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ジャックフルーツの花言葉は「豪傑」3
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「今日は朝から部活動をするから僕は早めに出るけど誰か戸締りしてくれる?」
「蒼汰君、昨日言うの忘れてたんだけど私も園芸部に転部することになったから一緒に行ってもいい?」
「あ、蒼汰さん私も園芸部に入部することが決まったのでご教授お願いします」
「あらあら、ほんの二月《ふたつき》くらい前まで花の一輪も育てたことのなかった玲菜が園芸部ね……」
「大丈夫ですお母さん。知識は集めましたから!今はそれを実践する場所が欲しいんです!!」
甘夏さんは技術系っていうよりも言葉巧みに相手を操る営業マンにしてヤリ手社長のイメージが強いから来夢さんほどの覚悟を持っていなさそうに見える自分の心は汚れているのではないかと疑い始める蒼汰。
実家の手伝いですら覚えるのに相当時間かかったし動画の録画、編集、配信のタイミングを自力で1から調べるのには苦労した。
「でも花っていうのは難しいものなのよ。特に秀専学園のお庭は蒼汰さんが管理しているんでしょう。用務員さんに加えて定期的な庭師も雇っているようだけど日々の手入れも行き届いてないとあの庭園は造れないわよ」
花道教室を務める春菊さんにはあの管理の大変さが伝わるらしい。
学園の並木道の枝の切り方一つにとっても支え無しにどのように生えるかを予測しながら切り落とさなくてはならない。
ファーブルの考えるように一切手を加えない大自然そのままの美しさというものもあるがここはあくまで人間の管理が常識の地域、なるべく自然に見えるように若木の段階から予測し切り落とすことが重要なのだ。
「そんなに大変な作業とは知りませんでした」
「蒼汰さんは今はまだ若いから体力もあるし身体つきもそこまでやせ型じゃないから脱いだら凄いんちゃいます」
「そうなんですよお母さん。お風呂場で突撃したときに目に焼き付けたんですけどとっても逞しくて立派な御身体でした!」
「そうですか、昨日殿方のお風呂場に突撃したんですね」
GOGOGOGOGOGOGOGO!!!!!
BATHIBATHIBATHI
GYULINGYULINGYULIN
2代目パクリもするギャグマンガとして堂々(?)の完結を果たし映画ですらパクりを忘れないゴリラ原作者の某漫画を思わせる幻覚が春菊さんの周りに見えた。
実際目をよく凝らせばそんなのものは見えてないとわかるのだが思わず二度見してしまうほどの威光を放っているのは確かだ。
「玲菜、昼は淑女、夜は娼婦でも構いません。ですがあなたの行動はただの痴女です。様子を見るに来夢さんも加担したようですがいくら精の付くものを食べたとはいえ理性で制御できないようではまだまだ青い!……と早く学校に行きなさい」
春菊さんの言葉に対して来夢さんはとてもために成ると思ったのかメモを取っていたが対照的に甘夏さんは納得していない雰囲気を醸し出していた。
春菊さんの豪傑にも見えるアドバイスは来夢さんにはとても役に立ったようだが甘夏さんは依然として押し押しまくるしかできないらしい。
「甘夏さんはバルタザールさんに似たのかな?」
思わずそんなことを呟いてしまうくらいには甘夏さんはバルタザールさんに似ている気がした。
強引に迫るくせに好きな人の言うことは聞いてしまう。
どこか好きな子に好かれたくて空回りしている小学生に見えてしまう。
「まあ夫が言うには私の方が似ている気がすると言いはりますけど恋路に限りましてはあの人血筋に間違いありまへん」
「僕はバルタザールさんや春菊さんの性格を又聞きであまり詳しくは理解していんですけど学校での僕が関わること以外の生活態度は本当に優秀で誰もが羨むような上品さですから基本は春菊さん似なんだと思います」
「そう言っていただけると幸いですが時間押してるでしょう。早くお行きなさい」
「ありがとうございます」
学校カバンを持って家を後にした。
◇◇◇◇
「なんだなんだ坊主今日は世話する花の前に引っ付く華を両手に抱えてるじゃないか」
「おっさん勘弁してくれや」
「まあお前さんには無用の長物かもしれんな。まあだが好かれちまったものはしょうがない。猫にでも懐かれたものだと思うんだな」
「そうですよ。私たちという猫に餌を与えてしまった蒼汰さんが悪いんです!」
「蒼汰君は猫を捨てるなんて可哀想なことしないよね?(うるうる(ಥ_ಥ))」
来夢さんやそれは卑怯ではないかね。
ほら中高年代の方々も……
「いいね今夜は酒の肴に困らねえわ」
「とうとう華道君にも春が来たか」
「浮かれてばかりいないできちんと勉学もするのだぞ」
一人を除いてからかわれること間違いなしだ。
「とにかく今日の朝は水やりとかの方を僕か用務員さんに聞いてやって貰っても良いかな?」
「「はーい」」
二人は返事よく行動を開始した。
「蒼汰君この植物はどのくらい水を上げれば良いの?」
「来夢さん、それはジョウロ半分くらいでお願い」
「うん、そういえば用務員さんの名前聞いてない」
「あー用務員さんは基本的に名前は教えないよ」
「どうして?」
「まずはあんまり関わることが無いのと1月くらいは園芸部を僕みたいにやらないと教えないっていう謎の約束が学園長から結ばれているらしいよ」
「それは当然でしょうね」
「甘夏さん?」
「私は知っていますがおいそれというモノでは無いので黙秘させていただきますが蒼汰さんも名前を調べればわかるかも知れませんよ?」
甘夏さんはウインクして水やりの続きに戻った。
「蒼汰君、昨日言うの忘れてたんだけど私も園芸部に転部することになったから一緒に行ってもいい?」
「あ、蒼汰さん私も園芸部に入部することが決まったのでご教授お願いします」
「あらあら、ほんの二月《ふたつき》くらい前まで花の一輪も育てたことのなかった玲菜が園芸部ね……」
「大丈夫ですお母さん。知識は集めましたから!今はそれを実践する場所が欲しいんです!!」
甘夏さんは技術系っていうよりも言葉巧みに相手を操る営業マンにしてヤリ手社長のイメージが強いから来夢さんほどの覚悟を持っていなさそうに見える自分の心は汚れているのではないかと疑い始める蒼汰。
実家の手伝いですら覚えるのに相当時間かかったし動画の録画、編集、配信のタイミングを自力で1から調べるのには苦労した。
「でも花っていうのは難しいものなのよ。特に秀専学園のお庭は蒼汰さんが管理しているんでしょう。用務員さんに加えて定期的な庭師も雇っているようだけど日々の手入れも行き届いてないとあの庭園は造れないわよ」
花道教室を務める春菊さんにはあの管理の大変さが伝わるらしい。
学園の並木道の枝の切り方一つにとっても支え無しにどのように生えるかを予測しながら切り落とさなくてはならない。
ファーブルの考えるように一切手を加えない大自然そのままの美しさというものもあるがここはあくまで人間の管理が常識の地域、なるべく自然に見えるように若木の段階から予測し切り落とすことが重要なのだ。
「そんなに大変な作業とは知りませんでした」
「蒼汰さんは今はまだ若いから体力もあるし身体つきもそこまでやせ型じゃないから脱いだら凄いんちゃいます」
「そうなんですよお母さん。お風呂場で突撃したときに目に焼き付けたんですけどとっても逞しくて立派な御身体でした!」
「そうですか、昨日殿方のお風呂場に突撃したんですね」
GOGOGOGOGOGOGOGO!!!!!
BATHIBATHIBATHI
GYULINGYULINGYULIN
2代目パクリもするギャグマンガとして堂々(?)の完結を果たし映画ですらパクりを忘れないゴリラ原作者の某漫画を思わせる幻覚が春菊さんの周りに見えた。
実際目をよく凝らせばそんなのものは見えてないとわかるのだが思わず二度見してしまうほどの威光を放っているのは確かだ。
「玲菜、昼は淑女、夜は娼婦でも構いません。ですがあなたの行動はただの痴女です。様子を見るに来夢さんも加担したようですがいくら精の付くものを食べたとはいえ理性で制御できないようではまだまだ青い!……と早く学校に行きなさい」
春菊さんの言葉に対して来夢さんはとてもために成ると思ったのかメモを取っていたが対照的に甘夏さんは納得していない雰囲気を醸し出していた。
春菊さんの豪傑にも見えるアドバイスは来夢さんにはとても役に立ったようだが甘夏さんは依然として押し押しまくるしかできないらしい。
「甘夏さんはバルタザールさんに似たのかな?」
思わずそんなことを呟いてしまうくらいには甘夏さんはバルタザールさんに似ている気がした。
強引に迫るくせに好きな人の言うことは聞いてしまう。
どこか好きな子に好かれたくて空回りしている小学生に見えてしまう。
「まあ夫が言うには私の方が似ている気がすると言いはりますけど恋路に限りましてはあの人血筋に間違いありまへん」
「僕はバルタザールさんや春菊さんの性格を又聞きであまり詳しくは理解していんですけど学校での僕が関わること以外の生活態度は本当に優秀で誰もが羨むような上品さですから基本は春菊さん似なんだと思います」
「そう言っていただけると幸いですが時間押してるでしょう。早くお行きなさい」
「ありがとうございます」
学校カバンを持って家を後にした。
◇◇◇◇
「なんだなんだ坊主今日は世話する花の前に引っ付く華を両手に抱えてるじゃないか」
「おっさん勘弁してくれや」
「まあお前さんには無用の長物かもしれんな。まあだが好かれちまったものはしょうがない。猫にでも懐かれたものだと思うんだな」
「そうですよ。私たちという猫に餌を与えてしまった蒼汰さんが悪いんです!」
「蒼汰君は猫を捨てるなんて可哀想なことしないよね?(うるうる(ಥ_ಥ))」
来夢さんやそれは卑怯ではないかね。
ほら中高年代の方々も……
「いいね今夜は酒の肴に困らねえわ」
「とうとう華道君にも春が来たか」
「浮かれてばかりいないできちんと勉学もするのだぞ」
一人を除いてからかわれること間違いなしだ。
「とにかく今日の朝は水やりとかの方を僕か用務員さんに聞いてやって貰っても良いかな?」
「「はーい」」
二人は返事よく行動を開始した。
「蒼汰君この植物はどのくらい水を上げれば良いの?」
「来夢さん、それはジョウロ半分くらいでお願い」
「うん、そういえば用務員さんの名前聞いてない」
「あー用務員さんは基本的に名前は教えないよ」
「どうして?」
「まずはあんまり関わることが無いのと1月くらいは園芸部を僕みたいにやらないと教えないっていう謎の約束が学園長から結ばれているらしいよ」
「それは当然でしょうね」
「甘夏さん?」
「私は知っていますがおいそれというモノでは無いので黙秘させていただきますが蒼汰さんも名前を調べればわかるかも知れませんよ?」
甘夏さんはウインクして水やりの続きに戻った。
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