死神と俺の日常

SIYO

文字の大きさ
44 / 45
再構築版!

ラーメン屋のオカマ

しおりを挟む

ペットショップの帰り、新しくできたラーメン屋「カマ釜ラーメン元祖!!」に立ち寄ることにした。

しかし店に入った瞬間、異様な空気が漂っていることに気づいた。

「カッコイイお兄さん三人、ご案内しま~すぅ♪」

…おいおい、マジか。

魎斗は魁斗をチラッと見るが、至って冷静にメニューを眺めている。一方で魎斗と死神はオロオロするばかりだった。

やがておネェ店員が注文を取りにやってきた。
「ご注文は?お兄さん♪」

魎斗は戸惑いながら「カマ釜醤油ラーメン」を頼み、死神も同じものを注文した。
すると、魁斗が急にダンディな声を出しながら勢いよく言った。
「濃厚カマ釜セクシー味噌ラーメン!」

「お前、何頼んでんだよ…」
魎斗は呆れながら魁斗に小声で問いかける。

魁斗は凛々しい顔を保ったまま、小声で返した。
「兄貴、奴らに舐められたら駄目だ。ここは攻めなきゃ」

「お前は馬鹿か?何が『濃厚カマ釜セクシー味噌ラーメン』だよ。何が入ってるかわかんねぇだろ?」

魁斗はどこか誇らしげに答える。
「恥は一時だよ」

そんなやり取りをしていると、突然、厨房からドスの効いた声が響いてきた。

「ハーイ!どっこいしょっと!愛情注入中!!オラァ!( ^ω^ )」

麺の湯切りに気合を入れるその声に、魎斗も死神も冷や汗を流す。

死神が小声で漏らした。
「ヤバイですよ、このラーメン屋…」

魎斗も小刻みに頷く。
「ま、まあ!ラーメンが美味しけりゃいいんだけどさ」

死神はお冷をガブガブ飲み始め、魁斗は相変わらず凛々しい顔でラーメンを待っている。狛犬だけが店の空気に耐えられないのか、おネェ店員に向かって吠え続けていた。

なんだ?この死刑宣告を待つような雰囲気は…。

「お待たせしましたぁ~!カマ釜醤油ラーメンですぅ♪」

死神はビクッと驚き、魎斗の前にもラーメンが置かれる。そして魁斗が頼んだ「濃厚カマ釜セクシー味噌ラーメン」も着丼した。

「頂きます」
魁斗は凛々しい顔のまま静かに呟いた。

ズルズルズル……。

死神は一口食べた瞬間、目を輝かせながら叫ぶ。
「う、美味すぎる!!」

魁斗は無言で黙々とラーメンをすすっている。魎斗も箸を取り、一口食べようとしたその時――。

ジィーーーー。

…なんだ、この視線は?
ハッと振り返ると、おネェ店員全員がこちらをじっと見つめているではないか。

「ウフフフフ…」

拳を鳴らしながら不敵に微笑む店員たち。その表情から放たれるのは間違いなく殺気。

「早く食わなきゃ殺される…!出汁にされるかもしれん!」
魎斗は急いでラーメンに手をつけた。

10分後。

「ふう~ごちそうさま。美味しかったです」

おネェ店員は満面の笑みで器を片付けながら声をかけてきた。
「美味しかった?私たちの愛情ラーメン♪ウフフ(≧∇≦)」

「はい」「うん」「美味しかったですよ」

狛犬だけがまだ吠え続けている。
「この怪物が!」

おネェ店員の一人がギリッと狛犬を睨みつけた。

「ま、まさかワシが見えとるのか!」

店員は鼻で笑いながら言う。
「鎌子!なに床を睨んでるの?シワが増えるわよ~」

「殺気を感じちゃったのよ~」

狛犬の腰が完全に砕け、震えていた。
魎斗たちは会計を済ませ、ラーメン屋を後にする。

外を少し歩きながら、魁斗がぽつりと呟いた。
「また食べに行こうね、兄貴」

「そうだな。美味しかったしな」

死神も静かに頷く。
「ですね。ただし、次回はもっと覚悟して行きましょう」

めでたし、めでたし。続く!?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

処理中です...