256 / 359
第二十二章 銀眼は彼に応え扉を開く
孫へのアドバイス
しおりを挟む
――桟橋・昼
無骨そうな戦士に言われた桟橋までやってきた。
桟橋は古びた木製。幅は人二人分といった程度でこじんまりとしている。
人はまばらで、ゆったりとした時間を過ごせそうだ。
「ふふ、悪くないスポットだ。どれ、久しぶりに釣りを楽しむか」
桟橋の一番先まできて、釣りの準備をし、釣り糸を海へ投げる。
後方に注意して空を狙うように釣り糸を飛ばすと、糸はするすると伸びて海の中へと吸い込まれていった。
私はぷかりぷかりと浮く浮きを見ながら、初めてギウと出会ったときのことを思い出す。
「トーワの海岸でこうやって釣りをしている最中に彼と出会い、よく釣れる場所へ案内してもらったな。初めて出会ったときは何者だと思ったが、本当にあれは良い出会いだった」
ギウとの出会いで灰色の古城生活に色がついた。
彼は私へとても心配り、そして惜しみない協力をしてくれる。
どうして彼がそのようなことをしてくれるのかは謎だ。
私もまた、どうして彼のことを心の奥底から信頼できるのかは謎。
だが、いい。
謎などどうでもいい。友と呼べる者と一緒に過ごす時間の前ではこのような謎など小さなこと。
時折、潮騒が頬を撫でて、魚が釣り針に食いつき、それを釣り上げる。
ゆったりとした時間が流れていく。
「最近は忙しく、釣りをする余裕もなかったからな。農作業もキサたちに任せっぱなしだし。なんとか時間を作って、トーワでも農作業や釣りが楽しめるくらいにならないとな」
仕事ばかりに追われる人生ではもったいない。
やるべきことは果てしなくあるが、それでも余暇というものを作り楽しまねば……。
私は身体から力を抜き、自然に身を委ねる。
波の音、鳥たちの声、流れ行く白い雲。
緩やかに時は流れ、いつしか太陽は真っ青だった海を真っ赤に染め始めていた。
「ふぅ、結局、相談に乗ってくれそうな人物は現れなかったな。ふふふ、残念だがそれでも心落ち着けた。明日、釣りに来ても会えそうになければ、トーワへ戻ろう」
いまだ、私自身を語る勇気はない。
だが、もう先延ばしにはできない。
だから、仲間たちに……。
「っ」
心が痛む。恐怖が全身を包み込む。弛緩していた体が凍りつく。
私は自分の存在に自信を持てない。
仲間たちはきっと、私を恐れたりしない。忌避したりしない。
そう信じていても、臆病な自分が真実を口に出すことを恐れている。
「情けないな、私は……」
釣り道具を片付け、立ち去る準備を終えた。
釣り上げた魚たちは泊まる宿で調理してもらうことにしよう。余りは土産として宿へ渡すことにした。
「さて、帰るか」
「おや、ケント様」
「うん?」
私の名を呼ぶ声に顔を向ける。
「あなたは、老翁」
名を呼んだのは、私に釣りの指南をしてくれた老翁だった。
彼は真っ白な長髭を片手で撫でながら釣果を尋ねてくる。
「釣りですか? いかがでした?」
「あはは、なかなかですよ。これも老翁の指南のおかげです」
「ふぉっふぉっふぉ、それは良かった」
「老翁はどうしてこちらへ? 見たところ釣りをしに来たようにも見えませんが」
「ちっとな、孫が悩みを抱えていての」
「お孫さんが?」
「まぁ、老婆心であろうが、ちょいとアドバイスをしてやろうと考えておるんじゃが、はてさて、何と声を掛けてあげればよいのやら。と、そのような患い種を抱えてぶらぶら……」
「もし、よろしければ、私も力になりますが? もちろん、話されても良いものであれば」
「ふぉふぉふぉ、それはちょいと難しいの~」
老翁はさらりと白髭を撫でて、海へ顔を向ける。
「どうも、孫には甘くていかんな。余計な口出しばかりしてしまう。子どもたちには厳しく接してきたというのにのぉ」
「はあ……」
「ケント様。どうして老人は我が子以上に孫を可愛がると思いますかな?」
「と、唐突ですね。まぁ、そうですね……自分の子どもに注いだ愛情を思い出すからでしょうか」
「ふぉっふぉっふぉ、そんな高尚な理由じゃないですぞ」
「では、答えは?」
「責任がないからじゃ」
「はい?」
「自分の子どもであれば、親として責任を負わねばならぬ。じゃが、孫は違う。孫の責任を負うのはその親であってワシではない。だから、無責任に可愛い可愛いと甘やかすことができる。そういうわけで、ついつい甘くなってしまうのじゃ」
「あははは、なるほど。それだと、お孫さんのご両親はお困りでしょうね」
「そうじゃのう。親は子どもを無闇に甘やかしたくはないが、爺さん婆さんは孫にあれもこれもと与えていく。親にとってはたまったもんじゃない」
「ははは、そうでしょうね」
「じゃが、今回は違う。その親に孫を救ってくれと頼まれたからの」
「え?」
老翁はスッと背筋を伸ばし、年老い知恵を紡いだ重厚な瞳で私を見つめた。
「ワシはな、子どもたちを信じて世界を託した。敵は強大で勝てぬかもしれぬ。じゃが、必ずしも敗北するとは限らぬ。だから、ワシは子どもたちを信じることにした」
「老翁?」
「子どもたちはワシを恨むかもしれん。じゃが、いつまでも親ではいられぬ。いつかは飛び立つ時が来る。その時に、己の力で羽ばたけぬようだと未来は切り開けん。ワシの判断が子どもたちを滅ぼすことになろうとも、子どもたちは困難に立ち向かわなければならぬっ」
「あ、あなたは一体何を?」
問いは風に流れ、老翁はとても朗らかに微笑む。
その微笑みを目にすると不可思議な感情が湧き立つ。
いつか、老翁はアルリナの騒動を鎮めた事がある。
それは私たちがアルリナに訪れた際に、ムキ=シアンを退治した英雄として住民が盛り上がっていた時だ。
そこに老翁が現れ、彼の声に住人は素直に従った。
それに疑問を抱いた私の心だったが、ストンと何かが抜け落ちたように、疑問を抱くことをやめた。
あの時の思いは畏れ多くも尊き方に対する心。
そのお方は尚も言葉を続ける。
「自身の出生に疑問を抱くのじゃろう。じゃがの、ワシは思う。それは歪な知識を手にしてしまったがためだとしても、子どもたちが生み出した新たな世界の命。ワシにとって、それは――――孫も同然なんじゃ!」
「あ、あなたはっ」
「ケントよ、命に誇りを持て! お主はワシの孫であり、子どもたちの、アーガメイトの子であろう。何ら恥じることはない! お主もまた、このスカルペルの命なんじゃからな」
老翁は小さな会釈をして、桟橋から離れていく。
私は呼び止めようとして、声を降ろした。
「確固たる私を形作る。なるほど、あの方以上に私の存在を許してくれる方はいない。まさか、身近に存在して、見守ってくださったとはっ!」
私は前を向く。
すでに、老翁の姿はない。
夕闇が世界を閉ざしていく中で、私は心を光で満たす。
「レイからは背中を押された。二つの世界のフィナから言葉をもらい、亡き父からも言葉を頂いた。そして、大いなる存在からもまた、私というものを頂いた。私に集ってくれた仲間たちは皆、心より信頼できる者たちばかり。ここで、私が歩みを止めるようであれば、臆病どころではないっ!」
多くに支えられ、勇気づけられた。
これほどまでに恵まれた者は世界中どこを探しても存在しないだろう。
「異端な存在と己自身を卑下していたことが恥ずかしい。話そう。トーワに戻り、全てを告白しよう。私が何者であるかを!」
私は一歩、足を踏み出す。
そこに、急報が届く。
「だ、旦那っ!?」
「うん、親父じゃないか? どうしてここへ?」
「旦那こそ、何で釣りなんかをって、そんなこたぁ、どうだっていい! エクアの嬢ちゃんが消えちまった!!」
無骨そうな戦士に言われた桟橋までやってきた。
桟橋は古びた木製。幅は人二人分といった程度でこじんまりとしている。
人はまばらで、ゆったりとした時間を過ごせそうだ。
「ふふ、悪くないスポットだ。どれ、久しぶりに釣りを楽しむか」
桟橋の一番先まできて、釣りの準備をし、釣り糸を海へ投げる。
後方に注意して空を狙うように釣り糸を飛ばすと、糸はするすると伸びて海の中へと吸い込まれていった。
私はぷかりぷかりと浮く浮きを見ながら、初めてギウと出会ったときのことを思い出す。
「トーワの海岸でこうやって釣りをしている最中に彼と出会い、よく釣れる場所へ案内してもらったな。初めて出会ったときは何者だと思ったが、本当にあれは良い出会いだった」
ギウとの出会いで灰色の古城生活に色がついた。
彼は私へとても心配り、そして惜しみない協力をしてくれる。
どうして彼がそのようなことをしてくれるのかは謎だ。
私もまた、どうして彼のことを心の奥底から信頼できるのかは謎。
だが、いい。
謎などどうでもいい。友と呼べる者と一緒に過ごす時間の前ではこのような謎など小さなこと。
時折、潮騒が頬を撫でて、魚が釣り針に食いつき、それを釣り上げる。
ゆったりとした時間が流れていく。
「最近は忙しく、釣りをする余裕もなかったからな。農作業もキサたちに任せっぱなしだし。なんとか時間を作って、トーワでも農作業や釣りが楽しめるくらいにならないとな」
仕事ばかりに追われる人生ではもったいない。
やるべきことは果てしなくあるが、それでも余暇というものを作り楽しまねば……。
私は身体から力を抜き、自然に身を委ねる。
波の音、鳥たちの声、流れ行く白い雲。
緩やかに時は流れ、いつしか太陽は真っ青だった海を真っ赤に染め始めていた。
「ふぅ、結局、相談に乗ってくれそうな人物は現れなかったな。ふふふ、残念だがそれでも心落ち着けた。明日、釣りに来ても会えそうになければ、トーワへ戻ろう」
いまだ、私自身を語る勇気はない。
だが、もう先延ばしにはできない。
だから、仲間たちに……。
「っ」
心が痛む。恐怖が全身を包み込む。弛緩していた体が凍りつく。
私は自分の存在に自信を持てない。
仲間たちはきっと、私を恐れたりしない。忌避したりしない。
そう信じていても、臆病な自分が真実を口に出すことを恐れている。
「情けないな、私は……」
釣り道具を片付け、立ち去る準備を終えた。
釣り上げた魚たちは泊まる宿で調理してもらうことにしよう。余りは土産として宿へ渡すことにした。
「さて、帰るか」
「おや、ケント様」
「うん?」
私の名を呼ぶ声に顔を向ける。
「あなたは、老翁」
名を呼んだのは、私に釣りの指南をしてくれた老翁だった。
彼は真っ白な長髭を片手で撫でながら釣果を尋ねてくる。
「釣りですか? いかがでした?」
「あはは、なかなかですよ。これも老翁の指南のおかげです」
「ふぉっふぉっふぉ、それは良かった」
「老翁はどうしてこちらへ? 見たところ釣りをしに来たようにも見えませんが」
「ちっとな、孫が悩みを抱えていての」
「お孫さんが?」
「まぁ、老婆心であろうが、ちょいとアドバイスをしてやろうと考えておるんじゃが、はてさて、何と声を掛けてあげればよいのやら。と、そのような患い種を抱えてぶらぶら……」
「もし、よろしければ、私も力になりますが? もちろん、話されても良いものであれば」
「ふぉふぉふぉ、それはちょいと難しいの~」
老翁はさらりと白髭を撫でて、海へ顔を向ける。
「どうも、孫には甘くていかんな。余計な口出しばかりしてしまう。子どもたちには厳しく接してきたというのにのぉ」
「はあ……」
「ケント様。どうして老人は我が子以上に孫を可愛がると思いますかな?」
「と、唐突ですね。まぁ、そうですね……自分の子どもに注いだ愛情を思い出すからでしょうか」
「ふぉっふぉっふぉ、そんな高尚な理由じゃないですぞ」
「では、答えは?」
「責任がないからじゃ」
「はい?」
「自分の子どもであれば、親として責任を負わねばならぬ。じゃが、孫は違う。孫の責任を負うのはその親であってワシではない。だから、無責任に可愛い可愛いと甘やかすことができる。そういうわけで、ついつい甘くなってしまうのじゃ」
「あははは、なるほど。それだと、お孫さんのご両親はお困りでしょうね」
「そうじゃのう。親は子どもを無闇に甘やかしたくはないが、爺さん婆さんは孫にあれもこれもと与えていく。親にとってはたまったもんじゃない」
「ははは、そうでしょうね」
「じゃが、今回は違う。その親に孫を救ってくれと頼まれたからの」
「え?」
老翁はスッと背筋を伸ばし、年老い知恵を紡いだ重厚な瞳で私を見つめた。
「ワシはな、子どもたちを信じて世界を託した。敵は強大で勝てぬかもしれぬ。じゃが、必ずしも敗北するとは限らぬ。だから、ワシは子どもたちを信じることにした」
「老翁?」
「子どもたちはワシを恨むかもしれん。じゃが、いつまでも親ではいられぬ。いつかは飛び立つ時が来る。その時に、己の力で羽ばたけぬようだと未来は切り開けん。ワシの判断が子どもたちを滅ぼすことになろうとも、子どもたちは困難に立ち向かわなければならぬっ」
「あ、あなたは一体何を?」
問いは風に流れ、老翁はとても朗らかに微笑む。
その微笑みを目にすると不可思議な感情が湧き立つ。
いつか、老翁はアルリナの騒動を鎮めた事がある。
それは私たちがアルリナに訪れた際に、ムキ=シアンを退治した英雄として住民が盛り上がっていた時だ。
そこに老翁が現れ、彼の声に住人は素直に従った。
それに疑問を抱いた私の心だったが、ストンと何かが抜け落ちたように、疑問を抱くことをやめた。
あの時の思いは畏れ多くも尊き方に対する心。
そのお方は尚も言葉を続ける。
「自身の出生に疑問を抱くのじゃろう。じゃがの、ワシは思う。それは歪な知識を手にしてしまったがためだとしても、子どもたちが生み出した新たな世界の命。ワシにとって、それは――――孫も同然なんじゃ!」
「あ、あなたはっ」
「ケントよ、命に誇りを持て! お主はワシの孫であり、子どもたちの、アーガメイトの子であろう。何ら恥じることはない! お主もまた、このスカルペルの命なんじゃからな」
老翁は小さな会釈をして、桟橋から離れていく。
私は呼び止めようとして、声を降ろした。
「確固たる私を形作る。なるほど、あの方以上に私の存在を許してくれる方はいない。まさか、身近に存在して、見守ってくださったとはっ!」
私は前を向く。
すでに、老翁の姿はない。
夕闇が世界を閉ざしていく中で、私は心を光で満たす。
「レイからは背中を押された。二つの世界のフィナから言葉をもらい、亡き父からも言葉を頂いた。そして、大いなる存在からもまた、私というものを頂いた。私に集ってくれた仲間たちは皆、心より信頼できる者たちばかり。ここで、私が歩みを止めるようであれば、臆病どころではないっ!」
多くに支えられ、勇気づけられた。
これほどまでに恵まれた者は世界中どこを探しても存在しないだろう。
「異端な存在と己自身を卑下していたことが恥ずかしい。話そう。トーワに戻り、全てを告白しよう。私が何者であるかを!」
私は一歩、足を踏み出す。
そこに、急報が届く。
「だ、旦那っ!?」
「うん、親父じゃないか? どうしてここへ?」
「旦那こそ、何で釣りなんかをって、そんなこたぁ、どうだっていい! エクアの嬢ちゃんが消えちまった!!」
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる