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「これ、ゼミでやったやつだ」
あの無人島ゼミから6年の月日が経ち16歳になった私は、貴族学園高等部の一年生になりました。
目の前にはピンク色のツインテールをふわふわと揺らしながら廊下を走るご令嬢がいます。駆け足をしていたせいでよろけたご令嬢を、テオフィル様が素早く支えました。
「さすがテオ様!転ぶところだったの。どうもありがとう」
このピンク髪のご令嬢は最近男爵家に引き取られた庶子で、その可愛さと貴族令嬢にはない気安さで高位貴族の方々を次々と虜にしているのです。
「これ、ゼミでやったやつだ」
そう言ってテオフィル様はご令嬢から距離をとりました。
「貴様、俺がいるのがわかっていて走って来たのであろう。それと勝手にテオ様などと呼ばないでいただきたい」
「そんなこと言うなんて、ひどぉ~い!」
とても可愛らしいご令嬢なのですが、あの無人島ゼミだけではなくその後も何度かハニトラ試験をされている無人島ゼミメンバーの男性達は虜にできないようです。相手にもしないハル様を見て、私は密かに胸をなでおろしたのです。
今度の夏休みは6年ぶりに7名でトット島へ行く予定です。結婚して子供が生まれると忙しくなるので、学生のうちに次代で使う無人島の候補を探しておくようにと言われたからです。
その昔、貴族学園の卒業式で婚約破棄を宣言する王子が続出して困った王家は、試しに『愛は無理でも絆なら作れる!吊り橋効果も期待できるかも!無人島サバイバルゼミ~ハニトラ試験を添えて~』という名の無人島サバイバルを強行しました。その無人島ゼミメンバーは無事学園を卒業し、皆で協力して良い国になるように頑張ったそうです。それ以降の我が国の王家は、第一王子の中等部入学前に無人島ゼミを行うのが恒例となったそうです。
「ロミー、カスパルが最近ランチを食べない理由を知っているかい?」
「ダイエットですか?」
「夏休みのトット島旅行を陣紙で行くために小遣いを貯めているそうだ」
カスパル様は育ち盛りにも関わらずランチを節約してまで船に乗りたくないようです。6年前のトット島から帰る際に、船に乗りたがらずにトット島に住むと言い出しただけあります。あの時は黒髪のフーゴ様に無理を言って転移の陣紙を作って貰い、その料金は投資等で自分で稼ぎ3年かけて返済したのでした。
「ロミー、また2人で綺麗な朝日を見たいね。皆には内緒で抜け出そうか」
高等部に入ってからのハル様は今までの無愛想が嘘のように甘くなりました。今までとは逆に私の方が照れてしまって素っ気なくなってしまうのが最近の悩みなのです。
でも今度のトット島への旅行では照れを克服してもっともっとハル様に近づこうと決意しているのです。
目の前にはピンク色のツインテールをふわふわと揺らしながら廊下を走るご令嬢がいます。駆け足をしていたせいでよろけたご令嬢を、テオフィル様が素早く支えました。
「さすがテオ様!転ぶところだったの。どうもありがとう」
このピンク髪のご令嬢は最近男爵家に引き取られた庶子で、その可愛さと貴族令嬢にはない気安さで高位貴族の方々を次々と虜にしているのです。
「これ、ゼミでやったやつだ」
そう言ってテオフィル様はご令嬢から距離をとりました。
「貴様、俺がいるのがわかっていて走って来たのであろう。それと勝手にテオ様などと呼ばないでいただきたい」
「そんなこと言うなんて、ひどぉ~い!」
とても可愛らしいご令嬢なのですが、あの無人島ゼミだけではなくその後も何度かハニトラ試験をされている無人島ゼミメンバーの男性達は虜にできないようです。相手にもしないハル様を見て、私は密かに胸をなでおろしたのです。
今度の夏休みは6年ぶりに7名でトット島へ行く予定です。結婚して子供が生まれると忙しくなるので、学生のうちに次代で使う無人島の候補を探しておくようにと言われたからです。
その昔、貴族学園の卒業式で婚約破棄を宣言する王子が続出して困った王家は、試しに『愛は無理でも絆なら作れる!吊り橋効果も期待できるかも!無人島サバイバルゼミ~ハニトラ試験を添えて~』という名の無人島サバイバルを強行しました。その無人島ゼミメンバーは無事学園を卒業し、皆で協力して良い国になるように頑張ったそうです。それ以降の我が国の王家は、第一王子の中等部入学前に無人島ゼミを行うのが恒例となったそうです。
「ロミー、カスパルが最近ランチを食べない理由を知っているかい?」
「ダイエットですか?」
「夏休みのトット島旅行を陣紙で行くために小遣いを貯めているそうだ」
カスパル様は育ち盛りにも関わらずランチを節約してまで船に乗りたくないようです。6年前のトット島から帰る際に、船に乗りたがらずにトット島に住むと言い出しただけあります。あの時は黒髪のフーゴ様に無理を言って転移の陣紙を作って貰い、その料金は投資等で自分で稼ぎ3年かけて返済したのでした。
「ロミー、また2人で綺麗な朝日を見たいね。皆には内緒で抜け出そうか」
高等部に入ってからのハル様は今までの無愛想が嘘のように甘くなりました。今までとは逆に私の方が照れてしまって素っ気なくなってしまうのが最近の悩みなのです。
でも今度のトット島への旅行では照れを克服してもっともっとハル様に近づこうと決意しているのです。
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面白かったです!
そう来たかーって感じでした。
私もこれゼミでやったやつだ
のとこで笑っちゃいました
すごく好みです!面白かったです!
テオフィルの「これ、ゼミでやったやつだ」の呟き大好きだし、ロコちゃんが無事で何よりです(笑)
素敵な作品をみつけられてラッキーです^^
どうやってハッピーエンドに持っていくのかなとワクワクしてたら、ただの演技だったなんてガッカリしました!
盛り上がって落とされるのって、こういう事なんですね。悲しかったです。