姉の友達は僕にお姉ちゃんと呼ばせたい~勇者の雑用係は追放されて薬屋始めました~

スライム道

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「助かりますマドレーヌさん。
 姉は言うことを聞いてくれないので。」

ブーブー言うセサミ姉さんをなだめてくれているマドレーヌさんにお礼を言う。
しかし、姉は解るがセサミ姉さんは何故ここに来たのだろうか。
いつもなら騎士団の仕事が忙しすぎて暇を貰えないのに。
王家から僕を薬師として連れてくるように王命でも承ったのだろうか?

「マドレーヌさんたちは何故ここへ?」

「ああ、私は陛下から暇を貰ってな。
 しばらく騎士団の訓練は副団長に任せて私は休暇をするように申されてしまったのだ。
 陛下には休暇中にも騎士団の訓練を付けても構わないかと相談したのだが、断られてしまってな。」

なんとなく他の騎士が泣きついて、陛下も視察した結果休ませた方が良いと結論付けたと思う。
前に会ったときも、俺がいてくれれば訓練をサボれるから行ってくれとか言われたし。
過酷なんだろうね。
肉体は治癒魔法などで強制的に回復することができるし、精神的な意味で過酷なんだと思う。

「それで私がマドレーヌを誘ったの、シーザーがどんな生活送ってるか気に成ってたし、お見合いの話も来ていたしね。」

「お見合い?
 もう貴族籍は除籍したはずだけど?」

「え?」

「私も初耳だが?」

「あれ?
 勇者パーティに入るにあたって他の国々を行く際に貴族籍が邪魔だから除籍、そもそもなかったことにしたはずだけど。」

「あー、確かにそんな契約書を記入してたわね。
 でも勇者パーティを解雇、除籍したから無効じゃない?」

「いや契約書の内容に復権もしないように項目は追加されていたし問題ないはずだよ。」

貴族のしがらみを放棄することを条件に勇者パーティに参加したので、その辺り元日本人として契約書に穴が無いか入念に確認をしてある。
一手一手、抜けが無いように入念なチェックと指摘を繰り返し、永続魔法契約すらも果たしている。

「っていうことはお父さまが、お見合いさせて貴族籍を復活させようって算段なのかしら?」

「まあ、そのためなら私もやぶさかではないな。」

「もしかしてお見合い相手って.......」

「私、マドレーヌが相手だ。」

「もう僕は家と関係ないからごめんなさい。」

「それは私と結婚したくないということかな?」

「うん、姉の友人としか見られない人は異性としてみられないし、かといって家族って言う感じでもないから......」

ましてや姉の友人となんて、将来姉の友人という束縛感が付き纏って結婚したいとは思えない。
それに生涯のパートナーになるかもしれない人を家族とは言え他人に決められるのも嫌だ。
こんなことしてたら行き遅れに成るとは思うけど。
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