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「その理由は死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)が女性限定で募集しているギルドだからです。
 私のスキルが関係していますがそれでは葵さんが私たちに篭絡されたと世間は見るでしょう。」

成るほどと納得は行った。
このまま死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)に所属しても良いが世間様の目は厳しい。
どんな手を使ってでも優秀な人材は逃さない。
もしくは優秀であればそういうことをしても許される、自分も対象になるのではないかと悪意ある輩が現れるのではないかという危惧だ。

「私たちが男性も雇って居ればそうはならなかったでしょう。
 ですが私のスキルの関係上、男性恐怖症に近い状態のメンバーが結果として多くなっています。
 涼奈も貴方に会うまではとても男性が苦手なタイプだったんです。
 でも恋バナに憧れるくらいには男性恐怖症は抑制されてはいます。」
「私は今でも貴方のことが苦手だけどね。」
「椿ちゃんはしょうがないよ。」

初めてあったときよりかは柔らかくはなっているがまだ嫌悪の目がちょくちょく飛んでくる。
苦手なものに対してさらに苦手になる呪いをその身に受ければ対象を広げて男性が嫌いになってしまうのもしょうがない。
死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)の状況は必然的に起った状況でその中に異物を入れるのはリスクがある。
世間様の目と内部分裂に発展しかねない爆弾を抱えるのはメアリーさんも組織としては置きたくはない布石だろう。

「私個人としてはあなたと一緒に居たいのは本心ですので、
 ギルドを設立した折を見て同盟を結ぶ方針にしたいのが現状の私の考える最善の選択肢です。」
「ここ最近はニュースを見るようにはしているから。
 世間様の情勢は把握しつつあるつもりだけど俺みたいな新参者がギルドを建ててしまっていいモノなのか?」

ここ最近の話でとある新人冒険者がギルドの人間と反りが合わずに新ギルドを設立した結果、大手ギルドに睨まれてそのままアドベンチャラーとして営業できないまでにしてしまった事件があった。

もちろんニュースで叩かれたりもしているが最もたる理由もある。
彼は元依頼者などの顧客情報を辿っていたことだ。
それを元のギルドが大下でもあった大手ギルドに泣きつき報復措置を取った。

今回の場合は死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)に半分依頼を流してもらう形になるので良く思わない連中が多くなる。

「そうですね。
 葵さんの考えていることはわかります。」
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