酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~

スライム道

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「ほらそこフック。
 はいリバーブロー、
 ガゼルパンチ、
 デンプシーロール、
 どうした体重がのってないぞ!」
「にゃにゃにゃ。」

にくきゅーパワー全開。
にくきゅーによって生まれた吸着力が火を熾すほどの摩擦を生み足元から炎が迸る。

それを拳に纏い。

撃つ!

「いいぞ!
 休むなもっと踏み込んでくるんだ!」

少し後ろに下がって受け止める。
そこから活路を見出したのかフィニッシュブローとなる最後の一撃を放ちにかかった。

「甘いぞ。」

張り手一発でタネは吹き飛ばされた。

「そこまで。」
「にゃーん(しょんぼり)。」

髭を下にしてしっぽに元気が無かった。

「タネさんはまだまだ発展途上のようですわね。」
「うん、私の黒歴史を使えばもっと強くなれる気がするけど、この子は自分の努力をして強くなりたいって思ってるみたいだし下手に手を加えない方が良いのかな。」
「てっきり涼奈の黒歴史が発動しててボクシングみたいな技を使ってるかと思ったけど違うんだ。」
「うん、椿が察してた通り私も最初は黒歴史が勝手に発動してたのかと思ったのだけど、この子、ほかにも使えるみたいなんだよね。」

メアリーに確認を取るとタネには自分のスキルが一切作用していないにも関わらず独自の技を持っているとのことだった。

「前の飼い主さんの影響が出ていると思いますが今現在育てていた人を調べています。」
「前の飼い主さんってやっぱりボクシングジムとかやってたのかしら。」
「いや、今スパーをした感覚だとムエタイとサバットなのかな。
 それに近い踏み込みをしてた。
 多分サバットよりだとは思うけどネコの細い足を活かすためにバレエの技術とほぼ同じサバットを追加したんだろ。」
「だとすると葵さんはボクシングジムが有力と考えているですか?」

ボクシングをベースにパンチの破壊力とネコの持つ体幹を最大限に生かすため足腰の強化を行いつつ、二足歩行時の4足歩行とはまた別の体感を身に着けさせる。
自分と同じくらいの背丈を戦うことを前提に教え込まれていた。

「それだけじゃないな。
 地面を這うような4足歩行時にも生かせる武術も仕込まれている。
 多分これも人間がやっていた奴だな。
 武術マンガは一通りは見てるから間違いなければ地趟拳ってやつ。
 元々、タネに教えてた人はネコの力を最大限に生かしつつ自分の教えられる全てを継承してもらいたかったんじゃないか。」

一つの格闘技を仕込むと言うのは言葉にしてみれば簡単な言葉かもしれないが慣れた動作を行い続ける人間は幼いころから成長する過程を想像しながら仕込まないとズレの修正に苦労する。
そしてタネはネコだ。
野良にせよ、飼い猫にせよ、本能が彼らの動作を決めている。
それを強引に修正させたのだから教えた人物はそれ相応の教育者と呼べる。

「だからボクシングジムの人で合ってはいると思うが俺らの考えている以上に有名な人だったかもしれないし、もっと賭けボクシングとかしてた人かもしれない。
 ラビットパンチとかの危険打を打ちに来るか躊躇ってたところもあったしタネの元飼い主はお年を召した方か賭けボクシングで稼いでた人の線が高いぞ。」
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