酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件～スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする～

95

「おいおい、基本的には謎のライターで通してるのに、ばれたら面白みがないだろ。」
「何が隠れてやってるだい。
　公安委員会からはあんただってバレバレじゃないか。
　それに冒険者ギルドであんたと仕事を一緒にしたことある奴らにもバレてるよ。」
「えー。
　せっかく謎のジャーナリスト現るみたいな噂が飛び回ったのに何でネタ晴らしするんだよ。」
「アンタはほんといつまでたっても男の子だね。」

バカをやる男はどこまで誰かを惹きつける魅力がある。

「あたりめえだ。
　車だって自分の趣味に生きてんだ。
　それにケチはつけさせねえぞ。」
「そーだそーだ。」
「何でみずきも賛成してるんだか。
　それならお父さんがハチロクの方を買ったことを許してやんなさい。
　アンタはフィアットが良かったって言ってたけどお父さんが勝手に飼ってしまったせいで拗ねてただろうに。」
「……それとこれとは別……。」

がくりと項垂れるみずきちゃんのお父さん。
やっぱり車が原因でみずきちゃんが構ってくれないようだ。

「フィアットね。」

俺がそれを口にした瞬間、みずきちゃんはあるセリフを言ってくれるのかと目をキラキラとさせていた。
アニメ第一シリーズから語り継がれる名シーンを幾度となく行われ、誰もが知る名シーンのきっかけになった逃走劇

「……あなたは大変なものを盗んでいきました……。
　それは私の心です……ポッ……。」

みずきちゃん自身が自分で言った。
このセリフを言わせたいがためにフィアットを希望したのだろうか。
みずきちゃんのお父さんはうんうんと、それなら納得だと頷いている。

「まだ駄目だからね。」
「「「ぶーぶー。」」」
「いやみずきちゃんのお父さんもなんで反対してるのさ。」
「いや、ここで反対したらまた嫌われちゃうじゃん。
　男のロマンは大切だけどさ、娘に嫌われるのはやだし。」
「そこは貫いてこそ男のロマンでしょう。」
「けどさ。」

みずきちゃんをちらちら見ているがみずきちゃんは意地でも説得しろと瞳に炎を燃やしている。

「それはあんたに似たね。
　アンタも自分優先で他人を振り回してきたからねその付けが回ったんだよ。
　自分一人で家庭を支えるとか言っていたけど結局私が居ないと危なっかしくてたまったもんじゃないし心配させるし、みずきだって欲しいモノを見つけたから必死に手に入れようと手放さないようにしているんだろう。
　私と結婚する時だって、大企業の御曹司たちに盗られないために学生の身でありながら、既成事実を迫ってまで私を手に入れて、決して手放さないようにしていたじゃないか。」