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第二章
第114話 ユーリの想い
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無事、薬草と魔物の買い取りを済ませた私達は、キリアンさんの紹介で宿を確保することが出来た。
宿泊手続きを終えてキリアンさんにお礼を言う。
「何から何までお世話になりました。ありがとうございました」
「礼なんて要らない。……それより、ユーリ達はしばらくこの街に滞在するのか?」
一瞬返答に詰まるが、短時間でキリアンさんが裏表のない人だと判断した私は、正直に話すことにした。
「はい。最初からこの街に来るのが目的でしたし、しばらくはここでのんびりしたいと考えています」
そう伝えてヒデさんに顔を向けると、ヒデさんも同意するように大きく頷いた。
すると、キリアンさんはパッと表情を明るくして満足気に頷き返す。
「そうか。それは良かった。もし、しばらくここに拠点を置くつもりなら俺に何でも相談してくれ。これでも一応金級冒険者だからね。多少の融通は利くはずだ」
キリアンさんの気持ちはありがたいのだけど、なぜ会って間もない人間にそこまで親切にするのか理由が分からなかった。
理由が分からないままキリアンさんに頼ってしまうのは良くない気がして、私は慎重に言葉を選んで答えた。
「……そうですか。それはありがたいです。でも、出来れば僕達でやれるだけのことはしようと思います。それでも無理だと判断した時は相談させてもらいますね」
やんわりと遠回しに断ってみたのだが、彼に伝わっただろうか。
恐る恐る視線を上げると、あからさまにがっくりと肩を落としたキリアンさんと視線が合ってしまった。
「警戒する気持ちは分かる。だが、俺はユーリ達を害する気持ちは無い。寧ろ、守りたいと思っている。いや、守らせてほしい」
なぜ、キリアンさんがそこまでして私達を守りたいのか、ますます疑問が強まる。
答えあぐねていると、メイスがため息交じりに言った。
『は―……。守りたいと言うなら勝手に守らせておけ。悪意や敵意といった負の感情は感じないから問題ないだろう。それに、何かあればこの俺が青髪をボコボコにしてお前に近づけないようにしてやる』
何か物騒なことを言っているが、メイスが言うなら信じよう。
それに、キリアンさんはこの街に詳しいだろうし、相談するだけなら問題ないと思う。
がっくりと肩を落としたキリアンさんを見つめて口を開いた。
「……では、お言葉に甘えて何か分からないことがあったら相談させていただきます。キリアンさん、よろしくお願いします」
「っ!ああ、こちらこそよろしく」
パッと顔を上げて満面の笑みを浮かべるキリアンさんに、私とヒデさんは顔を見合わせて苦笑する。
その後、キリアンさんと別れた私達は、食堂で夕食を摂り部屋に移動した。
部屋に設置された椅子に腰を下ろすなりヒデさんがポツリと呟いた。
「キリアンさんって見た目もイケメンだけど、中身もイケメンで格好いいなぁ。それに、金級冒険者ってことは相当強いんだよね?僕もキリアンさんみたいに強くなりたいな」
そう呟いたヒデさんの瞳は憧れを抱いているように見えた。
今はまだ少年のような幼い顔立ちをしているが、ヒデさんもあと数年もすればイケメンと呼ばれる部類に入るであろうことは容易に想像出来る。
だが、私としてはまだそのままで居てほしい気持ちが強くて、思わず母親のような心境で語っていた。
「大丈夫。ヒデさんは十分強いよ。だから、無理して背伸びせずに自分のペースで成長していけば良いよ」
そう語った私の目を真っ直ぐに見据えたヒデさんは、ふにゃりと顔を崩すと恥ずかしそうに頬を赤く染めて、俯きながら答えた。
「……ありがとう。でも、僕が強くなれたのはメイスさんのおかげだし、まだ僕一人では魔物と闘うのは厳しいんだ……。だから、もっと頑張らなきゃ」
拳を握りしめて決意を語るヒデさんは元来生真面目な性格なのだろう。
チラッと覗いた手のひらには剣だこが出来ていた。
いきなり異世界に来て奴隷に落とされ偶然私達と出会って冒険者になってしまったが、あの時はそれしか選択肢がなかった。
でも、これからは自分の意思でしたいことをしてほしい。
いずれ、したいことが見つかれば全力で応援しようと心に決めた私は、今は余計なことを言うまいと口を噤んで微笑み返すだけに留めた。
宿泊手続きを終えてキリアンさんにお礼を言う。
「何から何までお世話になりました。ありがとうございました」
「礼なんて要らない。……それより、ユーリ達はしばらくこの街に滞在するのか?」
一瞬返答に詰まるが、短時間でキリアンさんが裏表のない人だと判断した私は、正直に話すことにした。
「はい。最初からこの街に来るのが目的でしたし、しばらくはここでのんびりしたいと考えています」
そう伝えてヒデさんに顔を向けると、ヒデさんも同意するように大きく頷いた。
すると、キリアンさんはパッと表情を明るくして満足気に頷き返す。
「そうか。それは良かった。もし、しばらくここに拠点を置くつもりなら俺に何でも相談してくれ。これでも一応金級冒険者だからね。多少の融通は利くはずだ」
キリアンさんの気持ちはありがたいのだけど、なぜ会って間もない人間にそこまで親切にするのか理由が分からなかった。
理由が分からないままキリアンさんに頼ってしまうのは良くない気がして、私は慎重に言葉を選んで答えた。
「……そうですか。それはありがたいです。でも、出来れば僕達でやれるだけのことはしようと思います。それでも無理だと判断した時は相談させてもらいますね」
やんわりと遠回しに断ってみたのだが、彼に伝わっただろうか。
恐る恐る視線を上げると、あからさまにがっくりと肩を落としたキリアンさんと視線が合ってしまった。
「警戒する気持ちは分かる。だが、俺はユーリ達を害する気持ちは無い。寧ろ、守りたいと思っている。いや、守らせてほしい」
なぜ、キリアンさんがそこまでして私達を守りたいのか、ますます疑問が強まる。
答えあぐねていると、メイスがため息交じりに言った。
『は―……。守りたいと言うなら勝手に守らせておけ。悪意や敵意といった負の感情は感じないから問題ないだろう。それに、何かあればこの俺が青髪をボコボコにしてお前に近づけないようにしてやる』
何か物騒なことを言っているが、メイスが言うなら信じよう。
それに、キリアンさんはこの街に詳しいだろうし、相談するだけなら問題ないと思う。
がっくりと肩を落としたキリアンさんを見つめて口を開いた。
「……では、お言葉に甘えて何か分からないことがあったら相談させていただきます。キリアンさん、よろしくお願いします」
「っ!ああ、こちらこそよろしく」
パッと顔を上げて満面の笑みを浮かべるキリアンさんに、私とヒデさんは顔を見合わせて苦笑する。
その後、キリアンさんと別れた私達は、食堂で夕食を摂り部屋に移動した。
部屋に設置された椅子に腰を下ろすなりヒデさんがポツリと呟いた。
「キリアンさんって見た目もイケメンだけど、中身もイケメンで格好いいなぁ。それに、金級冒険者ってことは相当強いんだよね?僕もキリアンさんみたいに強くなりたいな」
そう呟いたヒデさんの瞳は憧れを抱いているように見えた。
今はまだ少年のような幼い顔立ちをしているが、ヒデさんもあと数年もすればイケメンと呼ばれる部類に入るであろうことは容易に想像出来る。
だが、私としてはまだそのままで居てほしい気持ちが強くて、思わず母親のような心境で語っていた。
「大丈夫。ヒデさんは十分強いよ。だから、無理して背伸びせずに自分のペースで成長していけば良いよ」
そう語った私の目を真っ直ぐに見据えたヒデさんは、ふにゃりと顔を崩すと恥ずかしそうに頬を赤く染めて、俯きながら答えた。
「……ありがとう。でも、僕が強くなれたのはメイスさんのおかげだし、まだ僕一人では魔物と闘うのは厳しいんだ……。だから、もっと頑張らなきゃ」
拳を握りしめて決意を語るヒデさんは元来生真面目な性格なのだろう。
チラッと覗いた手のひらには剣だこが出来ていた。
いきなり異世界に来て奴隷に落とされ偶然私達と出会って冒険者になってしまったが、あの時はそれしか選択肢がなかった。
でも、これからは自分の意思でしたいことをしてほしい。
いずれ、したいことが見つかれば全力で応援しようと心に決めた私は、今は余計なことを言うまいと口を噤んで微笑み返すだけに留めた。
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