赤いりんごは虫食いりんご 〜りんごが堕ちるのは木のすぐ下〜

くびのほきょう

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15歳

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「マレンゴ!」

抜け穴を通り抜けたラルフはマレンゴへと駆け寄ったが、マレンゴは眉を寄せラルフを睨んでいる。

「あっさり捕まっちゃってごめんな」

肩へ抱えていたオリーブを地面に下ろし、優しい手つきでマレンゴを撫でるラルフ。
マレンゴは怒っているように見せているだけで、本当はラルフを心配していたとオリーブは知っている。
案の定、マレンゴはすぐに柔らかな表情になり、頭をラルフにすり寄せた。

マレンゴに飛び乗ったラルフは、オリーブへと手を差し出す。その姿に、5年前、マレンゴの上から手を差し出してくれた10歳のラルフが重なる……。
オリーブはラルフが差し出してくれた手を掴み、マレンゴの背へと飛び乗った。

ラルフに跨るオリーブの後ろへラルフが跨り手綱を握る。それも5年前の夜と同じだとオリーブが思っているうちに、マレンゴが走り出した。

目指すのは転送ゲート。

ここから1番近い転送ゲートは王都の中心、王城からすぐ近くに位置しているため、ここまで来た道を戻る。

つい2ヶ月前、放課後の学園で二人乗りした横乗りとは違い、今日はラルフに後ろから抱きしめられる乗り方。
10歳の時は同じ背丈だったのに、15歳になったラルフはオリーブを包み込んでしまうほどに成長してしまったようだ。いつの間にか変わってしまっていた体格差に、ラルフはもう立派な男性なのだと意識することが止められない。
ラルフの息遣いが聞こえてくるほどの近い距離。オリーブの心臓が早鐘を打ちはじめたが、なぜかその音は二重に聞こえてくる……。

しばらくして、ラルフとオリーブの心臓の鼓動が重なって二重に聞こえているのだと理解した。

ラルフもオリーブを意識してくれてるのだとふわふわした気分になってしまうが、今はシウコアトルのことが最優先。自分の気持ちについて考えている場合ではないと、オリーブは自らを戒める。

「なぁ、その目は元に戻るんだよな?」

オリーブの耳元で囁くラルフの声がくすぐったい。

「うん。これはパレルモ伯爵家へ忍び込むために魔道具で赤くしただけだよ」

「じゃぁ、もういいんじゃ……」

『ごめんねラルフ。それはまだ付けておいて欲しいんだ。必ず元に戻るから、オリーブ嬢の青い瞳はもう少しだけお預けでお願い』

胸元からドミニクの声が聞こえてきたことに、思わず肩がビクリと跳ねてしまった。ラルフに抱きしめられているような現状を意識するあまり、通話の魔道具が繋がっていることをすっかり忘れてしまっていた。

瞳の色を変える魔道具を着けておくようにと、王太子であるドミニクに頼まれたなら従うしかない。
パレルモ家のタウンハウスへ忍び込む際も、ドミニクは様々な”もしも”や”かもしれない”を想定して柔軟に対応できるようにと作戦を立ててくれた。この瞳の色を変えるブレスレットは、これから向かう先の”もしも”の一つとして使い道が残っているのだろう。

『ラルフ、オリーブ嬢、このまま話を聞いて欲しい。……つい先ほど城へ緊急の連絡が届いた。パレルモ領にシウコアトルが出現し、山の上を旋回しながら炎を吐き、その炎でゴムの木が燃え、辺りは炎と黒煙に包まれているそうだ。パレルモ伯爵を通さずに直接城へ連絡が来たことで差し迫っている状況だと判断され、緊急体制をとることになった。1時間も経たないうちに転送ゲートはパレルモ領へ行く騎士や魔法士たちが優先になるだろう。その前に、なるべく早く転送ゲートへ向かってくれ』

王城へ直接連絡したのはパレルモ伯爵である父の普段の仕事ぶりも影響してるのだろうなと察してしまう。

『父上はオリーブ嬢とホワイト前子爵夫人が人魚並みの力がある歌姫だと隠すことに決めたよ。……だから、騎士団長と魔法師団長の協力は得られない。シウコアトルのことは我々だけで解決し、騎士団長と魔法師団長には王国騎士や魔法士を指揮して、領民たちの救助、避難、復興に専念してもらう。番の雄のことを考えると討伐はできない。オリーブ嬢が歌姫だと知られないように、王国騎士や魔法士たちが現地入りする前にシウコアトルをテイムする。でも、被害を最小に留めることが最優先だからね。彼らの足止めはしないよ』

ここからはスピード勝負なのだと理解し、オリーブは生唾を飲み込む。

『僕と母上の直属騎士は使うことができるけど、僕の騎士たちはヒポトリアの討伐とパレルモ伯爵家の後処理をしている。人手不足は否めない。でも大丈夫。マルティネス公爵家、ゾグラフ辺境伯家、あとフェリクスが動かせる者たちに協力してもらえる。……僕はこれからすぐ、王太子として重鎮たちとの緊急会議に出ないといけない。できるだけ早く帰ってくるつもりだけど、僕の代わりにフレイアがいるから心配はいらないよ』

ドミニクの存在はとても大きい。頼りにしていた分、不在になると聞き不安になってしまう。
だが、ドミニクが信頼しているフレイアがいるのだから、大丈夫。

『オリーブ嬢、ラルフ……武運長久を祈る』

真摯な声色での、王太子からの叱咤激励。戦地へ向かう騎士へとかける言葉だが、確かに、間違いではない。

「全力を尽くします」
「努めてまいります」

ラルフもオリーブも王太子の期待に応えられるよう、騎士として、貴族として、言葉を返した……。

ーーーーー

それからしばらくしてラルフとオリーブは転送ゲートがある施設へと着いた。

門のすぐ近くに立っている黒い外套のフードを深く被った男女の2人組が目に付く。今は初夏。外套は正体を隠すためとしか考えられない。すぐ近くに4人もの護衛騎士を付けている、明らかな要人だ。

その2人組は、マレンゴに乗ったオリーブたちに気付くと、フードを下ろした。
フードの下から現れたのは稲穂のような美しい金髪と派手なピンク色の髪。フレイアとフェリクスだ。

「オリーブ!」

フレイアの呼びかけに、オリーブとラルフはマレンゴから降りて二人に駆け寄った。

フレイアに強く抱きしめられ、なぜか懐かしい甘い香りに包まれホッとする。母の香りによく似ているが、フレイアはオリーブの母と同じ香水を使っているのだろうか。
小声で「無事で良かった」と繰り返すフレイアは、まるで自分のことのようにオリーブのことを心配している。そんな存在の得難さ、貴重さ、ありがたさを、オリーブは前世から知っている。

オリーブは恐れ多いと思いながらもフレイアの体へ腕を回し、その温かな身体を抱きしめ返した。

フレイアは素早くオリーブに怪我がないことを確認し、これからについて話し始めた。もう、堂々とした普段のフレイアへと戻っている。

「ラルフ、これはマレンゴを入れるためのモラレスの実よ。パレルモにマレンゴも連れて行く。契約の仕方や使い方をフェリクスから聞いてちょうだい」

フレイアからモラレスの実を受け取り、切なそうにモラレスの実を見つめているラルフを見たフェリクスは、「少し前まで、俺も、これに入っていたのかぁ……」と黙っているラルフの声真似をしからかっている。
ラルフはフェリクスを睨みつけたものの、相手をしている時間はないとすぐにフェリクスへ使い方を教わリ始めた。

「オリーブにはシウコアトルを入れるためのモラレスの実を渡しておくわ。私とフェリクスも予備を持ってるから安心して。それと、これは拡声の魔道具。イヤリングは前世でいうところのマイク。こっちの球は起動すると宙に浮かんで全方位へのスピーカーになるわ。式典の時に歌姫が使っている魔道具だけど、シウコアトルから少しでも離れたところからテイムできるようにと思って、フェリクスに出力音量を限界まで上げてもらう改造をしてもらってる」

「ありがとうございます」

フレイアから手渡されたのはモラレスの実と、イヤリングと小さな球型の魔道具。すぐにそのイヤリングを耳へ付け、球とモラレスの実は落とさないようにポケットの奥深くへと入れる。マールムの普段着に似せたこのドレスは、スカート部分に深いポケットが複数付いていることがとてもありがたい。

「オリーブは歌声でシウコアトルをテイムして、モラレスの実へ入れてくれるだけで良い。対症療法になってしまうけど仕方ないわ。後のことは、改めて皆で考えましょう。……”入れてくれるだけで良い”なんて言ったけど、それが一番難しいのよね。オリーブだけに頼る形になってごめんなさい。シウコアトルまでの道は私たちが作るし、オリーブの身は必ず守る。オリーブは、本当に、歌うだけで良い』

フレイアが話している横でマレンゴの額に花形の文様が現れ、あっという間にラルフが手に持つモラレスの実へと入って消えてしまった。

「でも、国王陛下は私が歌姫だと隠すことに決めたのでは?」

山の上で大暴れしているシウコアトルを歌ってテイムする。そんな姿をパレルモ領民に隠し通すことなどできるのだろうか。

「今の姿なら堂々と歌って大丈夫。シウコアトルをテイムしにパレルモ領へ来た、黒髪で赤い瞳の美少女。その美少女を、パレルモ伯爵家から除籍された青い瞳のオリーブだと思う人なんているかしら?……誰もが、現パレルモ伯爵令嬢のマールムだと思うはずよ」

「カイル殿下も、ですね……」

マレンゴとの契約が完了したラルフが会話に割り込む。

マールムがテイムを使えなくなった可能性が高い今、カイルは執着の矛先をオリーブへ戻す可能性が高い。オリーブと母が歌姫だということを隠し、シウコアトルのテイムをマールムの功績に偽ることは、カイルへの対策も兼ねているのだろう。

「防音の魔道具を起動してるんだし、後は移動しながら話そう!二人ともこの外套を羽織って。フードを深く被れば顔を隠せる」

フェリクスから揃いの外套を手渡された。ラルフとオリーブは素早く羽織り、皆フードを深くかぶって施設の中へと早足で向かう。

「なるべく早く、怪我なく、シウコアトルに声が届くところまでオリーブちゃんを連れてくのがラルフの役目。ミースター領の転送ゲートから向かうことになるけど、道路はパレルモから避難してくる人たちでごった返しになるし、道が空いてたとしても騎乗だと40分かかる。でもね、ミースターからパレルモに流れる川と、しかも、ミースター家の隠れてない隠し子がここにいるんだよなぁ。川下り用の観光船をすぐに使えるように手配してるから、それなら、パレルモ領の中心まで20分を切れるよ!」

パレルモ領には転送ゲートがなく、一番近い転送ゲートは隣の領地、ミースター領にある。
魔法師団長はミースター侯爵でもあり、そんな魔法師団長の庶子であるフェリクスのおかげで、最短でパレルモ領へと行くことができるようだ。
フェリクスへ感謝すると共に、ドミニクはここまで想定し話し合いの場にフェリクスを呼び寄せたのだろうかと、少しだけ恐怖も感じてしまった。

「パレルモ領に着いてからは騎乗でシウコアトルの近くまで行くしかないわ。風魔法が使えるラルフの剣なら炎と黒煙を吹き飛ばすのにもちょうど良いし、それより何より、2人とも他の騎士に任せるよりもラルフがいいでしょう?」

フレイアの言葉にオリーブも、ラルフも、2人で首を縦に振り頷く。

……ラルフがいい。ラルフとマレンゴとならどこへでも行ける!

「ていうか、僕とオリーブちゃんも立派なお隣さんだったんじゃん。僕が正式にミースター侯爵令息だったらオリーブちゃんの幼馴染は僕だったんじゃない?惜しいことしたなー」

母親を公表せずミースター侯爵家と養子縁組をしていないフェリクスは、正式には平民。その身に流れる血の高貴さと、魔法科1年の首席としてとても微妙な立ち位置にいる。公然の秘密とはいえ、あっけらかんと出自のことを話すフェリクスに対しどう返答していいものか困ってしまう。

「実は私、パレルモ領に行くのは今日が初めてなんです……」

「じゃぁフェリクスと幼馴染になるのは絶対無理だな!それにフェリクスにはもう幼馴染がいるだろ。欲張るなよ!」

「ニコは正確には乳兄弟だから、幼馴染の枠は空いてるんですー」

冗談を言うフェリクスと戯れ合うラルフ。二人の様子に張り詰めた空気がほぐれる。

建物の中へ入るとすぐに騎士が受付へと声をかけた。
転送元と転送先、双方で設定が必要なため準備に時間がかかってしまう転送ゲート。それを見越して王太子の名で先に連絡を入れていた分の時間は短縮されたものの、それでもあと数分の時間が必要らしい。

オリーブたちは案内された待合室の椅子に座り、フレイアとフェリクスの話を聞く。

「陛下たちがオリーブのお母様から聞き出した話を詳しく聞く時間はなかったの。でも、マールムがしていた例のペンダントをオリーブのお母様へ渡してからパレルモ領へ連れて行くようにと、陛下から言われたわ。今、私の兄がペンダントを持って王城へ向かっている。オリーブのお母様は受け取り次第、兄とゾグラフ辺境伯夫人率いる辺境伯家の騎士が守り連れてくることになっているから安心してちょうだい」

”動物並みに勘が鋭い”とラルフが言う、ラルフの母ゾグラフ辺境伯夫人。母に恩があるゾグラフ辺境伯夫人になら安心して母を任せることができる。

ゲームの中では”人魚の涙”と名前が付いていたというペンダント。オリーブたちはペンダントをテイムの魔道具だと予想し、マールムが突然テイムを使えなくなったことはテイムの魔道具が壊れてしまったと判断していた。それなのにわざわざ母へ渡すと戻すということは、壊れてはいないのだろうか。
それに、今、母がしているペンダントは偽物で、ジョナが侍女をしていた時にすり替えられていたということなのだろうか。……分からない。

まだまだ不明なことだらけだが、何か問題があれば陛下やドミニクが先回り対処してくれているはず。今は彼らの言葉を信じて命じられた通りに進むしかない。

「オリーブのお母様も強力なテイムを使える歌姫だそうよ。もしも、暴れているシウコアトルの元へ番いのシウコアトルまで来てしまったら、オリーブ1人で2柱をテイムするのは難しいかもしれない。そのためにオリーブのお母様もパレルモ領へ行ってもらう」

「悪い場合の”もしも”の話ってさ、声に出すと実際になっちゃう気がしない?ニコが言う”死亡フラグ”ってやつでしょ?フレイアちゃんも知ってる?」

”死亡フラグ”とは前世の言葉なのだろうが、白崎真綿の知識には無い言葉だ。

それよりも、いつの間にかフェリクスが”フレイアちゃん”と呼んでいることの方が気になってしまう。フレイアは気にせず受け入れているが、フェリクスがドミニクやアラスターから怒られてしまうのではないかとヒヤヒヤする。

「もしもの話が実現しそうって気持ちはわかるけど、死亡フラグは少し違うわね。物語の中で『この戦いが終わったら、結婚するんだ』ってセリフを言った登場人物は大体死ぬ。これが死亡フラグが立つってこと。今世の物語でも良く見かけるでしょ?」

「僕、本は専門書しか読まないからなー。でも、そらならこの中で1番死亡フラグ立てそうなのはラルフってことか」

「はぁ?誰が死ぬかよ!俺もオリーブも、絶対に、死なない!」

「”結婚する”は否定しないんだ」

本人にそのつもりがあるのかないのか分からないが、フェリクスの軽い会話のおかげで場の空気が明るくなる。フェリクスがいなければ、きっと重苦しい雰囲気のまま、オリーブは恐怖とプレッシャーで押しつぶされてていたかもしれない。

この場にいる誰よりも複雑で、悲惨だったと予想できる出自のフェリクスだが、無理して明るく見せている様子はない。周囲を和ませるこの気質は、魔道具や魔法への造詣の深さだけではない、フェリクスの立派な長所だ。
きっとフェリクスの話にしきりに出てくる”ニコ”の影響が大きいのだろう。ニコラスとは林間学習の1日目で同じ班だったにも関わらず、魔獣の出現に警戒していたせいかあまり打ち解けれなかったことを残念に思う。

「”今世”って、もしかしてフェリクスにも前世の記憶があるのか?」

「違う違う。転生者は僕じゃなくてニコ!」

ラルフは「あのニコラスが……」と意外そうな顔をしている。

「ちなみにニコも転送ゲートに向かってるよー」

驚くオリーブとラルフに対し、フェリクスは笑顔で「間に合うかなー」と言っている。見かねたフレイアが説明してくれた。

「フェリクスとニコラス様は2人直通の通話の魔道具を持ってるのよ。それで、念の為に『赤いりんごは虫食いりんご』を知っているかってニコラス様に聞いたもらったら、『乙女ゲームですよね?』って返事だったの。私たちが知らないゲームの情報をニコラス様が持ってるかもしれないって、ドミニク様はニコラス様も巻き込むことに決めたのよ。元々、フェリクスの乳兄弟として王家と秘密厳守の契約をしているから大丈夫だしって……」

そこへ、転送ゲートの準備が整ったと声がかかった。

「間に合わなかったニコは、オリーブちゃんとラルフのお母様方々と一緒にパレルモ入りしてもらおう。フレイアちゃん、アラスター様によろしく伝えてくれる?」

「わかったわ。ニコラス様を待たずに行きましょう」

オリーブたちは転送ゲートのある部屋へと通された。

密かに恐怖で震えていたオリーブの手を、そっと包むように握られた。驚き顔を向けると、ラルフの金色の瞳と目が合う。

「どうせ、転送ゲートが怖いんだろ?」

パレルモ伯爵家は社交シーズン外でも王都で暮らす家だったとはいえ、嫡子だったオリーブが10歳になってもパレルモ領に行ったことがなかったのは、オリーブが転送ゲートを怖がり嫌がったことが原因なのだ。
幼いオリーブは、転送先にコピーが作られてるだけで転送元の自分は死ぬのかもしれないと怯えてしまったのだ。

その恐怖を乗り越え、初めて転送ゲートを使ったのは母の離婚後、アルバ領へ行った時。それからは、ホワイト領へ行く際など何度も転送ゲートを使っている。
それでも、幼少期の印象のせいか、いまだに転送ゲートが怖いことは変わらない。

転送ゲートに苦手意識があると勘付かれないよう平気なふりをしていたのだが、ラルフにはお見通しだったようだ。

……怖いけど、ラルフがいなくなったことに比べたら、何ともない。

「ラルフがいれば、平気……」

ラルフだけに聞こえるように小声で応えると、オリーブは暖かくて大きなラルフの手をぎゅっと握り返した。

ラルフと手を繋ぎながら転送ゲートをくぐる。瞬きし目を開いた時にはミースター領へと到着していた。
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