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急章
83
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「世界樹は逝ったか。」
世界樹の確かな界からの離脱を認知すると遠い目をした。
「ユート…………。」
彼の遠い目をした顔に惹きつけられて思わず名前を呟いた勇者。
どうしても彼が昔見ていた人物とは変わって見えた。
何年会っていないのもある。
けれども見違えている、という表現よりも人間事変わっているような感覚に囚われてしまう。
「なんだマリアンヌ?」
「あなたユートなの?」
「俺はきちんとユートだぞ。」
違う。
「うんうん、やっぱり違う。あなたユートじゃない。」
「いや何言っているのか解らないんだが?」
「あなたは私が惚れたユートじゃない。私の奥底で叫んでるの。私は確かにあなたに恋をしている。でもそれは私の中に居るもう一つの意思みたいな存在で私が惚れた時のユートとは違う。あなたはもう一人の私が惚れた人なんでしょう!」
恋する乙女に、
恋した人を間違わせることなんて、
出来るわけないじゃない。
燃えるように熱くて
とろけてしまいそうで
彼の傍から離れれば凍てつくように寒い
でも適度な距離感なんて存在しない!
そんな恋をしたのに忘れられるはずがない。
だから私には解らないといけないの!
だって私の中にいるもう一人の私と同じ恋をしているんだから!
「ねえ、あなたはもう一人のあたしの思い人、うんうん、片思いにしょうがなく答えてくれた人なんでしょう!」
「全く、まあ、そうだとも言えるしそうじゃないともいえるかな。ただもう俺は居なくなって元のユートってやつに変わるのさ。ただ今回は俺の我が儘だよ。もう一人のあんた。名をメアリー スミス、俺の幼馴染だった人間を愛しきれなかった一つの目標を見渡すためのな。そっちのあんたは目ざることは無いとだろう。あいつは俺と違って満足して逝ったからな。」
「うん、私もそう思う。だってこんなにも愛って言うものにあふれているんだもん。私がさっきしたばっかりの恋と昔していた愛はこの人のモノだってわかったくらいだもん。」
「そうか、それは良かったのかな。ま、ユートの奴は俺以上に夢を追い求めて誰よりも自分の時間を大切にしている奴だから落とすのにはそれ相応の覚悟が必要だぞ。」
「もちろん!今に決まった話じゃないもの。」
するとユートの中に居る男はとても楽しそうに笑った。
「自分本位な人間だからな。独り占めできると思うなよ。」
「でも私に夢中になれば独り占めさせられるでしょう。だからユートの趣味に成れるくらい魅力的な女性になるのが私の目標でもあって通過点、私はユート共にあるのが最大の目標よ。」
「ならやってみな。あと数秒後に切り替わるユートに告白でもしてみるんだな。」
「そ、それとこれとは関係ないじゃない。」
「おいおい、告白する勇気くらい持ってみろよ。俺の幼馴染は持っていたぞ。」
「ぐぬぬぬ。」
「この俺、ガッツ スミスの幼馴染は最大の強敵だぜ。」
やり切った顔をして彼は静かに目を閉じた。
世界樹の確かな界からの離脱を認知すると遠い目をした。
「ユート…………。」
彼の遠い目をした顔に惹きつけられて思わず名前を呟いた勇者。
どうしても彼が昔見ていた人物とは変わって見えた。
何年会っていないのもある。
けれども見違えている、という表現よりも人間事変わっているような感覚に囚われてしまう。
「なんだマリアンヌ?」
「あなたユートなの?」
「俺はきちんとユートだぞ。」
違う。
「うんうん、やっぱり違う。あなたユートじゃない。」
「いや何言っているのか解らないんだが?」
「あなたは私が惚れたユートじゃない。私の奥底で叫んでるの。私は確かにあなたに恋をしている。でもそれは私の中に居るもう一つの意思みたいな存在で私が惚れた時のユートとは違う。あなたはもう一人の私が惚れた人なんでしょう!」
恋する乙女に、
恋した人を間違わせることなんて、
出来るわけないじゃない。
燃えるように熱くて
とろけてしまいそうで
彼の傍から離れれば凍てつくように寒い
でも適度な距離感なんて存在しない!
そんな恋をしたのに忘れられるはずがない。
だから私には解らないといけないの!
だって私の中にいるもう一人の私と同じ恋をしているんだから!
「ねえ、あなたはもう一人のあたしの思い人、うんうん、片思いにしょうがなく答えてくれた人なんでしょう!」
「全く、まあ、そうだとも言えるしそうじゃないともいえるかな。ただもう俺は居なくなって元のユートってやつに変わるのさ。ただ今回は俺の我が儘だよ。もう一人のあんた。名をメアリー スミス、俺の幼馴染だった人間を愛しきれなかった一つの目標を見渡すためのな。そっちのあんたは目ざることは無いとだろう。あいつは俺と違って満足して逝ったからな。」
「うん、私もそう思う。だってこんなにも愛って言うものにあふれているんだもん。私がさっきしたばっかりの恋と昔していた愛はこの人のモノだってわかったくらいだもん。」
「そうか、それは良かったのかな。ま、ユートの奴は俺以上に夢を追い求めて誰よりも自分の時間を大切にしている奴だから落とすのにはそれ相応の覚悟が必要だぞ。」
「もちろん!今に決まった話じゃないもの。」
するとユートの中に居る男はとても楽しそうに笑った。
「自分本位な人間だからな。独り占めできると思うなよ。」
「でも私に夢中になれば独り占めさせられるでしょう。だからユートの趣味に成れるくらい魅力的な女性になるのが私の目標でもあって通過点、私はユート共にあるのが最大の目標よ。」
「ならやってみな。あと数秒後に切り替わるユートに告白でもしてみるんだな。」
「そ、それとこれとは関係ないじゃない。」
「おいおい、告白する勇気くらい持ってみろよ。俺の幼馴染は持っていたぞ。」
「ぐぬぬぬ。」
「この俺、ガッツ スミスの幼馴染は最大の強敵だぜ。」
やり切った顔をして彼は静かに目を閉じた。
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