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動き出した影
闇に蠢めく者達
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「…とまぁこんな感じだ。魔王だのアルフェウスだの俺にはよくわからん」
ここはギルド 猟犬の牙。アルパクイルの村を調査するという依頼を終え、アスクランに戻ってきた一行は、事の顛末をギルドマスターのシリエに報告している所だった。
「…魔王ギルヴォルトとそれを信仰するアルフェウスという組織、なるほどね」
シリエは何やら険しい顔をしている。
「なんじゃ、マスターは何か知っとるんか?」
「えぇ、知っているわ。だけど、私より教えるのが上手い人にお願いしようかしらね」
シリエがそう言って扉に視線を移す。
ほぼ同時に扉をあけて入ってきたのは
キースだった。
「参ったよ、あの森の魔女は知識欲がありすぎて困るね…ってみんな揃って何しているんだい?あ、雲仙久しぶりだね」
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
「へぇ、随分興味深い話じゃないか」
ダンは戻ってきたキースに今一度今回の依頼の話をする。
「あのギルヴォルトの名前をまた聞くことがあるなんてね。それにアルフェウス、まだ活動していたなんてなぁ」
「随分詳しいようですねキース。僕らにも教えてもらえますか」
しびれを切らしたクラインはキースに迫る。
「勿論だよ。それに僕が行っていた用事もここに関係してくるようだしね。みんなには知っていてもらわないと」
そう言ってキースは近くのイスに腰掛ける。
「結論から言おう、魔王ギルヴォルトの登場する“人神戦争”のおとぎ話、あそこで語られる話のほとんどは事実起こっていたことさ」
シリエを除く一同は驚きに目を見開いた。
「おいおい、本気で言ってんのかよ!あの話が事実で、魔王もそれを打ち倒した勇者も実在したってのか?」
「その通りだよ。驚くのも無理はない。一万年以上昔の話だし、それが事実であったことを知る人はごく僅かになってしまっているからね」
一同固まってしまう。キースはリーファに視線を向けた。
「リーファ、ゼノン神話に“持たざる者”って出てくるでしょ」
「…え、えぇ。対神が生み出した知的生命の一種、そして“死”の概念を生み出した張本人ですわ」
「そう、そしてその“持たざる者”こそが魔王ギルヴォルトさ」
!?
もう言葉を発することさえ煩わしくなってきた。それほどに驚きの連発である。キースのその口ぶりから察するに…
「ゼノン神話も…事実だったと…?」
アリスがみんなの思っていることを代弁してくれた。
リーファはゼノン神話が事実であることは知っていたようだが、“持たざる者”が魔王であったことは知らなかった。
みんなが驚く様が面白いのか、キースはニコッと笑う。
「うん、そうだよ」
「ゼノン神話を綴ったのは神との対話すら実現し、この世で初めて神性降臨を体得した伝説の聖職者オズワルドだ。彼は神々の言葉を嘘偽りなく記している。故にあの神話も事実さ」
キースがあまりにもあっさり語る者だから、全員感覚が麻痺してきた。
「のぅキース、人神戦争では魔王は打ち倒されているんじゃが、例の呪術師の口ぶりだと魔王は死んじゃおらんようだったぞ」
「そう、そこなんだ。僕がほとんど事実だと言ったのはね。勇者一行は魔王を打ち滅ぼすに一歩力及ばなかった。だから彼らは封印するという道を選んだ」
そこでキースはぽりぽりと頭をかく。
「ほら、この間さ、僕はクライン君をすごい危ない目に合わせちゃったろ?あの時グリフォンがあんなに生息域を離れていたことが気になってね。個人的に調べに出かけていたんだ」
「それってさっき言っていた森の魔女さん…ドロシーのところに行っていたって話ですか」
アリスはキースが入ってきたときに行っていた言葉が気になっていたようだ。
「そう。彼女ほど森の事情に詳しい人もそういないからね。やはり彼女も、ここ最近の魔物の動きは異常だと思っていたらしい」
「なんでもいろんな魔物が生息域をどんどん人里に近づけているらしい。自分の生活スタイルなんて丸無視してね。まるで誰かに操られてでもいるようだと彼女は表現していたよ」
察しのいいクラインはここまでの話で気がついてしまった。
「まさか、アルフェウスの仕業?今もどこかに封印されている魔王を復活させるため、魔物に人里を襲わせてその魂を捧げているということですか」
なんということだ。今まさに闇に生きる者達は魔王復活に向けて動き出しているというのか!
ギルドの中は静まり返る。クラインの言葉に誰もが最悪のケースを想像してしまった。
「クライン君の仮説は多分あっているが、まだちょっと情報不足だね。僕は今後今の仮説について調べていこうと思っている」
キースは立ち上がり、ギルドのみんなに目を向ける。
「まだ確証はないけど、これからアルフェウスの連中が魔物に人里を襲わせるというなら、自然と高ランクの依頼がギルドから流れてくると思う。来たるべき時のためにも力を備えておきたい。これからみんなにはガンガン依頼をこなしてガンガン強くなってもらうよ!」
うへぇ、と露骨に嫌な顔をするダン。
「さて、さっきも言ったけど僕は調査のために一旦前線を離脱する。シリエ、ドイルとナタリアをアスクランに呼び戻そう。本当に魔王復活の計画が裏で動いているなら、事態はそれほどまでに深刻だよ」
大丈夫よと返事をするシリエ。
「そう思ってね。もう連絡はしてあるわ」
ここはギルド 猟犬の牙。アルパクイルの村を調査するという依頼を終え、アスクランに戻ってきた一行は、事の顛末をギルドマスターのシリエに報告している所だった。
「…魔王ギルヴォルトとそれを信仰するアルフェウスという組織、なるほどね」
シリエは何やら険しい顔をしている。
「なんじゃ、マスターは何か知っとるんか?」
「えぇ、知っているわ。だけど、私より教えるのが上手い人にお願いしようかしらね」
シリエがそう言って扉に視線を移す。
ほぼ同時に扉をあけて入ってきたのは
キースだった。
「参ったよ、あの森の魔女は知識欲がありすぎて困るね…ってみんな揃って何しているんだい?あ、雲仙久しぶりだね」
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「へぇ、随分興味深い話じゃないか」
ダンは戻ってきたキースに今一度今回の依頼の話をする。
「あのギルヴォルトの名前をまた聞くことがあるなんてね。それにアルフェウス、まだ活動していたなんてなぁ」
「随分詳しいようですねキース。僕らにも教えてもらえますか」
しびれを切らしたクラインはキースに迫る。
「勿論だよ。それに僕が行っていた用事もここに関係してくるようだしね。みんなには知っていてもらわないと」
そう言ってキースは近くのイスに腰掛ける。
「結論から言おう、魔王ギルヴォルトの登場する“人神戦争”のおとぎ話、あそこで語られる話のほとんどは事実起こっていたことさ」
シリエを除く一同は驚きに目を見開いた。
「おいおい、本気で言ってんのかよ!あの話が事実で、魔王もそれを打ち倒した勇者も実在したってのか?」
「その通りだよ。驚くのも無理はない。一万年以上昔の話だし、それが事実であったことを知る人はごく僅かになってしまっているからね」
一同固まってしまう。キースはリーファに視線を向けた。
「リーファ、ゼノン神話に“持たざる者”って出てくるでしょ」
「…え、えぇ。対神が生み出した知的生命の一種、そして“死”の概念を生み出した張本人ですわ」
「そう、そしてその“持たざる者”こそが魔王ギルヴォルトさ」
!?
もう言葉を発することさえ煩わしくなってきた。それほどに驚きの連発である。キースのその口ぶりから察するに…
「ゼノン神話も…事実だったと…?」
アリスがみんなの思っていることを代弁してくれた。
リーファはゼノン神話が事実であることは知っていたようだが、“持たざる者”が魔王であったことは知らなかった。
みんなが驚く様が面白いのか、キースはニコッと笑う。
「うん、そうだよ」
「ゼノン神話を綴ったのは神との対話すら実現し、この世で初めて神性降臨を体得した伝説の聖職者オズワルドだ。彼は神々の言葉を嘘偽りなく記している。故にあの神話も事実さ」
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「のぅキース、人神戦争では魔王は打ち倒されているんじゃが、例の呪術師の口ぶりだと魔王は死んじゃおらんようだったぞ」
「そう、そこなんだ。僕がほとんど事実だと言ったのはね。勇者一行は魔王を打ち滅ぼすに一歩力及ばなかった。だから彼らは封印するという道を選んだ」
そこでキースはぽりぽりと頭をかく。
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「そう。彼女ほど森の事情に詳しい人もそういないからね。やはり彼女も、ここ最近の魔物の動きは異常だと思っていたらしい」
「なんでもいろんな魔物が生息域をどんどん人里に近づけているらしい。自分の生活スタイルなんて丸無視してね。まるで誰かに操られてでもいるようだと彼女は表現していたよ」
察しのいいクラインはここまでの話で気がついてしまった。
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なんということだ。今まさに闇に生きる者達は魔王復活に向けて動き出しているというのか!
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キースは立ち上がり、ギルドのみんなに目を向ける。
「まだ確証はないけど、これからアルフェウスの連中が魔物に人里を襲わせるというなら、自然と高ランクの依頼がギルドから流れてくると思う。来たるべき時のためにも力を備えておきたい。これからみんなにはガンガン依頼をこなしてガンガン強くなってもらうよ!」
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「さて、さっきも言ったけど僕は調査のために一旦前線を離脱する。シリエ、ドイルとナタリアをアスクランに呼び戻そう。本当に魔王復活の計画が裏で動いているなら、事態はそれほどまでに深刻だよ」
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