28 / 90
序章
27
しおりを挟む
「植物系ですら無いとな?」
「ああ、俺も植物系スライムで動く上位種とは戦ったことがある。だがそのどれもが既存のモンスターに似せて進化した種だ。」
冒険者としての経験の長いユウゴはスライム系の例外についての特徴も良く知っていた。
「オラさの見解なんだべが、このスライムはただの上位種に見えるんだべが……」
「なるほどのう。確かにスライムの純粋な上位種ならば一点を除いて辻褄が会うのう。」
「なんで純粋な上位種ならつじつまっていうのが合うの?」
「それは後で教える。」
ユウゴはユートに中途半端に知識を与えることを嫌った。
「そうじゃのう。このスライムの考察はおいおいすれば良いし大体の見当は付いた。早くこのスライムに名前を付けてやらんと。」
「じゃあ緑スラ坊で。」
何故かスラ坊を除くスライムたちがユートをつついてきた。
「名前が気に食わないのかねえ?」
「赤スラ坊と呼ばれていたのも名前だと気づかなかったのじゃな。」
「スラ坊で良くない?」
「儂はこいつが子どもの時から育てていたからそう呼んでいるがユートのスライムにはもっとカッコいい名前を付けてやるとええじゃろ。」
テイマーの中でも名付けが良いものでないとモンスターが離れていくということわざがある。
このことわざの意味はこれからのパートナーとして大切に扱わなければ離れて行ってしまうと言った意味を持っている。
ムニムニとスライムたちはユートを攻撃しているのだが男に需要は無いものを見せられている。
というわけでもなくほのぼのとした光景だ。
かわいらしいデフォルメのスライムのためR18的表現は一切(?)無い。
とは言え一部の愛好家の方々にはご褒美ともいえる映像が見えていた。
「なんか嫁が居たらすんごいヨダレ垂らしてそうな光景に見えるな。」
「おぬしの妻ならありえるのう。」
「そうだべそうだべ。」
「助けてよ。……うわ赤スラ坊ヨダレをつけないでよ。」
赤スラ坊はユートの顔にまたがりベロベロと舐めたくっていく。
どんどん髪や顔にヨダレが纏わりつく。
「ほほう。」
「ふむ。」
「だべ。」
とりあえず3人はユートの助けを無視して行商人のおじさんがそっと本を出した。
「とりあえずこの本の中からよさそうな名前を見つけるべ。」
「懐かしいのう。子どもにつけたい名前100専か、わしも悩んでわが子に着けたもんじゃ。」
「俺は最初から決めてたけどな。」
名付けというのは大層悩む人も居ればすぐに決めてしまう人も居る。
だがその名は一生を刻むかもしれない名。
スライムたちはスラ坊という仮名から相応しき名を求めてユートを説得していった。
「ああ、俺も植物系スライムで動く上位種とは戦ったことがある。だがそのどれもが既存のモンスターに似せて進化した種だ。」
冒険者としての経験の長いユウゴはスライム系の例外についての特徴も良く知っていた。
「オラさの見解なんだべが、このスライムはただの上位種に見えるんだべが……」
「なるほどのう。確かにスライムの純粋な上位種ならば一点を除いて辻褄が会うのう。」
「なんで純粋な上位種ならつじつまっていうのが合うの?」
「それは後で教える。」
ユウゴはユートに中途半端に知識を与えることを嫌った。
「そうじゃのう。このスライムの考察はおいおいすれば良いし大体の見当は付いた。早くこのスライムに名前を付けてやらんと。」
「じゃあ緑スラ坊で。」
何故かスラ坊を除くスライムたちがユートをつついてきた。
「名前が気に食わないのかねえ?」
「赤スラ坊と呼ばれていたのも名前だと気づかなかったのじゃな。」
「スラ坊で良くない?」
「儂はこいつが子どもの時から育てていたからそう呼んでいるがユートのスライムにはもっとカッコいい名前を付けてやるとええじゃろ。」
テイマーの中でも名付けが良いものでないとモンスターが離れていくということわざがある。
このことわざの意味はこれからのパートナーとして大切に扱わなければ離れて行ってしまうと言った意味を持っている。
ムニムニとスライムたちはユートを攻撃しているのだが男に需要は無いものを見せられている。
というわけでもなくほのぼのとした光景だ。
かわいらしいデフォルメのスライムのためR18的表現は一切(?)無い。
とは言え一部の愛好家の方々にはご褒美ともいえる映像が見えていた。
「なんか嫁が居たらすんごいヨダレ垂らしてそうな光景に見えるな。」
「おぬしの妻ならありえるのう。」
「そうだべそうだべ。」
「助けてよ。……うわ赤スラ坊ヨダレをつけないでよ。」
赤スラ坊はユートの顔にまたがりベロベロと舐めたくっていく。
どんどん髪や顔にヨダレが纏わりつく。
「ほほう。」
「ふむ。」
「だべ。」
とりあえず3人はユートの助けを無視して行商人のおじさんがそっと本を出した。
「とりあえずこの本の中からよさそうな名前を見つけるべ。」
「懐かしいのう。子どもにつけたい名前100専か、わしも悩んでわが子に着けたもんじゃ。」
「俺は最初から決めてたけどな。」
名付けというのは大層悩む人も居ればすぐに決めてしまう人も居る。
だがその名は一生を刻むかもしれない名。
スライムたちはスラ坊という仮名から相応しき名を求めてユートを説得していった。
0
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる