オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

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向日葵の花言葉は「あなただけ見つめてる」3

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あれから何とか甘夏さんに自分の言い放った言葉を認識してもらい。
当初の予定よりだいぶ遅れているが秋葉に行くことにした。
休日だけあって人通りも多く混みあっていた。

「そういえば今日はどこに行くんですか?」
「とりあえず最終処分場に行ってそれからは懇意にしてるキャラショップ巡りかな」
「最終処分場?」
「秋葉原最終処分場っていう中古のガジェット(小型電子機器やコンピュータのことを指す用語)を扱ってる店なんだ。他の店と違って殆ど壊れてるようなモノも商品とするから一定の人気はある店だよ」
「gadget?アプリですか?」
「あ、英語だと違うんだね。スマホとかのことだよ」

そんな他愛もない話をしながら秋葉原を進んでいるとピアノの音が聞こえていた。

「ピアノ?」
「ストリートビアノをやってるみたいだね。最近行けなかったから知らなかったけど設置されたんだ」
「へえ日本にもあるんですね」
「まあ関東が主だけどね……行ってみる?」
「はい!」

ストリートピアノからは秋葉原らしくアニソンが流れていた。

「この曲は何ですか?」
「この曲はzyozyoっていうアニメの主題歌の曲みたいだね」

今主流のアニメは魔法科の主題歌を歌っていた人が大ヒットを遂げたキッカケを作ったアニメだがその構成がzyozyoに似ていることからアンチと呼ばれるものも少なからずおり熱狂的な初期からのzyozyoファンほどどうしてもzyozyoが過ぎるから見たくないというオタクも居るほどだった。

「女性が弾いていますね」
「そうだね」

ヘッドフォンをしたボブカットの女性がリズムに乗りながら弾いていた。
髪は翠に染められておりウィッグの可能性も捨てきれないが自分たちより年上に伺えた。
顔の彫りも深いことから海外の人物にも見えた。
曲が終盤にかかりフィニッシュをする。

「凄かったですね」
「うんそうだね」

こちらに向かい一礼すると何故かこちらを凝視した。
するとまた椅子に座りピアノを弾き始めた。こちらを見ながら

「こ、これは安西先生!」
「お、俺バスケがしたいです」

かの有名なスラム〇ンクだの初代エンディングテーマあなただけ見つめてる
それをこちらをずっと見ながら弾いている。
一切手元を見ていないのに完璧に弾いているのは思わず称賛を挙げたくなるほど技術だがそれ以上にこちらを見ていることが気になった。

「あの人、ずっと蒼汰さんの事見てません?」
「そんなことないと思うけど……」
「いいえ、乙女の勘がそう告げています。蒼汰さんのことを見ていると」

甘夏さんもそんなことを言ってしまったためいよいよ自分を見ているのでは無いかと疑わしくなる。
しかし年上でそんな知り合いは居たかと思いながら彼女の演奏を聴き続ける。
曲は1分半のショートバージョンに纏められてフィニッシュしたが続けざまに曲を弾き始めた。

「この曲はなんの曲だろう?」
「少なくともアニソンなどではないぞ」
「つまりは先ほどから凝視成されているあのカップルの男子に伝えたい曲?おおこれぞラブコメ、まさに修羅場」

オタクたちは勝手な妄想が始まるが沸々と湧き合っている人物が居た。

「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

眼が死んでる。
もとい地獄と三途の川を映し込んでいた。
オタクたちが一斉にサーっと広がり空間を作るためよりピアノを弾いている彼女が際立ってこちらを見つめているように見えた。

ピアノを弾き終わるとこちらに向かい歩いてくる。

そして甘夏さんの居る目の前で頬を掴み

「き、きまあああああああああああああああああああああああああああ」

「り、リアル英雄王!」
「これは女性版、むしろ男性がセイバー!」

唐突にキスされた。

「というか蒼汰さんも蒼汰さんですよ。なんでキスを拒まないんですか!」

甘夏さんの話を聞く暇もなく未だキスされ続けていた。
しかも子どもには見せられないキスである。

「いい加減離れなさい!」

甘夏さんが引きはがそうとするが引き離せない。
というか逆に腕を掴まれて痛がっている。
甘夏さんがライオンならばこの女性は鬼か悪魔なのだろうか、人間とは思えない怪力である。
なんとか冷静さが戻ってきたので女性を離そうとすると頭を押さえられさらにキスされた。

「こんの!」

もはやなりふり構ってられないと女性に向かって蹴りを入れた甘夏さん
またも手で受け止めようとする女性だったが今回は甘夏さんに軍配が上がったらしい。
手のひらにあたりそのまま女性は突き飛ばされた。

「く、柔術の師範代をもらった私の防御を貫くとは」
「いやこれいつからバトル漫画になったの?」
「蒼汰さん、私たちは女性は意中の男性を射止めるには獣に成るのですよ」

答えになってねえよ
その場に居た少数がそんなことを思った。

「修羅場ですな」
「修羅場ですな」
「修羅場でござる」
「修羅場ですな、分析班二人の戦闘スタイルは?」
「銀髪の巨乳さんはおそらくバレエ、サバット系ですな。戦闘力は329前後、魔王クラスですな
大して翠髪のひんぬ……ヒィッ!!…ピアニスト様ですがおそらく戦闘スタイルは古武術よりの柔術でございましょう。戦闘力は334前後、主人公と言えるかんじでしょう」

色々混じった解説をするオタクスカウターはピアニストさんに睨まれて怯えていた。

「と、ところであなたは誰なんですか?」
「む、忘れられているとは思わなかった」
「やっぱり俺と会ったことがあるんですね」
「だいぶ昔だけど」

き、気まずい。
相手は覚えていて自分は覚えていない。
その気まずさに話しかけられずにいた。

「ふ、所詮あなたは忘れ去られるような女なんです。今は私が蒼汰さんのパートナーですので」
「へえ、後から来たぽっと出が言うね。私は蒼汰君の最初の女なのに」
「な、まさか蒼汰さんのFirst kiss(ファーストキス)を奪ったのは……」
「そうこの私」

オタクたちは壮絶な女のバトルに盛り上がりを見せていた。

「おおお、この勝負キャッツファイト史上に残る最大の勝負になるだろう」
「俺たちはこの戦いを見届ける」
「それが俺たちオタク戦士が夢見た瞬間なのだから」

流石オタクというべきか名言っぽいこと言って盛り上がってる。
しかし、蒼汰はどうしても聞きたいことがあった。

「あの、すみません。争ってるところ悪いんですが、もしかしてお姉さんは向日葵畑であったことがある人ですよね」
「そうですよ蒼汰さん。やっと気づいてくれましたかあなたが教えてくれた向日葵の花言葉は覚えていますよ」

そうこの女性は先ほどからアピールをしていたのだ。
あなただけ見つめてるの次に弾いた曲、それは……

「向日葵だったんですね。10年ぶりですか、来夢さん」
「ええ、今でも覚えていますよ蒼汰さん向日葵の花言葉は「憧れ」「愛慕」そして「あなただけ見つめてる」ですよ。私はあの時からずっとあなただけを見つめています」

甘夏さん以上に狂気に満ちた告白なのに自然と受け入れたくなる告白だった。
それなのに甘夏さん、玲菜さんのことが頭を過ぎる理由を蒼汰は知らなかった。
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