0の能力者

プロローグ 〜0の能力者〜

彼は、廊下を堂々と歩いていた。周囲からは、軽蔑、嘲笑、軽侮。色々な感情の視線が彼を貫く。それらは全て彼を見下すような視線だ。
｢なんであいつはこの組織にいるんだろーな。｣
｢ねぇ～｣
｢相棒も居ないらしいぜ。｣
｢マジかよそれ。｣
普通の人なら顔をしかめるような言葉を浴びる。だが彼は動じない。表情の変化もなく、ただ廊下を歩く。目的地は何処だろうか。








彼が所属する組織Dedv。この組織は能力者犯罪防止組織として最近結成された。謎が多いこの組織には10000程の能力者が存在している。

日本でいう超歌の時代、世界中に能力者が現れた。その数はどんどん増えているという。だがまだ世界的に見ると3割ほどで、日本もそれほど多くなかった。だがその少数の能力者が事件を起こすようになった。己の能力を好き勝手に使い、欲を満たしていた。世界中が能力者が起こす事件に頭を悩ませていた。そんな時、日本には2つの犯罪防止組織が生まれていた。警察とDedvである。警察は昔からあったがその実態は謎だらけだった。ただ知られていることが1つある。警察を敵に回したら終わり。警察を動かしているうちの2人。そのふたりが人間を遥かに超越した力を持っていると。敵に回したら最後生きて帰れた者はいない...と。まぁこんなところでいいだろう。この物語はある方面では警察とDedvの対立の物語なのかもしれない。







何時か彼は聞かれた。
｢君の能力はなんなんだ｣
彼は答えた。
｢能力なんて無い。｣ 
と。彼に能力がないという噂はたちまち広がった。そして皮肉を込めて周りの人物は彼をこう呼んだ。
【0の能力者】と。






この物語は0の能力者が世界を変える。そんな物語である。0の能力者...彼の名は







【起龍 天原】
という。