オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

文字の大きさ
69 / 84

アサガオの花言葉は「固い絆」1

しおりを挟む
季節は梅雨、6月に成った。
先日のように幾度となく風呂に押し掛けるようなことも無く朝と夕方に来る甘夏さんと来夢さんが来る程度で日常を過ごせている。
今朝も一緒に学校に向かっている・

「ねえねえアサガオ咲いてるかな」
「XXXちゃんのもきっと咲いているよ」

近所の小学生たちが会話をしている。
もうアサガオの開花時期だ。
日本に住んでいた人ならだれもが知っている風物詩だ。
学年が上がるにつれホウセンカ、ヒマワリ、ヘチマとランクアップしていくのも小学生時代の楽しみの一つだった。
まあ3年生当たりにめんどくさくなっていくのも実情なのだが……

「あ、そういえば私の育てているアサガオもそろそろつぼみが開きそうな感じですね」
「えっと秋芽さんって人にあげるんだっけ?」
「はい!」
「会ったことないけどどんな人なんだろう?来夢さんは知ってる?」
「私も蒼汰君と同じで秋芽さんには会ったことないな。夏目さんの言う感じだと秀専学園の生徒会長をしている真面目さんなんだって」
「生徒会長……あの人が秋芽さんなんだ……」

蒼汰は一度生徒会長とは会ったことがある。
園芸部は基本的には事務員と蒼汰のみで成り立っているので土の発注などは部長ではなく蒼汰が行っていた。
そのため部長会議とは別に予算の兼ね合いもあって生徒会に赴くこともあった。

「秋芽さんに会ったことがあるのですか?」
「ちょっと部活絡みでね」
「そういえば園芸部は土の入れ替えとかは用務員に任せているって聞いてたけど私たちが行けない合間に蒼汰君がやってくれているの?」

来夢さんは不定期で音楽部に顔を出していた。
甘夏さんも仕事の都合上行けない日が多く来夢来人ほどではないが放課後の部活に顔を出せていない。

「うん、今はそうなってるね。本来は部員がやるべきなんだけど……みんな手を汚すのを嫌っててさ」
「そうですね初めてアサガオを育ててみましたけど最初はとても大変でした。土の入れ替えもネットを見ながらやっていましたが思うようにうまくいきませんでした」
「土に空気を含ませる必要性があるからスコップでやるにしても大変だからね」

ガーデニングはとても大変だ。
植木鉢一つと言っても重労働、花ごとに土のアルカリ性か酸性かを見極めなければ行けないし選り良い花を咲かせたいのなら肥料や水を入れるタイミングにも気を配らなければいけない。
その分一度趣味にすれば一生続けられる趣味と呼ばれるほど奥が深い趣味である。
道楽とは違い、何から何まで自分で完成させるある種の城を建てるような趣味だったりする。

「それを一人でやっている蒼汰さんは凄いですね」
「ありがとう甘夏さん」
「蒼汰君は将来何に成りたいの?今は動画配信をやってるけどまだまだやりたいことは決まってないよね」
「そうなんだよね。やりたいことがありすぎて定まらないというかそんな感じ、来夢さんは決まってるの?」
「うーん私も悩み中、将来的には蒼汰君のお嫁さんになりたいけど社会人としての経験も積んだ方がいいと思うし音大でも良いんだけど他にもパソコン関係のことも学んでみたいとは思ってる」

中学のときは東京に行ってみたい精神で親を説得して特待生なら良いとの約束を取り付けて貰ってそこからは猛勉強の毎日だった。
その間、動画投稿も欠かすことは無かったから睡眠時間をどんどん削っていく不健康な生活だった。
高校に入ってからも勉強自体は欠かすことなく家事と仕事との両立ができるようになるまでは大変だったが今では成績も安定しているので忍先生からはどこの大学でも受かりそうと言われている。

「甘夏さんは会社の経営かな?」
「一応はその予定ですが日本の大学に行ってみるのも良いですね」
「それは何故?」
「蒼汰さんと一緒の大学は楽しそうなのともう少し日本に対する見聞を深めたいとは思っています。お母さん、母の故郷ですから都会だけで無く母の地元で過ごしてみるのも悪く無いかと思っていますが蒼汰さんは地元での進学は考えていますか?」
「私も聴きたい」

2人ともコレからのことを左右するからかとても真剣な表情で聞いてくる。

「地元には行かないかな……」
「そっか、やっぱり都会の方が便利だから?」
「うーん、都会に住みたいわけでもないんだけどほら地元ってさ学生の自殺率が高い県だったから個人的にはもし結婚をして子どもを作った時に安心してできる場所じゃないから」
「確かに全国調査でも上位常連の県だしお母さんが引っ越した理由もそれだったからね……」

蒼汰の地元はとてもではないが良き教育者、保護者と呼べる人間が居ないような場所でいじめも平気で容認されるような場所だった。
それゆえに自殺率が高いのもうなずけたしいじめの問題もあったため転校した来夢さんの言う重みは違った。

「一先ずは東京か南の方に住んでみたいとは思っているよ」
「南だったらどこが良いですか?ハワイですか?」
「ハワイって…甘夏さんらしいけど……ハワイはちょっと…………」
「良いところですよハワイ」
「玲菜さん、蒼汰君は海外には言ったことが無いからいくら英語がペラペラだからって住み慣れた日本を離れるのは勇気がいると思うんだけどそのあたりはどう思ってるの?」
「ああ、すみませんバルタザールと普通に会話で来ていたのでその点を抜かしてしまいました。うーんそれではどこがいいでしょうか?」
「それは昼休みにね」

蒼汰が指差せばもう学校に着いていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

処理中です...