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HOPES CROSS
第四話 正体
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「……なんであなたがここに?!」
ジャレスは不敵に笑うと、ゆっくりと目を細めた。
「なんで正体がバレてるんだ?」
その瞬間、ジャレスの眼が黒く染まり、ホワイトに向かって歩み寄った。
「ガキを寄越せ」
「渡さない!」
ホワイトはイアンをしっかり抱きしめたが、ジャレスは、その力を振り払うようにホワイトの首を掴み上げた。
-光栄に思え。我がゾームの器になることを-
その声がホワイトの脳内に直接響き、彼女は驚愕に目を見開いた。
ゾームはホワイトを放り投げ、見えない力で壁に叩きつけると、泣き叫ぶイアンに手を伸ばした。
しかしその瞬間、激しい光がゾームを包み込んだ。
「なんだ……!?」
ゾームの黒い影が光に押し返される。リックの体からも引き剥がされる。
-この感じは……バカな、ありえない!-
その直後、SIC財団の職員たちが現場に乗り込んできた。
しかし、そこで目にしたのは凄惨な光景だった。生き残ったのは、両腕が黒く変色した赤ん坊――イアン――ただ一人。
イアンは息を引き取ったホワイトの傍らで泣き叫んでいた。
ドルマンがイアンを抱き上げ、その背中を優しく叩きながら宥める。
「辛かったな……もう大丈夫、大丈夫だ」
時は流れ……10年後
イアンの人生は、これから大きく動き出そうとしていた――
ジャレスは不敵に笑うと、ゆっくりと目を細めた。
「なんで正体がバレてるんだ?」
その瞬間、ジャレスの眼が黒く染まり、ホワイトに向かって歩み寄った。
「ガキを寄越せ」
「渡さない!」
ホワイトはイアンをしっかり抱きしめたが、ジャレスは、その力を振り払うようにホワイトの首を掴み上げた。
-光栄に思え。我がゾームの器になることを-
その声がホワイトの脳内に直接響き、彼女は驚愕に目を見開いた。
ゾームはホワイトを放り投げ、見えない力で壁に叩きつけると、泣き叫ぶイアンに手を伸ばした。
しかしその瞬間、激しい光がゾームを包み込んだ。
「なんだ……!?」
ゾームの黒い影が光に押し返される。リックの体からも引き剥がされる。
-この感じは……バカな、ありえない!-
その直後、SIC財団の職員たちが現場に乗り込んできた。
しかし、そこで目にしたのは凄惨な光景だった。生き残ったのは、両腕が黒く変色した赤ん坊――イアン――ただ一人。
イアンは息を引き取ったホワイトの傍らで泣き叫んでいた。
ドルマンがイアンを抱き上げ、その背中を優しく叩きながら宥める。
「辛かったな……もう大丈夫、大丈夫だ」
時は流れ……10年後
イアンの人生は、これから大きく動き出そうとしていた――
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