酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件～スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする～

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「じゃあ今日は精密検査の日ですのでしっかりと検査されてきてくださいね。」
「ということは……。」
「朝食は抜きです。」

精密検査の日なのを知らずにタネと思いっきりスパーをやっていたのだが……。
朝ごはん抜きだと知っていれば初めから激しい運動をしなかったというのに……。
健康診断とかで朝ごはん抜きだと無茶苦茶疲れるのよ。
前は職場自体に健康診断を行う施設があって毎度行ってはいたけど仕事をしつつも飯抜きで動くのはしんどかった。

「まあまあ、精密検査は５時間ほどで終わりますから、それまでの辛抱です。
　我慢してください。」
「普通にキツイ。」
「ブラック企業時代に比べたらそんなでもないでしょ。」
「椿さん、それはブラック企業を経験していない人に言っていい言葉ではないと思います。
　経験を知らない人に言われてもイラっと来るだけですよ。
　男性が女性の出産の苦しみを知らないように、
　女性も男性の社会の悪意に受けやすい苦しみを知らないんですから、
　互いに知らないことはツッコまないようにしないと、
　言い結婚生活が送れませんよ。」
「け、結婚だなんて。」
「椿ちゃん、正妻は私で良いよね。」

キラリ

メアリーさんを除いて女性陣全員の目が光った。

「正妻の座、もとい結婚式のファーストキスの座は渡す気はありません。」
「わたしは、良いわよ。
　け、結婚式のファーストキスをもらっても。」
「椿ちゃんはその態度ならいらないんですね。」
「だ、だれもいらないとは言ってないわよ。」

言葉のチョイス一つ一つで喧嘩に発展するって小学生までだと思ってました。
あ、高校でもあるっちゃあったか。
俺は火中に居る飛んで火の夏の虫。

俺に一筋のクモの糸を差し伸べる可愛らしい存在がツンツンしてきた。

「タネ？」
「にゃー。」

タネは何やら紅葉を手に持ってパンパンと打つとくじ引きに変化した。

「化学ですね。」
「それ、著作権的に大丈夫ですか？」
「いえ、これはダンジョンエネルギーを用いた分子の再構築を行う化学反応なので化学ですよ。」

ツッコんだら負けと。

「にゃーにゃー。」
「「「ほほう。このくじを使えと。」」」

その隙に俺はメアリーさんに連れられて精密検査に向かった。

「「「よし！」」」

３人でそのくじを引いた時にはくじに外れも当たりも無いことを知り問い詰めようと葵を探したが既に居なくなっていることに怒り立てる女子たちが居たという。

「にゃ！」
「え？」

しかし涼奈一人だけは笑顔に戻ったという。

「私だけ当たりだ。」
「にゃん。」

タネは主君の意と意思を尊重しお手伝いするネコなのである。