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第二章
第99話 アルファイド王国での王都観光 その二
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人混みの中『グローブフォレスト商会』を目指して大通りを歩いて行く。
しばらく歩いていると、見たことのある看板が目に入り足を止める。
看板には『グローブフォレスト商会』の文字が書かれており、ひっきりなしに人が出入りしていた。
私は看板を指差してヒデさんに告げた。
「あそこが『グローブフォレスト商会』だよ」
私が指差した方向に顔を上げて看板を見たヒデさんは、おぉ――!と感歎の声を上げて期待の入り交じった眼差しで建物をまじまじと眺めている。
まだ米や味噌などの調味料は買い足すほどではないが、もしかしたら向こうでは取り扱っていない商品があるかもと思い、自然と期待が膨らんでいく。
建物を見上げていたヒデさんが振り返る。
「ユーリさん、早く中に入ろう」
興奮した様子のヒデさんが、私の腕を掴んでぐいぐいと引っ張る。
こういったところはまだ子供なんだなと苦笑を漏らしながら、引っ張られるまま後をついて行く。
広い店内に足を踏み入れて周囲を見渡す。
エストロッジ国の店より広い店内の棚には、様々な調味料に加え日本でお馴染みの調理器具が並んでいた。
私は、調理器具が並べてある島に引き寄せられるように歩いて行くと、ある調理器具をジッと見つめた。
ボウルと泡立て器だ。
日本では見慣れたオーソドックスな泡立て器だが、この世界で目にするとは思わなかった。
これだけ綺麗な曲線の泡立て器を造る技術を持っていたとは驚きだ。
どの泡立て器も大きさは均一な上、ワイヤー部分も等間隔となっており、まさに芸術作品と言ってもおかしくはない。
ボウルもシンプルながら凹凸のない滑らかな仕上がりに、思わず感嘆の声が漏れてしまった。
「はー……。泡立て器があればマヨネーズが楽に作れる。絶対に買いだわ」
ポツリと零した呟きを耳にしたメイスとブロンの声が重なる。
『 『マヨネーズ?』 』
私は腕に抱えたブロンと肩に乗ったメイスに視線を向けて笑みを浮かべる。
「ふふ。そう、マヨネーズ。材料は四つあれば簡単に作れるんだけど、混ぜ合わせる道具が見つからなくて諦めていたの。でも、これでマヨネーズが作れるわ」
初めてこの世界の調理器具を目にした時、私は瞬時に諦めた。
だって、包丁や鍋以外の金属製の道具が見当たらなかったのだから。
偶々目にしなかっただけかもしれない、そう自分に言い聞かせていたもののどこかで諦めていた。
だから、自然と調理する気力が失せて、メイスが用意してくれる料理が楽しみになっていた。
でも、泡立て器があるならまた料理に挑戦してみたい。
目の前のボウルと泡立て器を見ていたら、失った気力が湧いてきた。
泡立て器を使った料理に思考を飛ばしていると、好奇心に満ちたメイスの声が耳に届く。
『ほぉ……。マヨネーズか。それは非常に興味深い。それも二ホンの料理なのか?』
「料理というより調味料の一つだよ。卵の濃厚な味わいが食欲をそそるんだよねぇ」
別にマヨラーなわけではないのだけど、この世界の料理は単調でもの足りないのだ。
言っておくけど、美味しくないわけじゃないよ!
ただ、ちょっと味に変化が乏しいというか、もうちょっと香辛料を使った料理が食べたいとか、濃厚な味付けの料理が食べたいとか、ほんのちょっと思っただけだから!
心の中で必死に言い訳をしていたら、興味を持ったメイスが問いかけてきた。
『なるほど。では、ユーリはマヨネーズとやらの作り方を知っているのだな?』
その質問を受けて、私は胸を張って答えた。
「もちろん!ただ、調理器具がなかったから作らなかっただけだし。道具さえ揃えば作り方は至って簡単だから作れるよ!」
『なら、調理器具を購入しよう』
メイスの即答に私は目を丸くした後、苦笑を浮かべる。
人間の暮らしに興味が無いと言っていたわりには、食べ物には貪欲だ。
美味しい料理は種族を問わず幸せな気分にしてくれるということだろう。
「ふふ。うん、そうだね」
それから私達は色々な調理器具を物色していった。
あと、これは店を出てからメイスが教えてくれたのだが、店内での私達の会話が漏れないように防音の結界を張ってくれていたそうだ。
なぜならメイス曰く、エストロッジ国の二の舞を防ぐためだったらしい。
確かに、あの時はヤマモトさんに引き止められて色々と質問をされたっけ。
メイスの何気ない気配りが嬉しい。
それと同時に自分の迂闊さを反省した。
次からは気をつけようと固く誓ったのであった。
しばらく歩いていると、見たことのある看板が目に入り足を止める。
看板には『グローブフォレスト商会』の文字が書かれており、ひっきりなしに人が出入りしていた。
私は看板を指差してヒデさんに告げた。
「あそこが『グローブフォレスト商会』だよ」
私が指差した方向に顔を上げて看板を見たヒデさんは、おぉ――!と感歎の声を上げて期待の入り交じった眼差しで建物をまじまじと眺めている。
まだ米や味噌などの調味料は買い足すほどではないが、もしかしたら向こうでは取り扱っていない商品があるかもと思い、自然と期待が膨らんでいく。
建物を見上げていたヒデさんが振り返る。
「ユーリさん、早く中に入ろう」
興奮した様子のヒデさんが、私の腕を掴んでぐいぐいと引っ張る。
こういったところはまだ子供なんだなと苦笑を漏らしながら、引っ張られるまま後をついて行く。
広い店内に足を踏み入れて周囲を見渡す。
エストロッジ国の店より広い店内の棚には、様々な調味料に加え日本でお馴染みの調理器具が並んでいた。
私は、調理器具が並べてある島に引き寄せられるように歩いて行くと、ある調理器具をジッと見つめた。
ボウルと泡立て器だ。
日本では見慣れたオーソドックスな泡立て器だが、この世界で目にするとは思わなかった。
これだけ綺麗な曲線の泡立て器を造る技術を持っていたとは驚きだ。
どの泡立て器も大きさは均一な上、ワイヤー部分も等間隔となっており、まさに芸術作品と言ってもおかしくはない。
ボウルもシンプルながら凹凸のない滑らかな仕上がりに、思わず感嘆の声が漏れてしまった。
「はー……。泡立て器があればマヨネーズが楽に作れる。絶対に買いだわ」
ポツリと零した呟きを耳にしたメイスとブロンの声が重なる。
『 『マヨネーズ?』 』
私は腕に抱えたブロンと肩に乗ったメイスに視線を向けて笑みを浮かべる。
「ふふ。そう、マヨネーズ。材料は四つあれば簡単に作れるんだけど、混ぜ合わせる道具が見つからなくて諦めていたの。でも、これでマヨネーズが作れるわ」
初めてこの世界の調理器具を目にした時、私は瞬時に諦めた。
だって、包丁や鍋以外の金属製の道具が見当たらなかったのだから。
偶々目にしなかっただけかもしれない、そう自分に言い聞かせていたもののどこかで諦めていた。
だから、自然と調理する気力が失せて、メイスが用意してくれる料理が楽しみになっていた。
でも、泡立て器があるならまた料理に挑戦してみたい。
目の前のボウルと泡立て器を見ていたら、失った気力が湧いてきた。
泡立て器を使った料理に思考を飛ばしていると、好奇心に満ちたメイスの声が耳に届く。
『ほぉ……。マヨネーズか。それは非常に興味深い。それも二ホンの料理なのか?』
「料理というより調味料の一つだよ。卵の濃厚な味わいが食欲をそそるんだよねぇ」
別にマヨラーなわけではないのだけど、この世界の料理は単調でもの足りないのだ。
言っておくけど、美味しくないわけじゃないよ!
ただ、ちょっと味に変化が乏しいというか、もうちょっと香辛料を使った料理が食べたいとか、濃厚な味付けの料理が食べたいとか、ほんのちょっと思っただけだから!
心の中で必死に言い訳をしていたら、興味を持ったメイスが問いかけてきた。
『なるほど。では、ユーリはマヨネーズとやらの作り方を知っているのだな?』
その質問を受けて、私は胸を張って答えた。
「もちろん!ただ、調理器具がなかったから作らなかっただけだし。道具さえ揃えば作り方は至って簡単だから作れるよ!」
『なら、調理器具を購入しよう』
メイスの即答に私は目を丸くした後、苦笑を浮かべる。
人間の暮らしに興味が無いと言っていたわりには、食べ物には貪欲だ。
美味しい料理は種族を問わず幸せな気分にしてくれるということだろう。
「ふふ。うん、そうだね」
それから私達は色々な調理器具を物色していった。
あと、これは店を出てからメイスが教えてくれたのだが、店内での私達の会話が漏れないように防音の結界を張ってくれていたそうだ。
なぜならメイス曰く、エストロッジ国の二の舞を防ぐためだったらしい。
確かに、あの時はヤマモトさんに引き止められて色々と質問をされたっけ。
メイスの何気ない気配りが嬉しい。
それと同時に自分の迂闊さを反省した。
次からは気をつけようと固く誓ったのであった。
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