換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~

スライム道

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ひと悶着あったが授業は滞りなく終わった。
放課後になると俺は教頭先生に呼ばれた。
また応接室に通されると大体察した。

「ごめんね。急に。」
「はあ。」

教頭先生も断るに断れなかったのだろう。
目の前に居るのは加藤さんの父親の浩次と加藤さん本人だからだ。

「いやあ、全く一社会人としてあるまじき行為をして申し訳ない。」

深々と頭を下げる浩次さん。

「こちらとしてはあなたの上司でも取引先でもないので何とも言えませんが……
 学園に居る生徒たちから見れば私が呼び出されたことに対してまたあらぬ噂を立てる材料となったことでしょう。
 病院でお嬢さんにも申し上げましたが私は我が儘を親に頼んで通す時間は終わりだと思うのですが。」
「うん、まさにその通りだがこの学校に入学してきたのは彼女の実力だよ。」

(`・∀・´)エッヘン!!
と加藤さんは威張りだしたのでツッコまないで置いた。

「そうですか。ですがこの呼び出しとは関係ありませんので……。」
「話を逸らしてしまって申し訳ないね。」
「それで本題を御教えいただけますか?」
「ああ、本題なんだが私は複数教育機関を持っているのだがそのうちの一つに君が転入してみてはと思ってね。」
「お断りします。」

即答だった。

「何故だね?」

浩次は不思議に思っていた。
彼の学校生活での不遇な対応は探偵から聞いていた。
なら現状を変えたいと思うのが普通だと思っていた。
例えるならパワハラ、アルハラ、心のない冗談そんな人間が蔓延るブラック企業社員にホワイト企業からヘッドハンティングされたような状況になっているというのに食いつかないことに疑問しか浮かばなかった。

「私は逃げたくないんですよ。」
「逃げたくない…か。それは君の本心かね?」
「ええ、それも本心であります。」
「答えになっていないが道理は通っている。ならこの話は聞かなかったことにしてくれ。」
「お、お父さん!?」

加藤さんは俺がこの話に乗るだろうし、父親である浩次さんも説得してくれると思っていた。
でも浩次さんがあっさり引いたことで驚きを隠せないでいた。

「良いかい、明日香、どんなに思い通りになりそうなものでも思い通りにならない人が居る。
 たとえ何もない砂漠で水を配ったところで受け取る人物にとって飲める水とは限らないんだよ。」
「でも、そんなの…………。」

あまりにも救いようがない。
と言いたかった。
でも本人の目の前で言えるはずもなく。

「今日は身勝手ながら申し訳ないことをした。それにまだ娘の我が儘を聞いてもらったお礼がまだだったね。君が欲しいものが解らないから何をすればいいのかわからないのだけども何か欲しいモノでもあるかい?」
「特にありませんので結構です。」
「そうか。なら時間を無駄にしてしまったのは事実だからそれに対するお礼くらいはさせてもらうよ。」

加藤さんは浩次さんに引っ張られてしぶしぶ帰って行った。

応接室では教頭先生と二人になった。

「では帰宅させていただきたく存じ上げる所存ですがよろしいでしょうか?」
「うん、良いんだけど。少し僕とも話していかない?」
「なんでしょうか教頭先生。」
「今日、大山先生が怒ったんだよね。
 あの人は昔気質、それこそ君たちのお父さんたちが子どもの時代から教員を続けていたんだ。
 あの年になると普通、学年主任とか教頭とか校長先生についていてもおかしくない年齢なんだよ。」

大山先生は確か55歳と言っていた気がする。
もう白髪も結構混じっていて短く刈り込んでいるが年齢を隠せるような外見では無かった。
たしか入学式に参列してくれたじいちゃんもあの年で平の先生とはめずらしいと言っていた。

「いつだって現場を見て仕事をしたいって言ってね。どこからも昇進してくれって言われてるのに全部断っているんだよ。」
「そうなんですか。」
「今日の事件も保護者から早速連絡があったんだけど大山先生自ら保護者のもとに向かって言って説得してくれていたよ。
 誠心誠意丁寧な説明をしていたら保護者からクレームの取りやめのお電話を頂いてね。
 むしろきちんと教育をしてくださってありがとうございますってお言葉を頂いているようで私が上に就くなんてもったいない先生だと思っているよ。」

大山先生はよく言えば熱血教師、悪く言えばとことん貫き通す教師。
でもきちんと新しいことを取り入れる先生でもあってよく若者が見るYouTubeチャンネルとかはなんだと聞いてくる。
それを教えたらチャンネルの人のように面白い授業を展開してくれる。
稀に機械音声を使ったチャンネルのような解説動画を出したりするときもある。

編集は動画撮影の倍以上の時間がかかる重労働なのにきちんと作ったりしているのだからつくづく立派な先生だと思う。

「だからさ、少しは信頼しても良いんじゃないかな。
 刀赤君は特に同年代の友達がいないしこれを機に趣味を共有し合える人を作ってみると面白いかもしれないよ。
 また楽しくなくなるのが怖いのなら無理にやれとは言わないしSNSなんかはやっているんだろう?
 それの延長上だと思えばいいさ。」

まだ心の傷は癒えること望んでいない。
でもまたほんの数ミリだけ前に進める気がした。
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