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番外編 最良だったはずの世界
番外編13 より良い明日を求めて
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「ケント、他に誰かいるの?」
「いや、私だけだ」
「まぁ、そうでしょうね。それじゃ、そろそろ遺跡の炉を落とすよ」
「そうか、いよいよ、父の書斎も見納めか」
彼は最後に父の書斎の姿を銀眼に刻み込む。
そして――
「フィナ、炉を落とす準備を」
「うん」
フィナは自分の前に半透明のモニターを浮かべた。
炉を落とそうとするフィナを見つめ、ケントは思う。
(これが研究者としての彼女の姿。本当の彼女の姿。遺跡は眠る。これを機会に領主から解放してやるべきか)
「フィナ、遺跡が眠りに着いたら、この後どうするつもりだ?」
「へ?」
「君をトーワの領主にしたのは、この遺跡の管理を君にしか任せられなかったからだ。だが、その役割も終えた。これ以上、君をトーワの領主に縛り付けておく理由はない」
「なにそれ? クビってこと?」
「そうではない。君が本来求めている、研究者としての君に戻してあげたいと思っているだけだ」
「あら、ご親切に。そうね~、正直、とっとと辞めたいという思いもあるからね~。領主って面倒で、研究の時間は削られるは、ややこしい判断は迫られるはで、ろくなことがないし」
ややこしい判断――そう、口にした瞬間、小さくフィナは顔を歪めた。
それは領主として時に冷酷な判断を下さなければならない辛さだろう。
そう感じたケントは、向こうのフィナの姿を思い出す。
(あちらの彼女は最適と判断すれば、冷酷な判断を行えた。私の知るフィナも、それに片足を突っ込んでいるのか)
だからケントは、フィナに再び翼を与えたい、
自由な旅の錬金術士としての翼を――
「そういうことならば、さっそく後継を選任して――」
「でも、もうちょっと領主をやってないと」
「え、どうしてだ?」
「今、新たな教育方法を考えてるのよ。上手くいけば、もっと手軽にわかりやすく錬金術や魔術の知識に触れられるようになる。それを見届けたいし」
「だが、領主に留まれば留まるほど、難しい判断を迫られるぞ」
彼は少しばかり顔を曇らせる。
それにフィナは気づく。
「もしかして、気を使ってくれてる? だったら、余計なお世話だよ」
「え?」
「たしかに、領主として辛い判断が迫られる時もある。でもね、私、ケントと違うもん」
「なんだと?」
「外から見てるとよくわかるんだけどさ、ケントって先に進むために結構大胆な決断とかするじゃん。でも、私はしない」
「なら、判断が必要な時はどうするんだ?」
「面倒なことは先送りする」
「あのな……」
「まぁ、最後まで話を聞きなさいって。たしかに『先送り』って言葉はネガティブなイメージだけど、時に必要なことだと思うの」
「そうか?」
「そうよ。ケントは前へ進むために時に重い判断を下す。犠牲を厭わない。かつての私もそうだった。でもね、領主をやってみてその考えを改めた」
「どのように?」
「先に進む、それは大事。でも、その歩みについて来れない人たちがいる。私はその人たちを待ってあげたいの。問題の先送り――ただ、先送りにするだけなら意味がない。だけど、私は先送りにすることで解決する時間、歩みが遅い人たちが追いつく時間を作れると思ってるのよ」
「それは、面白い考え方だ……」
「ふふ……ただ、前に進むだけじゃ意味がない。時に立ち止まり、足踏みして、後ろを振り返る。遅れている人へ肩を貸す。そして、また歩む。それが私の領主としての在り方」
「はは、そうか……君は私と違う道を歩んでいるんだな」
「ケントもたまには立ち止まって、後ろを見なさい。外から見てると、余裕がなさ過ぎてやきもきしてるんだから」
「あはは、領主としては私の方が先輩だったが、後輩に教えられたな」
「だって、私天才ですもん。目の前の凡人と違って」
「悪かったな、凡人で。それで、その教育方法とやらが成就したら?」
「その時は領主をやめる。そして、旅の錬金術士に戻るの。もちろんそれまでに後任を育てておくけどね。これを誰かに無責任と責められても、自分の人生。自分の好きなように生きないと損じゃん」
「ははは、君らしい。だが、確かにそうだ。好きなように生きないと損か……」
「ケントも王様やめちゃう?」
「フィコン辺りに全部押し付けたいところだが……王として、この国の、この大陸の、この世界の行く末を見つめていたい。そういう思いもある」
「そうなんだ。変わったね。面倒臭がりのくせに」
「今でも十分面倒臭がりだ。しかし、国が豊かになっていく姿は我が子を見ているようで楽しく、嬉しいものだ」
「それはわかるかも。トーワがどんどんどんどん発展していく様子は自分のことのように嬉しいから」
「それをおいても、旅に惹かれるか?」
「うん!」
「そうか……それが君なのだろう。だけど、惜しいな」
「何が?」
「君は誰よりも優しく、民を見つめることのできる人間だ。私より、君の方が王に向いていそうだな」
「やめてよ、勝手に格上げしないで! 絶対お断りだからね!」
「わかっている。椅子に縛り付けては君の魅力は半減する。自由あってこそのフィナだ」
「わかってるなら、良し!」
「それでは、炉を」
「うん」
フィナがモニターに浮かぶどくろマークのボタンを押す。
すると、アーガメイトの書斎を模した部屋が何もないがらんとした部屋へ戻り、中央には丸い球体が載る台座を残すのみとなった。
フィナは転送石を取り出して、ケントへ伝える。
「オーキスさんを呼んだら、この転送石を使って外に出る。そのあとは、この遺跡の位相をずらして、何人たりともは入れないようにする。この地球人の技術を駆使した位相変化による結界を打ち破れるほどの世界が誕生するまでね」
そう言葉を残し、フィナは歩み始めた。
ケントは彼女の誇り高くも頼れる背中を見つめる。
(冷酷な判断を下すフィナ、か。杞憂だったな。私の知るフィナはそのような人物にはならない。誰よりも仲間思いの彼女は、その優しさを他者にも向けることのできる女性だ)
ケントも歩み、先に続く自身の王としての姿を見る。
(少しばかり歩みが早すぎたようだ。フィナの言った通り、時に立ち止まり、振り返る必要もあるだろう。足踏みし、悩む時間も必要だろう。そして、歩みが遅い者たちへ手を差し伸ばす必要もあるだろう)
ケントはフィナへ微笑む。
(フィナ、私は君と出会えたことを誇りに思う。君は様々な知恵を貸してくれた。王となり、前へ進むことだけしか頭になかった私に立ち止まる勇気をくれた。私は、君に頼ってばかりだな)
「ありがとう、フィナ」
「え? なに?」
「いや、何でもない。では、王都に戻り次第、色々と施策を見直さないとな。今よりももっと、より良い明日を求めて――」
※あとがき――――――――――
フィナ?「四日ほどで一気に生まれた物語の上に、出したら世界観が壊れそうな裏設定をぶちまけて、さらに作者の趣味に塗れてた話だったけど……どう、楽しかった? そうだと嬉しいな」
フィナ?「それはさておき、まえがきの約束通り、私の正体を明かしますか。まず、覚えてるかな? アーガメイトのこの言葉を」
『私の意志を遺跡にコピーした際に、遺跡は私という情報を収集してこちらの世界に置いたようだ』<第二十八章 また、会えた>
フィナ?「だからアーガメイトはナノマシンがなくても、情報世界に存在するってわけね。じゃ、次のシーン。バルドゥルのセリフね」
『いやいや、これはフィナだ。細胞も遺伝子も分子も、寸分違わず複製した』
『さらに、このフィナに貴様の記憶をコピーすればどうなる?』
<第二十四章 フィナの死>
フィナ?「これでわかったかな? そう、今ここで話している私という存在は、あの時に、遺跡が情報として収集した私ってわけ。つ・ま・り、私は現在、古代人たちの情報世界に存在しているフィナ=ス=テイローというわけね」
情報世界のフィナ「ここは死後の世界みたいな世界。肉体を失い情報のみとなった世界。見方によっては精霊とか神とかみたいな存在。そして、そういった存在は……別の世界へ現れることも可能。わかる? そう、もしかしたら、どこかであなたに会えるかもってこと。ふふふ、それじゃ、今はさようなら。みんな、元気でね」
「いや、私だけだ」
「まぁ、そうでしょうね。それじゃ、そろそろ遺跡の炉を落とすよ」
「そうか、いよいよ、父の書斎も見納めか」
彼は最後に父の書斎の姿を銀眼に刻み込む。
そして――
「フィナ、炉を落とす準備を」
「うん」
フィナは自分の前に半透明のモニターを浮かべた。
炉を落とそうとするフィナを見つめ、ケントは思う。
(これが研究者としての彼女の姿。本当の彼女の姿。遺跡は眠る。これを機会に領主から解放してやるべきか)
「フィナ、遺跡が眠りに着いたら、この後どうするつもりだ?」
「へ?」
「君をトーワの領主にしたのは、この遺跡の管理を君にしか任せられなかったからだ。だが、その役割も終えた。これ以上、君をトーワの領主に縛り付けておく理由はない」
「なにそれ? クビってこと?」
「そうではない。君が本来求めている、研究者としての君に戻してあげたいと思っているだけだ」
「あら、ご親切に。そうね~、正直、とっとと辞めたいという思いもあるからね~。領主って面倒で、研究の時間は削られるは、ややこしい判断は迫られるはで、ろくなことがないし」
ややこしい判断――そう、口にした瞬間、小さくフィナは顔を歪めた。
それは領主として時に冷酷な判断を下さなければならない辛さだろう。
そう感じたケントは、向こうのフィナの姿を思い出す。
(あちらの彼女は最適と判断すれば、冷酷な判断を行えた。私の知るフィナも、それに片足を突っ込んでいるのか)
だからケントは、フィナに再び翼を与えたい、
自由な旅の錬金術士としての翼を――
「そういうことならば、さっそく後継を選任して――」
「でも、もうちょっと領主をやってないと」
「え、どうしてだ?」
「今、新たな教育方法を考えてるのよ。上手くいけば、もっと手軽にわかりやすく錬金術や魔術の知識に触れられるようになる。それを見届けたいし」
「だが、領主に留まれば留まるほど、難しい判断を迫られるぞ」
彼は少しばかり顔を曇らせる。
それにフィナは気づく。
「もしかして、気を使ってくれてる? だったら、余計なお世話だよ」
「え?」
「たしかに、領主として辛い判断が迫られる時もある。でもね、私、ケントと違うもん」
「なんだと?」
「外から見てるとよくわかるんだけどさ、ケントって先に進むために結構大胆な決断とかするじゃん。でも、私はしない」
「なら、判断が必要な時はどうするんだ?」
「面倒なことは先送りする」
「あのな……」
「まぁ、最後まで話を聞きなさいって。たしかに『先送り』って言葉はネガティブなイメージだけど、時に必要なことだと思うの」
「そうか?」
「そうよ。ケントは前へ進むために時に重い判断を下す。犠牲を厭わない。かつての私もそうだった。でもね、領主をやってみてその考えを改めた」
「どのように?」
「先に進む、それは大事。でも、その歩みについて来れない人たちがいる。私はその人たちを待ってあげたいの。問題の先送り――ただ、先送りにするだけなら意味がない。だけど、私は先送りにすることで解決する時間、歩みが遅い人たちが追いつく時間を作れると思ってるのよ」
「それは、面白い考え方だ……」
「ふふ……ただ、前に進むだけじゃ意味がない。時に立ち止まり、足踏みして、後ろを振り返る。遅れている人へ肩を貸す。そして、また歩む。それが私の領主としての在り方」
「はは、そうか……君は私と違う道を歩んでいるんだな」
「ケントもたまには立ち止まって、後ろを見なさい。外から見てると、余裕がなさ過ぎてやきもきしてるんだから」
「あはは、領主としては私の方が先輩だったが、後輩に教えられたな」
「だって、私天才ですもん。目の前の凡人と違って」
「悪かったな、凡人で。それで、その教育方法とやらが成就したら?」
「その時は領主をやめる。そして、旅の錬金術士に戻るの。もちろんそれまでに後任を育てておくけどね。これを誰かに無責任と責められても、自分の人生。自分の好きなように生きないと損じゃん」
「ははは、君らしい。だが、確かにそうだ。好きなように生きないと損か……」
「ケントも王様やめちゃう?」
「フィコン辺りに全部押し付けたいところだが……王として、この国の、この大陸の、この世界の行く末を見つめていたい。そういう思いもある」
「そうなんだ。変わったね。面倒臭がりのくせに」
「今でも十分面倒臭がりだ。しかし、国が豊かになっていく姿は我が子を見ているようで楽しく、嬉しいものだ」
「それはわかるかも。トーワがどんどんどんどん発展していく様子は自分のことのように嬉しいから」
「それをおいても、旅に惹かれるか?」
「うん!」
「そうか……それが君なのだろう。だけど、惜しいな」
「何が?」
「君は誰よりも優しく、民を見つめることのできる人間だ。私より、君の方が王に向いていそうだな」
「やめてよ、勝手に格上げしないで! 絶対お断りだからね!」
「わかっている。椅子に縛り付けては君の魅力は半減する。自由あってこそのフィナだ」
「わかってるなら、良し!」
「それでは、炉を」
「うん」
フィナがモニターに浮かぶどくろマークのボタンを押す。
すると、アーガメイトの書斎を模した部屋が何もないがらんとした部屋へ戻り、中央には丸い球体が載る台座を残すのみとなった。
フィナは転送石を取り出して、ケントへ伝える。
「オーキスさんを呼んだら、この転送石を使って外に出る。そのあとは、この遺跡の位相をずらして、何人たりともは入れないようにする。この地球人の技術を駆使した位相変化による結界を打ち破れるほどの世界が誕生するまでね」
そう言葉を残し、フィナは歩み始めた。
ケントは彼女の誇り高くも頼れる背中を見つめる。
(冷酷な判断を下すフィナ、か。杞憂だったな。私の知るフィナはそのような人物にはならない。誰よりも仲間思いの彼女は、その優しさを他者にも向けることのできる女性だ)
ケントも歩み、先に続く自身の王としての姿を見る。
(少しばかり歩みが早すぎたようだ。フィナの言った通り、時に立ち止まり、振り返る必要もあるだろう。足踏みし、悩む時間も必要だろう。そして、歩みが遅い者たちへ手を差し伸ばす必要もあるだろう)
ケントはフィナへ微笑む。
(フィナ、私は君と出会えたことを誇りに思う。君は様々な知恵を貸してくれた。王となり、前へ進むことだけしか頭になかった私に立ち止まる勇気をくれた。私は、君に頼ってばかりだな)
「ありがとう、フィナ」
「え? なに?」
「いや、何でもない。では、王都に戻り次第、色々と施策を見直さないとな。今よりももっと、より良い明日を求めて――」
※あとがき――――――――――
フィナ?「四日ほどで一気に生まれた物語の上に、出したら世界観が壊れそうな裏設定をぶちまけて、さらに作者の趣味に塗れてた話だったけど……どう、楽しかった? そうだと嬉しいな」
フィナ?「それはさておき、まえがきの約束通り、私の正体を明かしますか。まず、覚えてるかな? アーガメイトのこの言葉を」
『私の意志を遺跡にコピーした際に、遺跡は私という情報を収集してこちらの世界に置いたようだ』<第二十八章 また、会えた>
フィナ?「だからアーガメイトはナノマシンがなくても、情報世界に存在するってわけね。じゃ、次のシーン。バルドゥルのセリフね」
『いやいや、これはフィナだ。細胞も遺伝子も分子も、寸分違わず複製した』
『さらに、このフィナに貴様の記憶をコピーすればどうなる?』
<第二十四章 フィナの死>
フィナ?「これでわかったかな? そう、今ここで話している私という存在は、あの時に、遺跡が情報として収集した私ってわけ。つ・ま・り、私は現在、古代人たちの情報世界に存在しているフィナ=ス=テイローというわけね」
情報世界のフィナ「ここは死後の世界みたいな世界。肉体を失い情報のみとなった世界。見方によっては精霊とか神とかみたいな存在。そして、そういった存在は……別の世界へ現れることも可能。わかる? そう、もしかしたら、どこかであなたに会えるかもってこと。ふふふ、それじゃ、今はさようなら。みんな、元気でね」
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只今、本作を読み終わりました。
小説の舞台であるSF技術のある世界で、空想科学小説では定番の「タイムマシン」や「サイコシキネス」等が登場するような発展の仕方をさせずに、異世界ファンタジー小説では定番の「魔法」や「錬金術」が登場するような発展の仕方をさせると、理論自体は科学でもそこから起きる現象は魔法としか思えない、という感じになるのかと驚かされました。ここまでくると、「剣と魔法の世界」の皮を被った「SF世界」としか思えません。
今回の作品は、設定の詳細さ及び凝り具合等といった様々な点で完成度が高く、非常に素晴らしいと感じました。
ご指摘通り、剣と魔法の世界の皮を被ったSF世界です。
元々SF好きで、それを何とか剣と魔法の世界に落とし込めないかなぁ、という始まりで生み出された作品。
科学を下地に置きながらも、魔法という矛盾する超常現象が溶け合う世界を楽しんで頂けたのならば大変嬉しいです。
感想、ありがとうございます。
完結おめでとうございます!
最後は怒涛の展開で一気に読んでしまいました。
蒸し返すようですが、個人的には十分「SF」で通用すると思っています。
ケントの相方(奥さん)が不明なままだったのは少し残念ですが、
フィナ・・・似た価値観を共有できる。興味の方向も似ているので共感部分が多い。
エクア・・・実年齢では実は年上。お互いに対して想い合う気持ちが一番穏やかで相性は良さげ。
フィコン・・なんだかんだでケントのことを気に入っている。大穴。宗教の権威的なアレや権力的なソレでマイナスにならなければ伴侶にしてしまおうとか考えそう。
のどれかだろうなー、という気はしてます。
ケントがんばれー。
多分、なんだかんだで困ったら誰かが助けてくれるよ。
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※SFタグつけてみます。
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ここまでプロットもなく脳内プロットだけで押し進めてきたツケです。
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ご愛読ありがとうございました。