんとした作戦を考えようよ!」

「いや、もう無理だろ」

こうして、また一つキューピッドの悩みは解決されないまま日常に戻っていった――。

めでたし、めでたし…。続く!?
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