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ツタンクミン
ツタンクミンの花言葉は「憂鬱と魔物を祓う」5
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「おーい大丈夫か?」
少女の方を見ると震えていた。
「大丈夫そうじゃねえな。でもかなり上等な服を着てるな。」
まあ商人も馬車でこの辺りを通ったとアタリをつけていたし、この感じだと豪商か貴族の娘説が濃厚だな。
「まあいいわとりあえずお前持って下降りるから叫ぶなよ。気が散る。」
少女は言葉を飲み込んだのかガクガク震えながらもコクリと頷いた。
「ほらよっと…………。」
片手で少女を抱えるとぴょんぴょんと木の枝をクッションにしながら手早く降りていく。
「ほれあんちゃん助けてきたぞ。」
「ありがとうございますね。ふむふむこの子はもう少ししたところにある町の領主に見えますね。」
「そういえばこの場所はどこの国の誰の領土になるんだ?」
「あれ?教えませんでしたっけ?」
この行商人は何故か土地のことを聞こうとすると話したがらない。
いつもその話題を振ると別の話に切り替えてくるためなるべく話さないようにはしているがこの少女を助けたからには迫って聞いても違和感が無いので言及しにいく。
「なあこの子はとりあえず近場の街にでも送り届けるんだろ?流石にあんちゃん1人で子ども1人連れてこの近辺を行くのは危険だし俺も行くのが筋ってもんじゃないのか?」
「それは…………そうですが……………………。」
「ならきちんと誠意を見せないといかんだだろうに頼まれたとはいえ助けた命そのくらいの情はある。」
「はいわかりました……。」
少女も何故かブンブン頷いていた。
「このおにいちゃん私のパパが独りで何しに行ってるんだって怒ってた。きっと危ないことしてる人。」
「あんちゃん何したんだ。正直に吐け。」
「何もして無いですよ。この子親父さんとは遠い親戚で私に早く身を固めてくれって言われてるんですよ。」
そらあ童顔ではあるが端正な顔立ちだ。
身を固めろと言われるだろう。
この男装をしている女性なら尚のこと。
「なんかとてつもないことを見透かされてしまった気がするのですが……」
「気にするな。おい嬢ちゃんこのあんちゃんに見える人はな実は女の人なんだ。だから誤ってもおじさんとは言ってしまってはまた嬢ちゃんの親父さんに怒られちまうから気をつけるんだぞ。」
「なに普通に女だって気づいていてしかもバラしているんですか!」
「隠したがっているから隠しただけだけど親戚の子だし大丈夫かなって思って………。」
「親戚にもこの子のおじさん以外にはバラしてなかったのに……。」
この子はどうにも結婚したくない理由があるらしいが転移者である俺からするとボーイッシュな女の子に普通に見えていた。
詰めが甘いというかこの行商人は俺と遭遇した時に男性にはないものを押してつけていたのだ。
「だってお前さん初めて遭遇した時抱きしめてきたやん。」
しまった!とでも言うかのように頭を抱える行商人のあんちゃんこと姉ちゃんは頭を抱えていた。
「ううぅいつまでも男の子の気分で居たいから目黒さんの前では隠していたのに……最初からバレていただなんて…………。」
「まあ儚い子どもの願望に過ぎなかったな。」
「じゃあ目黒さん責任取ってください!」
少女の方を見ると震えていた。
「大丈夫そうじゃねえな。でもかなり上等な服を着てるな。」
まあ商人も馬車でこの辺りを通ったとアタリをつけていたし、この感じだと豪商か貴族の娘説が濃厚だな。
「まあいいわとりあえずお前持って下降りるから叫ぶなよ。気が散る。」
少女は言葉を飲み込んだのかガクガク震えながらもコクリと頷いた。
「ほらよっと…………。」
片手で少女を抱えるとぴょんぴょんと木の枝をクッションにしながら手早く降りていく。
「ほれあんちゃん助けてきたぞ。」
「ありがとうございますね。ふむふむこの子はもう少ししたところにある町の領主に見えますね。」
「そういえばこの場所はどこの国の誰の領土になるんだ?」
「あれ?教えませんでしたっけ?」
この行商人は何故か土地のことを聞こうとすると話したがらない。
いつもその話題を振ると別の話に切り替えてくるためなるべく話さないようにはしているがこの少女を助けたからには迫って聞いても違和感が無いので言及しにいく。
「なあこの子はとりあえず近場の街にでも送り届けるんだろ?流石にあんちゃん1人で子ども1人連れてこの近辺を行くのは危険だし俺も行くのが筋ってもんじゃないのか?」
「それは…………そうですが……………………。」
「ならきちんと誠意を見せないといかんだだろうに頼まれたとはいえ助けた命そのくらいの情はある。」
「はいわかりました……。」
少女も何故かブンブン頷いていた。
「このおにいちゃん私のパパが独りで何しに行ってるんだって怒ってた。きっと危ないことしてる人。」
「あんちゃん何したんだ。正直に吐け。」
「何もして無いですよ。この子親父さんとは遠い親戚で私に早く身を固めてくれって言われてるんですよ。」
そらあ童顔ではあるが端正な顔立ちだ。
身を固めろと言われるだろう。
この男装をしている女性なら尚のこと。
「なんかとてつもないことを見透かされてしまった気がするのですが……」
「気にするな。おい嬢ちゃんこのあんちゃんに見える人はな実は女の人なんだ。だから誤ってもおじさんとは言ってしまってはまた嬢ちゃんの親父さんに怒られちまうから気をつけるんだぞ。」
「なに普通に女だって気づいていてしかもバラしているんですか!」
「隠したがっているから隠しただけだけど親戚の子だし大丈夫かなって思って………。」
「親戚にもこの子のおじさん以外にはバラしてなかったのに……。」
この子はどうにも結婚したくない理由があるらしいが転移者である俺からするとボーイッシュな女の子に普通に見えていた。
詰めが甘いというかこの行商人は俺と遭遇した時に男性にはないものを押してつけていたのだ。
「だってお前さん初めて遭遇した時抱きしめてきたやん。」
しまった!とでも言うかのように頭を抱える行商人のあんちゃんこと姉ちゃんは頭を抱えていた。
「ううぅいつまでも男の子の気分で居たいから目黒さんの前では隠していたのに……最初からバレていただなんて…………。」
「まあ儚い子どもの願望に過ぎなかったな。」
「じゃあ目黒さん責任取ってください!」
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