換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる～

75‐２

ミウスさんが切り刻んでくれた肉をフライパンに入れてを火を通していく。

「これ、食い切るのが俺でも難しいかもしれん。」

肉を焼いた時の方が幾分食べやすくはなる。
それでもこのフライパン越しに伝わる重さは鉛を持っているように重く、
肉が焼ける音というには静かで、
爆発するのではないかという振動が代わりに伝わってきた。

肉汁の弾ける音をその強靭な筋繊維が絡み合い防いでいる。
結果爆発する振動のみが伝わり内部から肉が焼ける。

「火の伝導率が思ったよりも高いな。」

肉の内部に火が伝わるのが凄まじく早い。
それこそ某ハンティングゲームの王道肉焼きが完了するモノの数秒で肉が焼けてしまう。

「これでもう食べていいよ。」

使った時間はほんの数秒。
料理を舐めているとしか思えない速さで肉焼きが終わってしまった。

普通焼き鳥を作るにしても火を入れるだけで数分はかかる。
しかしこの蝙蝠の肉はそれを数秒で済ませてしまった。

「なるほどね。
　そりゃあ冒険者って職業が長続きするしあの姫さんたちもここまで強行軍で来れるわ。」
「ん？」

はむはむと肉を頬ばっているミウスさんは急に独り言を言った俺に対して何を納得したのか理解していない様子だ。

「地球だったらあんなにも頻繁に強行軍を行えないってことを言っただけだよ。
　異世界の生物たちってこんな筋肉をしているやつらが多いの？」
「地球の生物よりも筋肉が固体寄りで弾性が高い柔軟性よりも強靭性取った生物多い。」
「それでこんなにも早く火が通るのか。」
「水分は内側に残して後は魔力で覆っているだから強靭な肉体でも無理矢理動かすだけのエネルギーと摩擦によって得た熱をさらに魔力に変換する仕組みをこの世界の生物の大半は本能的に行っている。」

ミウスさんの知識は中々のモノだ。
この世界の生物についてそこまで調べる必要のない頂点に立つ存在だと言うのに博識で一切の余念がない。

「もしかして地球の神から言われた？」
「ん、管理者から違いについては徹底的に覚えるように言われた。
　一般常識とかもそう。　
　なるべく人のところのに順応しないと私みたいな存在だと世界が病気になるって言ってた。」

原住民は白血球で移民（異世界からの存在X）は病原体みたいなものと表現していたと聞く。
餓鬼などは元々の魂が地球であれば世界の進行方向に影響は出ないとみられる。
しかし元々いなかった外来種には追い出そうとする縄張り意識が働く。

世界は永遠の巨人論と言われるように自分たちは一つの細胞の中に住んでおり自分たちの細胞の中にも同じように住んでいる人々が居るかもしれない。
哲学の理論だ。

異世界と地球って分野は違うけどとてもよくできているな思いながら肉を頬張った。

「うん思ってた通り硬い。」