史上最恐のモンスターは神でもドラゴンでもないスライムだ

スライム道

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スライムツイストドロー〜目指せ最速のその先へ〜

ツイストドローと言う名の中途半端なエピローグ

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スライムの記憶

「■■■。ここらへんの物は危ないから触るんじゃないぞ。」

スライムの主人の曽祖父の工房に来ていたスライムの主人の少年はキョロキョロしていたところを曽祖父に注意される。

「ひいじいちゃんの仕事はな。ここにある簪《かんざし》を作るのが仕事なんだ。」

父の手には桜と梅の花があしらわれた簪があった。

「ねえひいじいちゃんこれは?」

少年が指差すのはまだ飾りがつけられていない簪であったが妙に鋭く尖っていた。

「そいつはなひいばあちゃん用の簪だ。これは使い方が違うからな。実際に見せてもらおうか。おーい。」

「はいはい、なんだい?おや■■■来ていたのかい。またあの馬鹿息子と孫の婿は■■■をほったからしにして、いくら《スライムの祝福》だったからって実の子をほっとくかねえ。」

「まあその辺にしておけ。■■■にコイツの使い方を見せてやってくれ。」
そう言い飾りのついていない簪を渡す。

「これの使い方を見せるんだったら、ついでにこの2つも見せてやるさね。じゃあ外に行くよ。ついてきなさい。」

そう言い少年とスライムはついていく。

曽祖母についていくと的があった。

「じゃあいくさね。初めは正しい使い方を見せるさね。次にひいばあちゃん独自のやり方をみせるさ。」

そう言い曽祖母は先程の簪を5本ほど持ち持ち振りかぶって投げた。

スパッ!

タタタタタ!!

5本とも命中

「コイツは棒手裏剣と言ってね。簪の代わりにもなるし武器にもなるのさ。次はひいばあちゃん独自の投げ方さ。」

曽祖母は腰よりやや下まで持っていくと何の予備動作も無く投げた。

カン!

「こうやって腰の少し下あたりに置いて投げると歩いている力をそのまま投げる力に変えれるさね。それに見えづらいから不意をつくにはぴったりな技だよ。やってみるかい?」

「うんやる!」

「じゃあ投げるものは■■■の相棒の△△△の小さな分裂体にするさね。その方が軽いし、始めるには危なくなくていいからね。その前にいまからコイツを使って的を当てるさね。良く見ておくんだよ。」

そういい曽祖母は金属のヘンテコな形の棒を取り出した。

「これはね。「」って言うんだ。稀に古代遺跡なんかで見つかるものさ。これはそのレプリカだけどね。文献によれば私の撃ち方は「…………ドロー。」って言うらしい。」

そう言い曽祖母は説明していざよろうとしたとき

パァーン

大きな音が聞こえスライムの記憶はそこで途絶えた。

◆◆◆

「ん、ふわあ。」

ロレンは目を覚ますとアールブとの戦いで放った一撃を思い出していた。

「ツイストドロー?」

自分が口にした言葉に疑問を持ちつつもその技に妙にしっくりくる呼び名であった。ロレンがウンウン唸っているとふと何かにお腹と背中をツンツンとされた。

「ファニと……チェシル?」

ロレンはファニがお腹に張り付いて寝ていたことは察知したのだが、なぜチェシルが後ろにいたのかわからなかった。

「ねえファニ、父さん達は?」

ガチャ

「おっ!ロレン目を覚ましたのか。」

「うん父さんおはよう。」

「もうおはようじゃなくてこんにちはだけどな。」

「えっ!。」

「ああ昨日ロレンがアールブを倒してからずっと寝てたぞ。」

「えーそんなに寝てたの。」

修行や授業などやりたいことがいっぱいあつたのに寝てしまったが心底残念だったのか悔しがっているロレン。

「ああ、成体のスライム…チェシルだったか。そいつがずっとロレンの頭を包み込んでくれてな。夏だしスライムの身体は冷たくて気持ち良かったんだろ。そのまま夜も寝てたぞ。」

ガチャ

「ユウゾウさん。主君は目覚めましたか?」

ロレンの倒したアールブである。

「へ?」

なぜアールブがここにいるのか判らず疑問の声を上げる。

「皆さーん、主君が目覚めましたよー。」

バタバタバタ!!

「「「ロレンッ大丈夫!!」」」

母達が慌てて部屋に入ってきた。

「おいおまえら、ロレンは今目を覚ましたばかりだ。まずは状況説明、おいアールブ。」

父はそう言い顎を振り説明を促す。

「ええ。面倒なので水の精霊と風の精霊の力を使いましょう。[水、生命の起源足る力。風、生命を動かす力。汝らの力を持って生命の軌跡を我が主に」」

ロレンの頭に光を伴った水と風が入ってきた。

ロレンにアールブの知識が入ってくる。

「主君。身体の調子はいかがですか?」

「全然気持ち悪くないけど。お姉さん名前は無いの?」

「ええ、私は未だに真名を持っておらん。精霊の儀、即ち男子の誘拐もしくは主から名付けられない限り名はないままだ。」

「名付け……うーん。」

(謎の声S:はい皆さん注目。ロレン君はファニとチェシルの名付けをするとき何をもとに名前をつけようとしていたことが多かったでしょうか?)

ずっとロレンの手が伸びる。

ベシッ!

ロレンの手が叩かれた。叩いたのはレナである。

「ロレン、後でお姉ちゃんのを触らせていあげるからそいつのは触っちゃダメだよ。というかお姉ちゃんの以外触らないで!」

(謎の声S:うむ。レナよナイスだ。作者が保護者の方々に通報されずに済んだ。)

「じゃあ名前どうやって決めればいい?」

「ブヨブヨ。コレは私達を危険に晒したからそれで十分。」

「む、姉君よ。いくらなんでもそれは酷いのでは?私は別に髪の毛の1本に至るまで主のものであるからしてどこを触れられようと構わ無いのですが。」

「ダメです。ロレンにはまだ早いわよアールブ。(まだ性教育は早いだろうが!てめえそれで我が子が変なことしたらどう責任とってくれてんだよ。)」

母と般若は少々威圧感を出しながら注意する。

「母君がそういうのであれば仕方ありませんね。では状況を説明する整理しますと主、ロレンは私にそこの相棒であるスライム、ファニと打倒し己が力で撃退したことで精霊の契約にて仕えることになりました。」

さらっと母の背後にいた奴を流すアールブ。中々の胆力だ。

「うん。けどお姉さんはそれでいいの?」

「ええ構いません。そもそもそういった主を見つけるのが我々精霊人の目的とも言えます。それに私達精霊人は少なくとも500年は生きますのでご安心を。」

「そっか。」

「そういえばロレン。お前今十の氣を破れるかやってみてくれないか?」

「ちょっとあなたロレンは病み上がりなのよ。そんな訓練なんて無茶させないで。」

「いやいや、訓練じゃなくて確認だぞアンネ。」

父は訓練のためではなく、ロレンがどれだけ成長しているのか確認したいだけと話す。

「それでも今じゃなくてもいいと思うわ。」

「アンネの言い分は解るが氣を習得できていた場合、ある程度コントロールすれば体力が回復しやすくなるから言ったんだ。治りは早い方がいいだろ。」

「そうだけどそんなことできるの?」

「ああスフィンクスに聞いても同じ答えが返ってくると思うぜ。」

「そう。でも悪化しそうになったらすぐにやめさせてね。」

「あいよ。ほれ、ロレン十だ。」

「みゃあ。」

父が十をどこからか取り出しロレンの膝の上に乗せる。

ロレンは以前は感じることのできなかった妙な流れを感じた。その流れとは五感とは違い勘に近いようななんとなくのようで根拠はないだが知覚することのできるものだった。

ロレンはその流れに沿ってなんとなく十の右前足の付け根を触ってみた。

「できたかな?」

「ふむ。じゃあ水をかけるぞ。」

父はロレンが起きたときのために置いてあった湯冷ましを十にかける。

「ふんにゃあああ!!!」

十はビックリして身体を跳ね上がらせた。

「完璧だな。経穴から直接氣を流す分には問題ないな。じゃあロレン、親指の付け根から似たようなことやってみろ。っておい十。俺の顔を引っ掻くな!」

「フシャァァァ!!」

「うおおおおやめろ!」

十は殺気ビンビンに父の顔というか髪の生え際を狙って引っ掻いている。その証拠に何本か髪が落ちている。

ロレンそんな父達の光景を尻目に言われた通りに氣を送ってみる。

するとロレンの中で様々な感情がほとばしった。

「懐かしいのかな。」

「イテテ…ん、どうかしたかロレン。」 

どことなく氣を操れたことにもっとはしゃぐかと思った父だったがその反応が無く落ち着いていたことを気にかけていた。

「いや父さん今すぐ訓練つけてもっと強くなってそこのアールブ…いやルタ、ルタに勝てたあの技を習得してファニをエンツォのドラゴンスライムズよりも強くて僕自身もエンツォ以上の主人になる!」

ロレンはを喜ばない、何故ならもっと大きく誰もが目指す山《未来》の頂《かっこいい自分》がそこにあるのだから。
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