オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

文字の大きさ
13 / 84

四葉のクローバーの花言葉は「私のモノになって」

しおりを挟む
科夫の家に行った次の日

「おはようございます蒼汰さん科夫さん」
「うんおはよう、昨日はごめんね置いて逝っちゃって」
「大丈夫です。偶々用事が早まったので私が慌ててしまったのも悪いですし」

どこかもじもじさせながら甘夏さんは顔を赤くしていた。
一向に言わないので科夫と疑問符を浮かべていると意を決したように話し始めた。

「それでも約束を破ってしまったのは私なので何かお礼をさせてくれませんか?」
「良いよ気にしないで」
「俺も構わないよ」

別にその場でその日で約束したことだ気にしていたらキリがない。
そう思って科夫と一緒に断ったのだが

「うーんそれなら一緒に遊びに行きませんか?」
「遊びに?」
「それならいいよ。どこに行く?ボウリング?カラオケ?」

科夫はノリノリで遊びに行く計画を立て始めた。
蒼汰はボウリングもカラオケもそこまで行かないためどちらかといえば付き合いで行く感じだった。

「すみません。遊びに行くと言った手前私は東京に来て間も無いのであまり遊びに行くところを存じてないのです」
「それなら蒼汰に案内してもらった方がいいんじゃね」

科夫はニヤニヤしながら俺に話を振ってきた。
1年も一緒に遊んでいれば何を考えているかはなんとなくはわかる。
コイツこの状況を楽しんでやがる。そしておそらくだが約束をバックレる気だ。

「あ、悪い俺ちょっと忙しくなるの忘れてたわ」
「おいおい忙しくなるってなんだよ」
「科夫には話してたろ俺のバイト」

動画実況者であることは学校であるため隠語を用いて話す。
科夫は巧く逃げやがったなという目をしながらならばこれならどうだという行動に出る

「たしかそのバイトって家でできるんだろ。じゃあ蒼汰の家で遊ぶってことで」

き、貴様
ほぼ限りなく詰みに近い王手を掛けられてしまった蒼汰
仕方がないと甘夏さんに眼を向けるが

「蒼汰さんも一人暮らしですしあまり人が多くお邪魔するのも悪い気がしますしまた今度にしませんか?」

な、なんだと究極のジャイアニストと言っても過言ではなかった甘夏さんが一歩退いただと!
科夫もこの反応は予想がだったらしく風邪でも引いたのという目で見ていた。

「あの、甘夏さん失礼だけど精神安定剤とか服用してない?」
「おい科夫それは失礼過ぎるにもほどが無いか」
「いやだって昨日の感じから行ってアレじゃん甘夏さんって独占欲が大きい人っぽかったからさ」

——クスクス

俺と科夫の耳に小さな笑い声が入った。
甘夏さんがクスクスと笑いをこらえきれなくて零れている姿があった。

「蒼汰さんたちには昨日の私はそんなふうに見えていたんですね」
「あ、あの玲菜さん?」
「甘夏でも大丈夫ですよ蒼汰さん。先日までの私がとても子どもに見えていたんだなあと思いましてね」
「本当に急にどうしたの熱とかない?」

明らかに昨日と言動が違いすぎる甘夏さんに思わずおでこに熱が無いかと手で触れる。

「はう」
「あ、甘夏さん変な声出さないで疑われるじゃん。というか凄い熱だよこれ、早く保健室に行こう!」
「おーい華道、それは煩悩熱だから気にせず授業はじめるぞ」

授業間際になったのか忍先生が来ていた。

「先生そりゃあ面白くないですよ」
「根田」

厚みたっぷりの封筒を渡される。

「失礼しました忍様」
「お主も悪をするならばもう少し上手くするように」
「ははあ、お代官様」

何この茶番
ってか今の確実に札束だよね!
賄賂だよね!
んなことしていいのかお代官様!

「先生昨日はごめんなさい、私のせいで今日外したんですよね」

馬鹿なこと考えていると昨日食って掛かっていた海道が謝罪していた。

「わかってくれたならいいの。今日イヤリングをつけてないのは私なりに折り合いがついただけだから気にしなくていいわ」
「はい」

◇◇◇◇

学校が終わってから家に帰り動画の編集作業を行っていたのだが……

ピンポーン!

「ん?」

誰だ?
両親は病院に行っていたときに電話でこちらに来ることは無いと言っていたし後はこの家の住所を知っているのは科夫ぐらいだが俺が動画関係のことをすると言った日には来ないように口止めしていた。

ちなみに住んでいる場所は防音性能がある音楽関係をターゲットにした1Kアパートに住んでいる。
築年数13年と新しいので需要がそこそこあるしお値段もお高めかと思ったら7万と都内の中ではお安めの値段となっている。

「そういえばインターフォンつけてくれたんだっけ」

モニタ付きではないが受け答えができるのは嬉しい機能だった。

「えっと新聞とか勧誘はお断りしますんでじゃ」
「あの、蒼汰さん。私。甘夏です」
「え?」

動画編集で疲れたのだろうか
この家の場所を知らない筈の存在が幻になって見えている。
とりあえず疲れてると判断して眠ろうと布団に向かおうとしたとき

ピンポンピンポン

「蒼汰さん?今声がしましたよね!倒れてたりしませんか?とりあえず中に入りますよ!」

気が付いたときにはもう遅い玄関が開かれた。

「蒼汰さん大丈夫……きゃ♪」

おいそこなんで嬉しそうなんだよ。やっぱ今朝のアレは演技なのか!
しかも目を隠さずがっつり見てるし

「甘夏さんはどうしてここに?」

俺は上着を着ながら何故ここにいるのかを問いかけた。
甘夏さんはとても残念そうな顔を一瞬していたがすぐに切り替わっていたため蒼汰には幻にしか見えなかった。

「あの根田君から蒼汰君の家に来てもいいって聞いたんだけど」
「科夫は?」
「なんか突然親に呼び出されたとかで……」

野郎——…図りやがった!

「うん、なんとなくわかった。科夫が大丈夫だと思っていったならいいよ。とりあえず家に上がって」
「もしかしてダメでした?なら私も帰りますよ」
「いいよもうほとんど仕事終わってるしね」

幸い動画編集はキリの良いところまで終わっている。
このペースで行けばあと1時間ほどで終わる感じだ。

「じゃあ上がらせてもらいますね」

靴を脱ぎ入ってくる甘夏さん
俺の部屋はお世辞にも綺麗とは言えない。
キャラクターグッズなどは綺麗に陳列してあるのだがパソコン関係の配線などが剥き出しでまとめてすらいない。

「ここが蒼汰さんの部屋ですか」
「汚いでしょう好きなところでくつろいでて今飲み物淹れてくるから緑茶とコーヒーどっちがいい?」
「じゃあコーヒーをお願いします」

俺は粉を取り出しゆっくりとコーヒーを淹れ始める。

「随分本格的なんですね。蒼汰さんの趣味なんですか?」
「うーん俺はエナジードリンクが苦手だからコーヒーを飲んでるんだけど苦いコーヒーが苦手でさ。酸味のあるコーヒーってあんまり売ってないから自分で作るしかなかったんだ」
「苦い食べ物が好きではないんですか?」
「ちょっと違うかなコーヒーだけって感じ」

不思議と苦いコーヒーだけは嫌いだった。
ピーマンもゴーヤも食べれるのだがどうしても苦いコーヒーだけは口が受け付けなかったのだ。

「コーヒーの苦みは独特ですしね。それと気になっていたんですがベランダの花壇に植えてあるのはクローバーですよね。なんで庭にクローバーを植えてるんですか?」
「アレは土を作ってる途中なんだ。もう少しで種を植えるから少しでも土をよくしないといけないからね」
「土ですか?」
「そう土、まあ詳しいことは省くけどクローバーを育てておくといい植物を咲かせられる土が育つんだよ」
「そうなんですか」

コーヒーを持っていくと甘夏さんはベットで枕をクッション代わりに持って座っていた。
コーヒーを手渡して俺は床に座った。
きちんと下着はスカートのなかに隠れていて全年齢版使用であることが伺える。

「そういえばお母さんから四葉のクローバーのしおりをもらったことがあるんですけど、その意味はなんですか?」
「うーんクローバーなら「私を思って」「幸運」「約束」「復讐」で四葉になると「私のモノになって」だったかな」
「なんかロマンチックですね」
「うんそうだね」

互いに無言の時間が流れた。

「やっぱり私、我慢するのは性に合いません。蒼汰さん私はあなたのことが好きです」
「うんそれで、僕は誰とも付き合うつもりはないし結婚とかも考えてないよ」
「ええ知ってます。でも蒼汰さんに迷惑を掛けない範囲でアピールさせてください。お願いですこの家に通わせてください!」

甘夏さん、あなたの迷惑ってどこまでのことを言うんですか!

「というかお母さんは蒼汰さんに娘さんにという形で貰ったみたいなのでもう私は蒼汰さんのモノですね!」
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………は?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

処理中です...