重なる世界の物語

えんとま

文字の大きさ
29 / 47
動き出した影

現れた黒幕

しおりを挟む
「グオォ…ガァ…」

アリスとクラインが現れてから、人狼の様子がおかしい。

「グゥゥウウウゥ、GALAAAALAAAAAAALAA!!!!」

人狼が咆哮をあげる。
遠吠えなんて生易しいものではない。殺意のこもった獣らしい怒号とも呼べる叫びだ。

「ダン!どうなっているんですか!シリエの話じゃ背後の呪術師に操られているという話ですが、これじゃまるで狂戦士バーサーカーです!」

状況がこちらに有利になった途端にこれだ。考えられる理由は一つだな。

「クライン、おそらく黒幕の呪術師はこの場を離れて逃げたんだ!自分に不利な状況になったからな」

「まずいぞ、呪術師をここで逃すわけにはいかん。ダンは呪術師を追うんじゃ。継承する魂の宿主マスターソウルホルダーに舞姫もついておる、任せてくれて大丈夫じゃ」

心強い!これならいくらでもやりようはある。

「すまねぇな、お言葉に甘えさせてもらうぜ!クラインと雲仙で一匹、アリスで一匹頼む!」

そう言いながらダンは人狼に銃口を向ける。

「こいつは置き土産だ、受け取れ!」

ガン!ガン!ガン!ガン!

ダンは二匹の人狼に退魔の弾丸をありったけブチ込んだ。
ガチン!と音を立てて銃は弾丸を打ち尽くした。

「これでしばらくは回復力も下がる、ヘマするんじゃねぇぞ!」

そう言っている間にも呪術師はこの場を離れているはずだ。急いで追わなくては。
ダンは手を前にかざす。

「来い!“ウェスパー”!」

ダンの手の印は形を変える。
ダンの使い魔は犬のようだ。

「ウェスパー、ここから離れる匂いを嗅ぎ分けてくれ。そいつを追うぞ!」

ウェスパーは頷くと森の方へ走り出す。
ダンはウェスパーを追って森へ消えていった。



アンデットはというと、もうほとんど動く影はない。リーファが浄化したようだ。

「アンデットどもは駆逐しましたわ!今そちらの援護を…と思ったけどそんなに苦戦してませんね」

回復力が半減した人狼など、猟犬の牙ハウンドファングの敵ではない。

凄まじい手数で人狼を圧倒するアリス、機動力と刀の強力な一撃を武器に攻める雲仙に、雲仙がターゲットにならないよう小刻みに攻めるクライン。

時間はかかるが圧倒的優位だ。
片付いたらダンを追うとしよう。

・・・・・・・・
・・・・・
・・・


「ハァ…ハァ…」

今回の黒幕の呪術師と思われるその人物は、森の開けたところで足を止めた。

すぐにウェスパーに連れられダンが追いつく。
全身黒づくめのフードを深くかぶった、呪術師といった風貌だ。

「なんだよ、もう逃げなくてもいいのか?それとも体力が尽きたか。呪術師ってのはスタミナがあんまりねぇのな」

「ハァ…ふー、そうね。あまり直接的な戦闘スタイルじゃないけれど、今回の件で体力不足が身に染みたわ。体を鍛えてみようかしら」

そう言いながらフードを取る。月夜に照らされたのは赤い髪の女性だった。

「あんたたち、よくもまぁ計画の邪魔をしてくれたものね」

呪術師の女性は恨めしそうにこちらを睨みつける。

だって?今回の殺しに計画性なんてもんがあったのか?」

ただの享楽か私怨によるものだと思っていたダンは、少し驚いた。

計画された殺人だったのか!だがアルパクイルなんて寂れた村で殺しなんかやって一体なんの利があるってんだ?

「うふ、知りたそうな顔ね。いいわ、ここまで追い詰めたご褒美に少しだけ教えてあげる」

敵に情報を与えるなんて何かの罠か?それとも時間稼ぎか…。だがこの事件の真意を聞きたいってのもある。それが例え敵の口から語られるものでも…

「いいぜ、聞かせてもらおうか」

ニヤッと呪術師の女性が不敵な笑みを漏らす。

「あの村人たちはね、のよ」

あのお方…なんだ、黒幕はまた別にいるってのか。

「いったい誰だよ、そのお方ってのは」

「この世全ての悪の始まり、原点にして頂点に座すお方…よ」

「…は?」

せいぜい知名度もない新興宗教の教祖様でも出てくるのかとでも思ったダンは面を食らう。なにせギルヴォルトといえば…

「お前さん、気でも違ったか?そりゃ1万年も前の世界を舞台にしたおとぎ話の存在だろうが。実在するわけねぇだろ」

「くっ、ふふ…あっはははははははは!」

何がおかしかったのだろうか。呪術師は腹を抱えて大笑いしているではないか。やはり気が触れてしまっているのだろうか。

「我らが先人たちがあのお方の存在を隠し続けた結果、こうも何も知らずにのうのうと生きていられるとは!これが笑わずにいられるものですか!」

全くもって話が見えてこないダン。

目の前の呪術師の話では魔王ギルヴォルトは実在し、その事実が隠蔽されてきたようだが…

「そんな平和ボケしたお前たちを再び絶望に落とすため、我ら“アルフェウス”は偉大なる魔王様とともに再びこの世に君臨する!まだ目覚めないあのお方に、人間の魂を捧げるため用意した死体をお前達ときたら…」

あぁ、そういうことか。

"計画の邪魔"という意味についてはすぐに理解するダン。

「あそこの死体を使って生贄にしようとしていた魂はリーファが祈りを捧げたことで生贄にできなくなっちまった。せっかく人狼まで使って準備してたのにザマァねぇな。それで全部アンデットに変えちまったのか」

「あぁまったく忌々しい!お前らがいなかったら今頃あのお方のお役に立てていたというのに!!」

心底イラついているのだろう。目の前の呪術師はまるで鬼のような形相だ。

「さて、ここまで憎たらしいお前にいろいろ教えてやったわけは…もうわかっているでしょう?」

やれやれといった具合に大きなため息を漏らすダン。

「まぁお決まりだよな。確実に俺をブチのめせる確信があるんだろう。死人に口なしってな」

「えぇ、その通りよ!」

呪術師は手に持った杖を高く掲げた。

ᚹᚨᚷᚨᚾᚨᚹᛟ ᛗᛟᛏᛏ ᚱᛖᛗᛁᛉᛁᚾᚷ ᚱᚢ我が名を持って命ずる 我に従え 我にひれ伏せ

地面が大きく揺れるのを感じる。

ᚹᚨᚱᚾᛁᛋᛁᛏᚷᛖ ᚹᚨᚱᛖ ᚾ ᚺᚨᚱᛋᚺ影に生きる魔の物よ 己が主人はここにいる

現れた魔法陣から巨大な魔物が何匹か這い出てきた。
全身岩でできたゴーレム、一つ目の巨大な体を持った鬼のような魔物が4体いる。

「自身を守るためのロックゴーレムが一体、サイクロプスが4体か。二丁ある銃のうち一つは弾を打ち尽くしている…こりゃどうしようもねぇな」

ロックゴーレムの背後へ控えた呪術師は高らかに笑う。

「あら、諦めがいいじゃないの!そう、あなたはここで死んでしまう。あのお方がこの世界を滅ぼす様を見せてあげられなくて残念だわ!」

完全に勝ちを確信しているようだ。

そりゃそうだよな。

ダンは

「マスター、今の俺の話で状況はわかったろ?やつは戦場を逃げてあらかじめ森の中に罠張っておびき出してきたんだ。ここなら人里も遠い。使?」

そう、ダンはすでにシリエと通信をしていたのだ。ダンの専属武器の許可を取るために。

『えぇ、マスターの名の下にあなたの武器の使用を許可するわ。ダン、ぶっ放してあげなさい』

「そうこなくっちゃな!ウェスパー!許可出たぞ、“ジャッジメント”だ!」

その時、ダンの使い魔であるウェスパーがバチバチと光を放ち変形していく。美しい装飾のされた白と黒の2丁の銃になりダンの手に収まった。

呪術師はその異様な光景に後ずさりをする。

「一体どういうこと!?使い魔が武器に…」

「久しぶりだな”ギルティ“、”ジャスティス“、さて」

ダンは2丁の銃の先を目の前の魔物たちに向ける。

「アルパクイルの村人を皆殺しにし、その中の一名は呪いで人狼に姿を変えやがった。テメェのその罪、他の誰でもない俺が捌いてやる。覚悟しろよ!」

・・・・・・・・
・・・・・
・・・


ドゴォッォォオオォオオォォォォォオ!!

大きな地響きとともに、あたりに爆撃音が響き渡った。

その時、人狼を討伐して今まさにダンの元へ向かおうとしていたリーファ、雲仙、クライン、アリスの四人は足を止める。

「あら、わたくしたちが向かう必要はなくなったようですね」

「また随分派手にぶっ放したのう!」

カカカッと笑う雲仙。

「え?いいんですか?敵の攻撃だったかもしれませんよ」

「いえ、いいんですクラインさん。アレはダンの専属武器”ジャッジメント“によるもので間違いないでしょう」

「アレが、専属武器の威力ですか…」

クラインは言葉を失った。シリエの地形を変えるという話、信じていなかったわけではないが、実際に目の当たりにすると改めて驚愕する。


うーん、と伸びをするリーファ

「これで依頼は片付きましたわ!ダンと合流したら荷物をまとめて、こんな所とはおさらばいたしましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...