三つの異能と魔眼魔術師

えんとま

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第6章 孤独な復習者

プロローグ

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ーすごいぞ!すばらしい剣筋だ。これなら立派な剣士になれる!-



『おじいちゃんほんと!だったらカンナ、もっとがんばる!』






ーまだやっているのか。女のお前が剣を振るう必要などないー


『嘘よ!だっておじいちゃん言ってたもん、カンナはすごい剣士になるって!』


ー親父が?もう死んだ親父が言った言葉にいつまでも囚われていないで現実を見ろ!ー














『強いな兄貴は…また、勝てなかったかぁ』



ーカンナ、お前はなぜ剣を取る。信楽流の後継者は長男と決まっている。女のお前が剣を振るう必要はないー




『うるさい!女だからってみんな口をそろえてそればっかり!そいつら見返すためにやってるんだ。そのうち兄貴を越えて誰にも文句を言わせない剣士になる』















『嘘だ・・・父さん、母さん・・・!だめ、血が止まらない!!』







『なんでよ・・・どうしてよ・・・!』











~~~~~~~~~~~~~~~~~


バッとベットから飛び上がるカンナ。心臓は大きく脈打ち体は汗で湿っていた。肩で大きく息をする。




外はまだ暗く、ふと目をやったデジタル時計は午前2時をさしている。





「またあの夢…」





ここ最近昔のころの夢を毎日のように見ているカンナ。血の海の中横たわる自分の両親。大きく切り開かれた刀傷からとめどなく流れる血。




あまりに鮮明に蘇る記憶は、目が覚めた今も脳裏にこびり付き離れない。




(間違いない。あのニュースを見た日から・・・繰り返し昔の夢を見る。まるで・・・)








(当時の復讐心を思い出せと・・・言っているみたいに)
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