111 / 359
第十章 喧騒と潮騒の中で
幾許の
しおりを挟む
ノイファンの屋敷の会議室で、魔族に関する話し合いを終える。
その結果、半島に残る桃色の毛の魔族は私たちで対処することに。
半島内にある町や村には魔族を目撃次第、アルリナに連絡が届くようにしてもらい、その報を受けて、ギウを中心とした私たちが討伐に出るという形で話は落ち着いた。
ノイファンは仕事があるらしく屋敷に残り、私たちだけでアイリを見送る。
港の転送ポイントまで歩く途中、アイリは突然、背の高い建物に挟まれた人気のない路地裏にひょいっと入り込んだ。
「アイリ?」
「ここならいいかな? フィナ、いるんでしょ?」
「なに!?」
私の驚く声が路地裏に木霊する。反響する声は空に上がり、空からは声に応える声が響く。
「あ~、やっぱ、ばれてたか。ハルステッドじゃなくて、アイリの方が気になっちゃったからなぁ」
建物の屋上にフィナの姿が。
彼女は建物にくっついたパイプに鞭を巻きながら降りてきた。
「っと、久しぶりね、アイリ」
「ほんと久しぶり。殺したいぐらいにっ」
アイリは深紅の瞳に殺気を籠める。対するフィナは、紫の溶け込む蒼の瞳に余裕の色を浮かべている。
「あ~ら、アイリ。まだ根に持ってんの~。器ちっちゃ~い」
「あんなふざけた罠を仕掛けておいて水に流せると思ってるの?」
私は二人の会話の間に入る。
「待て、二人とも。君たちは知り合いなのか?」
「一年位前に、アイリがちょっかい掛けてきたのよ」
「ちょっかい? 犯罪行為を取り締まろうとしただけでしょ!」
「ブクブク肥え太った貴族様に、少しばかりダイエットを勧めただけよ」
「それを泥棒っていうの! ま、あの豚が縛り首になったのはざまぁだと思うけど」
「待ってくれ、ちゃんと説明してくれるか? こちらは何が何やらさっぱりなんだが?」
このように問いかけると、二人は簡単な説明を交えてきた。
一年前、フィナは悪徳貴族を懲らしめたらしい。非合法な方法で。
そこでアイリが調査に乗り出し、フィナを捕まえようとしたが、罠に嵌まり取り逃がしてしまったと。
アイリとしては非道な方法で私腹を肥やしていた悪徳貴族に同情するべき点はない。
むしろ、アイリの追跡調査で、悪徳貴族は縛り首になった。
問題は、フィナが仕掛けた罠。
フィナは巧妙な落とし穴を用意し、そこへアイリを落とした。
そのあと、上からぬるぬるした溶液を大量に流し込んで、脱出を困難にしたようだ。
アイリはその時のことを思い出したのか、怒りに体を震わせている。
「あの時の気持ち悪さといったらっ。今すぐにでも、首を刎ねてやりたい!」
「なによ、ちょっとぬるぬるしただけじゃん。怪我もさせなかったし」
「わざわざぬるぬるに悪臭を付加してたのがムカつくの!!」
「あっれ~、そうだっけ~?」
「この~~~」
「なるほど、ある程度はわかった。しかし、問題は……」
私はアイリとフィナをちらりちらりと見る。その意味を知ったフィナが答えを返してきた。
「はぁ、ヴァンナスに私があんたと一緒にいることがバレちゃったね」
「ああ、面倒な話になる。どうしたものか……」
私たちは今後の対処に頭を悩ませる。
すると、アイリはきょとんとした表情を見せて疑問を口にした。
「何か問題でもあるの、お兄ちゃん?」
「現在、フィナの手を借りて……このクライル半島に存在する古代人の遺跡の発掘を行えないかと考えている」
「っ!?」
「私一人ではどうしようもないが、フィナがいれば発掘が可能かもしれない。それをヴァンナスに知られたくなかった」
「そっか。やっぱりお兄ちゃんはヴァンナスを信用してなかったんだ」
「信用していないわけじゃない。だが、彼らが私たちの知らぬ何かを隠しているのは確かだ。私の……私たちの身を守るために必要な措置を取りたいと願っている。それで、アイリ」
「わかってるよ、お兄ちゃん。私はフィナと出会わなかった。そうして欲しいんでしょ」
「頼めるか?」
「お兄ちゃんの頼みだもん。それに、私たちもヴァンナスに思うところがあるし。おまけにあいつら、私たちに隠れて何かの作戦だか計画だかを進めてるっぽいし」
「中身は?」
「それはわからない。なかなか探りを入れるのが難しくて。私たちとしても外でヴァンナスを牽制できる存在がいると頼もしいから、お兄ちゃんたちのことは秘密にしとくよ。こいつを野放しにするのは不本意だけど……」
と言って、フィナを睨みつけた。
そのフィナはきつい視線など全く意に介さず、私たちの会話に興味を示してくる。
「なになに、今の会話? もしかして、勇者御一行様はヴァンナスに反旗を翻すつもり?」
「そんなわけないでしょ。そんなことをすれば、国は混乱し、多くの人を苦しめることになる。今の会話はあくまでも私たちの身の安全のため」
「その安全ってぐたいて――」
「フィナに話す理由も義理もないから」
「クッ、ケチ」
「ケチで結構。さっさと失せなさい」
「この~、むかつく~」
「フッ」
フィナは歯ぎしりをして、アイリは得意な顔を見せた。
少しはぬるぬるのお返しができて、アイリは満足と見える。
アイリは私に向き直る。
「この路地裏での会話はなかったことにする。それでいいんだね、お兄ちゃん」
「ああ、頼む」
「あとは~、フィナ、ちょっといい?」
「なによっ?」
「お兄ちゃんを頼んだよ。お兄ちゃんって戦闘の方はへなちょこだから……」
「たしかにへなちょこだもんね。わかった面倒見てあげる」
「へなちょこのお兄ちゃんを守ってくれるのは嬉しいけど、妙な関係になるのは許さないから」
「ないない。へなちょこな奴に興味ないし」
「君たちなっ。人をへなちょこへなちょこ言い過ぎだ!」
「ぷふ」
「ぎうう」
後ろからエクアとギウの笑い声が聞こえる。
前の二人も、口元を押さえながら体全体を小刻みに揺らす。
「まったく、へなちょこで悪かったなっ。アイリ、そろそろ戻らないといけないんじゃないのか?」
「うん。あのお兄ちゃん……」
「わかっている。おいで」
アイリが私のそばに近づく。
私はアイリの背に合わせるように身をかがめ、彼女の頭を撫でた。
「アイリ、無茶はするな」
「わかってる」
「レイたちにもよろしく伝えておいてくれ」
「うん、時間ができたらこちらへ来れるようにジクマおじさんにきつく頼んどくから」
「ふふふ、ジクマ閣下はアイリだけには甘いからな。それじゃ、行こうか」
「うん」
私は最後にもう一度アイリの頭をそっと撫でて、屈んでいた身体を元に戻した。
そして、二人そろって路地裏から出ていく。
この時ばかりは、エクアとギウ。そしてフィナさえも、私たちの誰も相容れぬ雰囲気を察し、口を挟まず沈黙を保ってくれた。
――アルリナの港
港には警備隊が残っており、アイリの姿を確認するとすぐに円陣を組み、転送ポイントの確保を行った。
円陣を組んで転送ポイントを確保するのは昔からの習わしで、特に技術的な意味はない。
町の者たちはアイリと私たちを遠巻きから見学している。
時折、アイリに声を上げる者がいるが、彼女は手慣れた様子で手を振って応えていた。
アイリは円陣に入り、私はその傍に立つ。
「達者でな」
「お兄ちゃんも……アイリからハルステッドへ。転送を」
アイリが襟元にあるハートのバッジに手を置いて言葉を唱えると、彼女が光に包まれる。
光の中のアイリが私に手を振る。
私も手を振って応えると、光は雨の降るような粒子に代わり、彼女の姿はぼやけ、光の球体となって、ハルステッドへ吸い込まれていった。
私は振っていた手を下ろして、踵を返す。
それと同時に、町の者たちが話しかけてきた。
その内容はどれも同じ。
私とアイリはどのような間柄なのか?
そしてその疑問はもちろん、ギウやエクアも。フィナに至ってはかなり突っ込んできた質問をしてきた。
「どういう関係なの? お兄ちゃんって? あんた、なにもんよ?」
「研究所時代に彼らと深く関わることがあってな。それでとても親しく、肉親のような間柄になった。そう、彼らは私の家族のような存在。とても、大切な人たち……」
私は空を見上げ、空に浮かぶ巨大な飛行艇ハルステッドを見つめる。
――飛行艇ハルステッド
アイリを収容したハルステッドは進路を大陸ガデリに向けて、アルリナから離れていく。
ハルステッドの外を見渡せる甲板にはアイリの姿があり、彼女はアルリナを、その町にいる兄のように慕うケントの姿を見つめていた。
「お兄ちゃん。久しぶりに会えてよかった」
家族のようなケントとの再会にアイリは喜びを噛みしめる。
と、そこへ、荒っぽい海風が渦を巻いて、アイリの銀の髪を乱した。
しかし、彼女は乱れた髪ではなく、口元を手で押さえる。
「ゴホンゴホン……はぁ、海風が原因だったら本当に良かったんだけど。魔族の活性化のせいで、力を使うことが多くなったし。私は、私たちは、あと、どのくらい生きられるのかな……?」
その結果、半島に残る桃色の毛の魔族は私たちで対処することに。
半島内にある町や村には魔族を目撃次第、アルリナに連絡が届くようにしてもらい、その報を受けて、ギウを中心とした私たちが討伐に出るという形で話は落ち着いた。
ノイファンは仕事があるらしく屋敷に残り、私たちだけでアイリを見送る。
港の転送ポイントまで歩く途中、アイリは突然、背の高い建物に挟まれた人気のない路地裏にひょいっと入り込んだ。
「アイリ?」
「ここならいいかな? フィナ、いるんでしょ?」
「なに!?」
私の驚く声が路地裏に木霊する。反響する声は空に上がり、空からは声に応える声が響く。
「あ~、やっぱ、ばれてたか。ハルステッドじゃなくて、アイリの方が気になっちゃったからなぁ」
建物の屋上にフィナの姿が。
彼女は建物にくっついたパイプに鞭を巻きながら降りてきた。
「っと、久しぶりね、アイリ」
「ほんと久しぶり。殺したいぐらいにっ」
アイリは深紅の瞳に殺気を籠める。対するフィナは、紫の溶け込む蒼の瞳に余裕の色を浮かべている。
「あ~ら、アイリ。まだ根に持ってんの~。器ちっちゃ~い」
「あんなふざけた罠を仕掛けておいて水に流せると思ってるの?」
私は二人の会話の間に入る。
「待て、二人とも。君たちは知り合いなのか?」
「一年位前に、アイリがちょっかい掛けてきたのよ」
「ちょっかい? 犯罪行為を取り締まろうとしただけでしょ!」
「ブクブク肥え太った貴族様に、少しばかりダイエットを勧めただけよ」
「それを泥棒っていうの! ま、あの豚が縛り首になったのはざまぁだと思うけど」
「待ってくれ、ちゃんと説明してくれるか? こちらは何が何やらさっぱりなんだが?」
このように問いかけると、二人は簡単な説明を交えてきた。
一年前、フィナは悪徳貴族を懲らしめたらしい。非合法な方法で。
そこでアイリが調査に乗り出し、フィナを捕まえようとしたが、罠に嵌まり取り逃がしてしまったと。
アイリとしては非道な方法で私腹を肥やしていた悪徳貴族に同情するべき点はない。
むしろ、アイリの追跡調査で、悪徳貴族は縛り首になった。
問題は、フィナが仕掛けた罠。
フィナは巧妙な落とし穴を用意し、そこへアイリを落とした。
そのあと、上からぬるぬるした溶液を大量に流し込んで、脱出を困難にしたようだ。
アイリはその時のことを思い出したのか、怒りに体を震わせている。
「あの時の気持ち悪さといったらっ。今すぐにでも、首を刎ねてやりたい!」
「なによ、ちょっとぬるぬるしただけじゃん。怪我もさせなかったし」
「わざわざぬるぬるに悪臭を付加してたのがムカつくの!!」
「あっれ~、そうだっけ~?」
「この~~~」
「なるほど、ある程度はわかった。しかし、問題は……」
私はアイリとフィナをちらりちらりと見る。その意味を知ったフィナが答えを返してきた。
「はぁ、ヴァンナスに私があんたと一緒にいることがバレちゃったね」
「ああ、面倒な話になる。どうしたものか……」
私たちは今後の対処に頭を悩ませる。
すると、アイリはきょとんとした表情を見せて疑問を口にした。
「何か問題でもあるの、お兄ちゃん?」
「現在、フィナの手を借りて……このクライル半島に存在する古代人の遺跡の発掘を行えないかと考えている」
「っ!?」
「私一人ではどうしようもないが、フィナがいれば発掘が可能かもしれない。それをヴァンナスに知られたくなかった」
「そっか。やっぱりお兄ちゃんはヴァンナスを信用してなかったんだ」
「信用していないわけじゃない。だが、彼らが私たちの知らぬ何かを隠しているのは確かだ。私の……私たちの身を守るために必要な措置を取りたいと願っている。それで、アイリ」
「わかってるよ、お兄ちゃん。私はフィナと出会わなかった。そうして欲しいんでしょ」
「頼めるか?」
「お兄ちゃんの頼みだもん。それに、私たちもヴァンナスに思うところがあるし。おまけにあいつら、私たちに隠れて何かの作戦だか計画だかを進めてるっぽいし」
「中身は?」
「それはわからない。なかなか探りを入れるのが難しくて。私たちとしても外でヴァンナスを牽制できる存在がいると頼もしいから、お兄ちゃんたちのことは秘密にしとくよ。こいつを野放しにするのは不本意だけど……」
と言って、フィナを睨みつけた。
そのフィナはきつい視線など全く意に介さず、私たちの会話に興味を示してくる。
「なになに、今の会話? もしかして、勇者御一行様はヴァンナスに反旗を翻すつもり?」
「そんなわけないでしょ。そんなことをすれば、国は混乱し、多くの人を苦しめることになる。今の会話はあくまでも私たちの身の安全のため」
「その安全ってぐたいて――」
「フィナに話す理由も義理もないから」
「クッ、ケチ」
「ケチで結構。さっさと失せなさい」
「この~、むかつく~」
「フッ」
フィナは歯ぎしりをして、アイリは得意な顔を見せた。
少しはぬるぬるのお返しができて、アイリは満足と見える。
アイリは私に向き直る。
「この路地裏での会話はなかったことにする。それでいいんだね、お兄ちゃん」
「ああ、頼む」
「あとは~、フィナ、ちょっといい?」
「なによっ?」
「お兄ちゃんを頼んだよ。お兄ちゃんって戦闘の方はへなちょこだから……」
「たしかにへなちょこだもんね。わかった面倒見てあげる」
「へなちょこのお兄ちゃんを守ってくれるのは嬉しいけど、妙な関係になるのは許さないから」
「ないない。へなちょこな奴に興味ないし」
「君たちなっ。人をへなちょこへなちょこ言い過ぎだ!」
「ぷふ」
「ぎうう」
後ろからエクアとギウの笑い声が聞こえる。
前の二人も、口元を押さえながら体全体を小刻みに揺らす。
「まったく、へなちょこで悪かったなっ。アイリ、そろそろ戻らないといけないんじゃないのか?」
「うん。あのお兄ちゃん……」
「わかっている。おいで」
アイリが私のそばに近づく。
私はアイリの背に合わせるように身をかがめ、彼女の頭を撫でた。
「アイリ、無茶はするな」
「わかってる」
「レイたちにもよろしく伝えておいてくれ」
「うん、時間ができたらこちらへ来れるようにジクマおじさんにきつく頼んどくから」
「ふふふ、ジクマ閣下はアイリだけには甘いからな。それじゃ、行こうか」
「うん」
私は最後にもう一度アイリの頭をそっと撫でて、屈んでいた身体を元に戻した。
そして、二人そろって路地裏から出ていく。
この時ばかりは、エクアとギウ。そしてフィナさえも、私たちの誰も相容れぬ雰囲気を察し、口を挟まず沈黙を保ってくれた。
――アルリナの港
港には警備隊が残っており、アイリの姿を確認するとすぐに円陣を組み、転送ポイントの確保を行った。
円陣を組んで転送ポイントを確保するのは昔からの習わしで、特に技術的な意味はない。
町の者たちはアイリと私たちを遠巻きから見学している。
時折、アイリに声を上げる者がいるが、彼女は手慣れた様子で手を振って応えていた。
アイリは円陣に入り、私はその傍に立つ。
「達者でな」
「お兄ちゃんも……アイリからハルステッドへ。転送を」
アイリが襟元にあるハートのバッジに手を置いて言葉を唱えると、彼女が光に包まれる。
光の中のアイリが私に手を振る。
私も手を振って応えると、光は雨の降るような粒子に代わり、彼女の姿はぼやけ、光の球体となって、ハルステッドへ吸い込まれていった。
私は振っていた手を下ろして、踵を返す。
それと同時に、町の者たちが話しかけてきた。
その内容はどれも同じ。
私とアイリはどのような間柄なのか?
そしてその疑問はもちろん、ギウやエクアも。フィナに至ってはかなり突っ込んできた質問をしてきた。
「どういう関係なの? お兄ちゃんって? あんた、なにもんよ?」
「研究所時代に彼らと深く関わることがあってな。それでとても親しく、肉親のような間柄になった。そう、彼らは私の家族のような存在。とても、大切な人たち……」
私は空を見上げ、空に浮かぶ巨大な飛行艇ハルステッドを見つめる。
――飛行艇ハルステッド
アイリを収容したハルステッドは進路を大陸ガデリに向けて、アルリナから離れていく。
ハルステッドの外を見渡せる甲板にはアイリの姿があり、彼女はアルリナを、その町にいる兄のように慕うケントの姿を見つめていた。
「お兄ちゃん。久しぶりに会えてよかった」
家族のようなケントとの再会にアイリは喜びを噛みしめる。
と、そこへ、荒っぽい海風が渦を巻いて、アイリの銀の髪を乱した。
しかし、彼女は乱れた髪ではなく、口元を手で押さえる。
「ゴホンゴホン……はぁ、海風が原因だったら本当に良かったんだけど。魔族の活性化のせいで、力を使うことが多くなったし。私は、私たちは、あと、どのくらい生きられるのかな……?」
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる