113 / 359
第十一章 世界とトーワと失恋
周辺の情報
しおりを挟む
――トーワ城三階・執務室
私は執務机の椅子に座らず卓に腰を掛けて足を組み、親父に尋ねる。
「それで、なにを持ち帰ってきた?」
「まずは主な周辺地域の基本情報です」
<半島に点在する、主な都市や町や種族の情報>
――半島南西に位置する大陸の玄関口アルリナ
人口・二万五千人。
兵力
陸軍・一千二百(警吏も含む)。うち、魔導兵は百程度
海軍・三百(警備隊レベル)
軍船数・中型船一隻。小型船五隻。(稼働率は低い)
港町でありながら海軍戦力が乏しいのは、アルリナに広がる海の治安はヴァンナス本国が担っているため。
経済の要は貿易と港の使用料。
交易品は魚介類や真珠など。
また、アグリスやキャビットやワントワーフからの商品を海を通して各地域に届けている。
――半島北東に位置するトロッカー鉱山
ワントワーフの種族が支配する領土。容姿は犬を二足歩行にしたもの。また、彼らを犬呼ばわりするのは非礼に当たる。
人口・八千
兵力――陸軍のみ・二千~?(成人したワントワーフは男女問わず全て戦士としての力を持つので、場合によっては全員が戦士となる)
魔導士はなく、格闘術を主とする。
経済の要は鉱石とそれを加工した金属類。
また、上質なガラス工芸品を作り出すことでも有名。
余談になるが、数多の種族の中でも無類の風呂好き・酒好き。
――半島の中央を真っ二つに縦断するマッキンドーの森
森は、最南端から半島と大陸を区切るファーレ山脈まで届く。
その森の大部分を治めているのは、森に棲む種族キャビット。
身長は1m程度と小柄で愛らしいものが多いが、見た目に反して好戦的。そうでありながら商売上手と変わった種族。
容姿は二足歩行する猫。ワントワーフと同じく、彼らを猫呼ばわりするのは非礼に当たる。
人口は二千前後。
兵力――陸軍のみで数は一千二百。うち、魔導士は一千。
こちらもワントワーフと同様に成人=兵士として見られる。
人間族と比べ腕力は弱いが、素早さ遥かに優れている。彼らはさらに、魔導と弓を得意とし種族でも有数の強者。
商売人で好戦的で手強いといった、敵に回すと厄介な種族。
その反面、金には弱いので、何らかの儲けがあるのならば彼らは無用に争いごとを起こすことはない。
また、気まぐれな部分があり、好戦的な割には途中で面倒になって戦い自体をやめたりするので、戦争になってもこちらが退けば、すぐに終息する
各地域に商売の情報網があり、彼らは世界を相手に商売を行っている。
だが、この半島においてはアルリナと犬猿の仲であり、港を使用する以外の交流はない。
――半島の北西に位置するランゲンの旧都『カルポンティ』
二百年前に存在していたランゲン国の旧王都。現在はアグリスの統治下にある。
人口・五万八千
兵力・陸軍のみ――数は五千。うち、魔導兵は一千。
兵力と言っても街の防衛を主とした兵たち。
現在、旧都は災害に見舞われ、復興に追われている。
――そして、半島と大陸を結ぶ玄関口『宗教都市アグリス』(元・ランゲン国の王都)
領主は存在するが、それ以上にサノア教の『ルヒネ派』の教祖・『フィコン』と『二十二議会』と呼ばれる者たちが大きな影響力を持つ。
この教祖と二十二議会こそがアグリスの実質的な支配者。
教祖であるフィコンはまだ、十四の少女だという……。
十四歳の少女を頂きに据えて、宗教的序列によって厳しい階級制を取る街。
階級は大まかに五段階
上級市民・マルブルグ
中級市民・ストミセス
下級市民・エリキア
奴隷・フィルス
忌避される存在・カリス
忌避される存在・カリス――彼らは神に仇なした末裔とされる存在。もちろん、そんな証拠も根拠もない。ただ、カリスの身分で生まれたというだけで、罪を背負っている存在とされる者たちだ。
カリスは、他の階級からの苦痛や心の痛みのはけ口とされ、理不尽な暴力を振るわれる。
その数は少なく、五百前後。
彼らは上級市民であるマルブルグたちによって人口を管理されている。
五百に管理されているのは経典において、五百人のカリスたちが神に反旗を翻したと言われているからだ。
もし、この数よりもカリスが減れば、妊娠を強制され、増え過ぎれば処分される。
彼らはまるで、家畜のような存在。
※他宗派においては教会に襲い掛かった、一賊徒として記されているのみ。
都市全体の人口は二百万以上
兵力・陸軍のみ――数は三十万。うち、魔導兵は五万。さらに大陸内部の周辺地域に領地を持ち、各地に兵力を置いている。
それらを合わせると、兵力は百万以上。
大陸に広がる周辺種族と対立しており、常に戦時。
現在は小競り合い程度だが、兵力は常に保持され、周辺種族を睨み続けている。
また、大陸側に広大な領地を所有しているため、農業工業ともにその生産力はビュール大陸一。圧倒的な経済力と軍事力を持つ都市。
―――――――――
主だった都市や町の情報を得て、親父に話しかける。
「アグリスの強大さが目に付くな。そして、異常さも」
「はい」
親父は自身の右胸を擦るように撫でる。
その動作は以前、小柄な戦士と会話の際、アグリスの名を口にしたときに見せた動作だ。
「親父は、アグリスと何か関係が?」
「えっ? いや、その~、まぁ、それなりに……やばい連中なので少しは」
親父は頭をぼりぼりと掻いて、アグリス相手には誰でも何かしらありますよ、といった風な態度をとっている。
だが、彼の様子から少しどころか深く関係しているように見える。
これを口に出さないということは話したくないのだろう。
そして、こういう男は話したくないことを言及しても決して話さない。
私はトーワとはご近所でありながら、いまだ交流のないキャビットに話題を移す。
「キャビットだが、アルリナと交流がないのか?」
「港を使用して商品は各地に運ぶ以外ないですね。事務的な関係といったところでしょうか」
「たしかに、アルリナで彼らの姿をとんと見かけなかったが……理由は?」
「原因はシアンファミリーです」
「ここで彼らが出てくるのか。なるほど、商売でのトラブルの結果というところか」
「はい、対立は先代からでして、結構根の深い問題ですぜ」
「しかし、そのシアンファミリーもいなくなった。そろそろ距離を縮めても良い時期だと思うが?」
「よろしければ、その橋渡しを買って出てみてはいかかでしょうか? 旦那はシアンファミリーを排除したお方。公式にそうではなくとも、キャビットの耳には入ってるでしょうから」
「彼らと交流を深める理由としては申し分ないな……それを薦めるということは、これは親父の目的に関係しているのだな?」
「さぁ、何のことやら?」
親父は爪先で無精ひげを引っ掛けるように顎下をぼりぼりと掻いている。
彼はワントワーフと交流を結んだ私を喜んだ。
次に、キャビットと交流を持たせようとしてる。
そして、アグリスに対する含みのある態度。
私に何をさせたいのかは見えてきたが、何故それをさせたいのかは不明だ。
「まぁいい。しかし、突然訪ねて仲を取り持つといってもアルリナとキャビット双方が受け入れるとは思えないが……何かあるんだろうな、親父さん?」
私は口元を緩め、片眉を跳ねる。
親父は親父で揚々と言葉を返した。
私は執務机の椅子に座らず卓に腰を掛けて足を組み、親父に尋ねる。
「それで、なにを持ち帰ってきた?」
「まずは主な周辺地域の基本情報です」
<半島に点在する、主な都市や町や種族の情報>
――半島南西に位置する大陸の玄関口アルリナ
人口・二万五千人。
兵力
陸軍・一千二百(警吏も含む)。うち、魔導兵は百程度
海軍・三百(警備隊レベル)
軍船数・中型船一隻。小型船五隻。(稼働率は低い)
港町でありながら海軍戦力が乏しいのは、アルリナに広がる海の治安はヴァンナス本国が担っているため。
経済の要は貿易と港の使用料。
交易品は魚介類や真珠など。
また、アグリスやキャビットやワントワーフからの商品を海を通して各地域に届けている。
――半島北東に位置するトロッカー鉱山
ワントワーフの種族が支配する領土。容姿は犬を二足歩行にしたもの。また、彼らを犬呼ばわりするのは非礼に当たる。
人口・八千
兵力――陸軍のみ・二千~?(成人したワントワーフは男女問わず全て戦士としての力を持つので、場合によっては全員が戦士となる)
魔導士はなく、格闘術を主とする。
経済の要は鉱石とそれを加工した金属類。
また、上質なガラス工芸品を作り出すことでも有名。
余談になるが、数多の種族の中でも無類の風呂好き・酒好き。
――半島の中央を真っ二つに縦断するマッキンドーの森
森は、最南端から半島と大陸を区切るファーレ山脈まで届く。
その森の大部分を治めているのは、森に棲む種族キャビット。
身長は1m程度と小柄で愛らしいものが多いが、見た目に反して好戦的。そうでありながら商売上手と変わった種族。
容姿は二足歩行する猫。ワントワーフと同じく、彼らを猫呼ばわりするのは非礼に当たる。
人口は二千前後。
兵力――陸軍のみで数は一千二百。うち、魔導士は一千。
こちらもワントワーフと同様に成人=兵士として見られる。
人間族と比べ腕力は弱いが、素早さ遥かに優れている。彼らはさらに、魔導と弓を得意とし種族でも有数の強者。
商売人で好戦的で手強いといった、敵に回すと厄介な種族。
その反面、金には弱いので、何らかの儲けがあるのならば彼らは無用に争いごとを起こすことはない。
また、気まぐれな部分があり、好戦的な割には途中で面倒になって戦い自体をやめたりするので、戦争になってもこちらが退けば、すぐに終息する
各地域に商売の情報網があり、彼らは世界を相手に商売を行っている。
だが、この半島においてはアルリナと犬猿の仲であり、港を使用する以外の交流はない。
――半島の北西に位置するランゲンの旧都『カルポンティ』
二百年前に存在していたランゲン国の旧王都。現在はアグリスの統治下にある。
人口・五万八千
兵力・陸軍のみ――数は五千。うち、魔導兵は一千。
兵力と言っても街の防衛を主とした兵たち。
現在、旧都は災害に見舞われ、復興に追われている。
――そして、半島と大陸を結ぶ玄関口『宗教都市アグリス』(元・ランゲン国の王都)
領主は存在するが、それ以上にサノア教の『ルヒネ派』の教祖・『フィコン』と『二十二議会』と呼ばれる者たちが大きな影響力を持つ。
この教祖と二十二議会こそがアグリスの実質的な支配者。
教祖であるフィコンはまだ、十四の少女だという……。
十四歳の少女を頂きに据えて、宗教的序列によって厳しい階級制を取る街。
階級は大まかに五段階
上級市民・マルブルグ
中級市民・ストミセス
下級市民・エリキア
奴隷・フィルス
忌避される存在・カリス
忌避される存在・カリス――彼らは神に仇なした末裔とされる存在。もちろん、そんな証拠も根拠もない。ただ、カリスの身分で生まれたというだけで、罪を背負っている存在とされる者たちだ。
カリスは、他の階級からの苦痛や心の痛みのはけ口とされ、理不尽な暴力を振るわれる。
その数は少なく、五百前後。
彼らは上級市民であるマルブルグたちによって人口を管理されている。
五百に管理されているのは経典において、五百人のカリスたちが神に反旗を翻したと言われているからだ。
もし、この数よりもカリスが減れば、妊娠を強制され、増え過ぎれば処分される。
彼らはまるで、家畜のような存在。
※他宗派においては教会に襲い掛かった、一賊徒として記されているのみ。
都市全体の人口は二百万以上
兵力・陸軍のみ――数は三十万。うち、魔導兵は五万。さらに大陸内部の周辺地域に領地を持ち、各地に兵力を置いている。
それらを合わせると、兵力は百万以上。
大陸に広がる周辺種族と対立しており、常に戦時。
現在は小競り合い程度だが、兵力は常に保持され、周辺種族を睨み続けている。
また、大陸側に広大な領地を所有しているため、農業工業ともにその生産力はビュール大陸一。圧倒的な経済力と軍事力を持つ都市。
―――――――――
主だった都市や町の情報を得て、親父に話しかける。
「アグリスの強大さが目に付くな。そして、異常さも」
「はい」
親父は自身の右胸を擦るように撫でる。
その動作は以前、小柄な戦士と会話の際、アグリスの名を口にしたときに見せた動作だ。
「親父は、アグリスと何か関係が?」
「えっ? いや、その~、まぁ、それなりに……やばい連中なので少しは」
親父は頭をぼりぼりと掻いて、アグリス相手には誰でも何かしらありますよ、といった風な態度をとっている。
だが、彼の様子から少しどころか深く関係しているように見える。
これを口に出さないということは話したくないのだろう。
そして、こういう男は話したくないことを言及しても決して話さない。
私はトーワとはご近所でありながら、いまだ交流のないキャビットに話題を移す。
「キャビットだが、アルリナと交流がないのか?」
「港を使用して商品は各地に運ぶ以外ないですね。事務的な関係といったところでしょうか」
「たしかに、アルリナで彼らの姿をとんと見かけなかったが……理由は?」
「原因はシアンファミリーです」
「ここで彼らが出てくるのか。なるほど、商売でのトラブルの結果というところか」
「はい、対立は先代からでして、結構根の深い問題ですぜ」
「しかし、そのシアンファミリーもいなくなった。そろそろ距離を縮めても良い時期だと思うが?」
「よろしければ、その橋渡しを買って出てみてはいかかでしょうか? 旦那はシアンファミリーを排除したお方。公式にそうではなくとも、キャビットの耳には入ってるでしょうから」
「彼らと交流を深める理由としては申し分ないな……それを薦めるということは、これは親父の目的に関係しているのだな?」
「さぁ、何のことやら?」
親父は爪先で無精ひげを引っ掛けるように顎下をぼりぼりと掻いている。
彼はワントワーフと交流を結んだ私を喜んだ。
次に、キャビットと交流を持たせようとしてる。
そして、アグリスに対する含みのある態度。
私に何をさせたいのかは見えてきたが、何故それをさせたいのかは不明だ。
「まぁいい。しかし、突然訪ねて仲を取り持つといってもアルリナとキャビット双方が受け入れるとは思えないが……何かあるんだろうな、親父さん?」
私は口元を緩め、片眉を跳ねる。
親父は親父で揚々と言葉を返した。
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる