重なる世界の物語

えんとま

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闇に染まる森

招かれざる客

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魔物の襲来もあったが、無事アースガルドにたどり着く4人。

「ここがアースガルド。人口の建物も多いですが自然も取り入れた綺麗な街ですね」

クラインは緑あふれる街並みに感動を覚えた。

木造づくりの三角屋根の家があちこちに立ち並んでいる。道も整備されていて豊かな街だが、所々に生えた木々に綺麗な花々。街の中央には水場のようなものも見られる。

「ここは森の主の恩恵により栄えた街です。なので尊敬の意から土地を人の手で開発しすぎず、自然と調和した街並みになったそうですよ」

アリスはここを訪ねたことがあるようだ。

「この街で一番大きいギルド、妖精の森フェアリーフォレストに向かいましょう。今回の依頼の話はきっとそこで聞けるはずです」

・・・・・・・・
・・・・・
・・・


アリスの案内で一行は妖精の森フェアリーフォレストまで歩いてきた。

「なかなかおしゃれじゃない!うちもこんな風にすればいいのに」

ナタリアの言うように、そこはとても素敵なギルドだった。大きな円形の作りに、見たところ二階建てのようだ。中央からは屋根を突き出て立派な木が生えており、その木の枝に吊り下げられた暖色のランプが辺りを照らしている。実に居心地の良い場所だ。

だが、先程から一行は気になっていた。

「我輩の気のせいかもしれんが、こんな落ち着いた雰囲気の街に比べやけに町の人は疲れた顔をしておらんか?」

「そうですね。皆さん目にクマができてました。連日魔物の襲撃があったせいでしょうか」

クラインはドイルの言葉に同調する。先程からすれ違う人たちには活気というものがなく、まるで馬車馬の如く働かせれる労働者のようだった。

「そんなことは今からここで話を聞いたらわかるわよ。ほら、突っ立ってないで行くわよ!」

ナタリアは先陣を切って歩いていく。
その後をついて、4人は妖精の森フェアリーフォレストへと足を踏み入れた。

「ようこそいらっしゃいました。その手の印から察するに猟犬の牙ハウンドファングの皆さんですね。お待ちしておりました」

ギルドの中も素敵な内装だ。室内植物があちらこちらに植えられ、広いフロアの中央には光が差している。

さすが大きなギルドだけあって、あちらこちらの冒険者の姿がある。全員妖精の森フェアリーフォレストに所属しているのだろう。

ここの冒険者達も街の人たちと同じく、疲弊し切った様子だ。

入ってすぐに受付嬢に案内された4人はギルドの奥、ギルドマスターの部屋へ連れられた。

立派な両扉を開けて、中に入るよう促す受付嬢。中では後ろで束ねた白髪に切りそろえられた白ヒゲを蓄えた、50代ほどの男が待ていた。

「ようこそ妖精の森フェアリーフォレストへ。猟犬の牙ハウンドファングの噂は常々聞いております。今回は依頼を受けてくださって、ありがとうございました」

実に丁寧な挨拶を交わすギルドマスター。年こそ取っているものの、その眼光の奥の闘志は未だ潰えていないようだ。しかし顔にはやはり疲弊の様子がうかがえる。

「申し遅れました。私、ギルドマスターのアドルフ・ロンサールと申します。さ、こちらに座ってください。今の状況と皆様にお願いしたいことをお話しましょう」

・・・・・・・・
・・・・・
・・・


「おおよそマスターから聞いた通りのようね」

30分ほど話しただろうか。一通り話を終えたところでただ聞くだけに耐えかねたナタリアが一言発した。

「では、話の要点をまとめますね」

クラインがその場の全員を見て話す。

「これまでにも魔物の襲撃がありましたが、月に一度あるかどうかでした。しかしここ一週間、連日魔物達がこの街を襲いにきています」

妖精の森フェアリーフォレストは冒険者を街の各地に展開させ撃退していますが、流石に一週間も続くと疲弊を隠せません。最近ではランクCを超える魔物も出始めたとか。街の人たちも襲われる恐怖に晒され続け、街は限界にきています。根本的な原因があるはずですが、この状況では調査に力を集めると街が壊滅してしまう。そこで僕らは街の防衛をこなしつつ根本的解決に向け動けば良いということですね」

「えぇ、その通りです。どれだけかかるか、どれほどの魔物が控えているかはわかりません。ですがなんとしてもこの街を救っていただきたい!もちろんそれに見合う多額の報酬も用意しています。よろしくお願いします!」

マスターアドルフは深々と頭を下げる。

「わかりました、私たちに任せてください」

「うむ。我輩たちでこの街を救ってみせようではないか!」

「ありがとう…ございます…」

よほど辛い状況だったのだろう。2人の言葉にうっすらと涙を浮かべるアドルフ。

その時だった。街の冒険者が声を荒げて部屋になだれ込んできた。

「マスター!大変です、魔物の奴らが現れました!数十体のゴブリンどもに加えて強力な魔物が数体街の近郊に出現しました。他の冒険者で対応していますが歯が立ちません!」

その言葉に腕をぐるぐる回すナタリア。

「聞いたかしら貴方達。早速仕事よ!」

・・・・・・・・
・・・・・
・・・


冒険者に連れられて、魔物が出現したという場所へ急ぐ4人。

「くそ!なんだこいつ!」

「ぐぁぁああああ!」

場所が近いようだ。戦闘の声が聞こえてくる。声から察するに状況はよろしくない。

見えてきた!視界に入ってきたのは、何やら骸骨のような魔物に今まさにとどめを刺される寸前の冒険者だ。

「危ない!」

アリスが声を上げると同時にスンッと何かが風邪を切る。

パアンと音を立て吹き飛ばされる魔物。状況を一瞬で判断したナタリアが矢を射ったのだ。

すぐさま臨戦態勢に入る4人。
何やら複数体のゴブリンに混じり、強うそうな魔物が数体いる。

奥にいるのは頭の二つある犬だ。おそらくオルトロスだろう。双頭の口から火が漏れている。

そして先ほど吹き飛ばした骨の魔物。よく見ると同じものが4体いるようだ。

一見するとスケルトンのようだが、頭蓋骨の代わりに獣の顎の骨のようなものが付いている。手には骨と牙でできた剣を持っていた。

「あれは、スパルトイ!?」

アリスが驚きの声を上げる。

「スパルトイ?なんですかそれは」

クラインが聞き返す。

「そうですね、説明したいのは山々ですが、その前に目の前の魔物を片付けましょう」

アリスの言うことはもっともだ。クラインはゲートからハンマーを取り出す。

ナタリアとドイルはブレインに適したタイプではない。するとここは僕が自分の戦闘スタイルに合わせて指示する方がいいな。

クラインは他3人に向けて指示を出す。

「ナタリアとアリスはオルトロスの相手をお願いします。パワー系のドイルと僕はスパルトイを叩き潰しましょう。妖精の森フェアリーフォレストの冒険者の皆さんはゴブリンを任せました!」

「へー、新入りの割に頼もしいじゃない!わかったわ、行くわよアリス!」

「はい、援護をお願いします!」

「我輩達も行くぞ、クライン殿!」

「えぇ、スパルトイを離しましょう。各個撃破します!」

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